「僕の女神」② | 「バックパッカーがH・Ⅰ・Sの役員になった奇跡」小さな会社の未来の創り方

「バックパッカーがH・Ⅰ・Sの役員になった奇跡」小さな会社の未来の創り方

出来ない事はやらないことだとHIS創業者「澤田秀雄」氏から学んだ。ベンチャー魂と自ら経験した多くの失敗が成長の奇跡を創る。伝える事よりも伝わること!直ぐに実践したくなる、熱き魂に触れてください。

「僕の女神」②


 もう一人?の女神は”ちゃら”。2年半前に亡くなったゴールデン・レトリバーです。

彼女は生前中から我が家の天使でした。決して無駄吠えもせず、いつも僕らの傍でちょこんと座っていた。頭も良く、訓練もしないのに、お手・お座り・伏せ・待てという事は自然と出来るようになっていた。

 亡くなったのは10歳になる一月前だった。僕が仕事でオーストラリアから帰って来た、その日だった。死因は癌である。余命幾ばくもないと宣言をされるが、治療の甲斐あって発病宣告から1年近く生きていた。最後の方は食も進まず、大好きなバナナもミニトマトも口にせず、水だけで生きていた。でも、僕たち家族は、誰もが信じていた。必ず治ると。”ちゃら”が死ぬわけないと思っていた。

 12年前にマンションから戸建に引っ越した時に、知り合いに紹介して貰ったペットショップから購入した血統書付きの由緒正しい”犬”だった。

 生後3ヶ月で我が家に来た”犬”はピョンピョンジャンプする、非常に元気な子だった。名前は決まっていた。当時、小学生の次男が”ちゃら”という名に決めていた。

 それから約10年あまりを家族として暮らした。 子供達の妹であり、娘であった。彼女が居るだけで幸せな気持ちになる事が出来た。嫌な事があっても一緒に居るだけで、気持ちが安らいだ。僕は途中の約5年間を東京で一人で暮らしていたが、家族との電話はいつも”ちゃら”の話だった。「元気にしてる?」「ご飯食べてる?」、家族から”ちゃら”の様子を聞くだけで元気になった。その頃の僕は仕事で一番ストレスを抱えていたのだ。

 今、”ちゃら”は天国にいる。天使が僕らの女神になったのだ。彼女が亡くなって暫らくは家族は深刻なペットロスに陥った。今、皆は元気を取り戻しているが今でも心の中に”ちゃら”は生きているし、一緒に暮らしている。

 僕の女神”ちゃら”はいつでも温かく見守っていてくれる。言葉を投げると優しいタレ目で微笑んでくれる。それだけで元気が出てくる。




 人生において、仕事、プライベートの中で様々な問題が起きる事がある。必ずある。深刻に落ち込む事だってある。未来への希望を失いそうになることもある。人はそう大して強くはないものだ。その中で、人は様々な方法で元気を取り戻す事が出来るものだ。仲間の励ましだったり、信仰するものだったり、スポーツや趣味に没頭する事だったりと・・・無宗教、無信仰の僕でも毎朝、神棚の神様と二人の女神に祈る。 「今日も宜しくね」と。それだけで元気になる。

 キューバで買った木工の”人形”も、家族だった”ちゃら”も僕の見えないとこで、しっかりと僕を見てくれていると僕は思っている。 ・・・なぜなら彼女達は僕の女神です。