資料を読んで答えよニコニコ

 

【資料】

1950年代のアメリカは世界で最も豊かな国でした。家庭は電化製品であふれ、街には新聞や雑誌、映画、ジャズなどの音楽、商品の広告があふれていました。そして、これら身の回りの品々を美術に持ち込んだ「ネオ・ダダ」や、大衆文化から生まれた美術「ポップ・アート」が1950年代末頃から盛んになります。この大衆消費社会を反映した傾向は、ヨーロッパ各地でも見られました。

 

 

Q.161

ネオ・ダダについて述べたものは?

①大量生産品をモチーフにしたシルクスクリーン制作を中心に展開した動向

②アメリカの消費文化を皮肉にとらえ、シンボリックな事物を柔らかな素材の彫刻で表現した

③社会から距離をとり、絵画の役割と表現技法についてのみ追求した動向

④アメリカのポップ・アートの先駆的動向で、コンバイン・ペインティングなどを創造した

 

ロバート・ラウシェンバーグ

《ベッド》
1955年 ミクスドメディア

ニューヨーク近代美術館

 

 

 

答え ④

アメリカのポップ・アートの先駆的動向で、コンバイン・ペインティングなどを創造した

 

 

ロバート・ラウシェンバーグ(1925-2008)キラキラ

ロバート・ラウシェンバーグ

1968年

Jac. de Nijs / Anefo, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/ef/Robert_Rauschenberg_%281968%29.jpg

 

 

ネオ・ダダを代表する画家音譜

 

 

「ネオ・ダダ」

抽象表現主義に反発して

ダダ的手法を作品に採り入れた新しい動きです目

 

 

「ダダ」

第一次世界大戦中

中立国のスイスで生まれましたねビックリマーク

 

戦争による価値観の崩壊

無意味なものを表現しました

 

デュシャン

既製品の便器《泉》として発表し

芸術の概念を覆しましたねウインク

 

 

3/18 2級 Q.129・130

 

 

このデュシャンの考えを応用した動きが

「ネオ・ダダ」ですビックリマーク

 

ネオとは ギリシア語で「新しい」

英語では「復活~」という意味キラキラ

 

抽象表現主義が絶頂を極める中で

疎外された日常性を取り戻そうとします目

 

 

 

ラウシェンバーグ

抽象表現を部分的に取り入れながら

 

拾った廃材日用品 新聞紙など

さまざまなものを寄せ集めてコラージュします音譜

 

誰もがすぐにわかる

日常に氾濫しているイメージを取り込んで

 

日常と芸術を一体化させる

コンバイン・ペインティング(結合絵画)を生み出しましたキラキラ

 

 

 

ラウシェンバーグの他の作品はこちらをキラキラ

 

 

 

 

 

 

 

Q.162

下図を制作した、ネオ・ダダの作家は?

①ロバート・ラウシェンバーグ

②ロイ・リキテン・スタイン

③ジャスパー・ジョーンズ

④エドゥアルド・パオロッツィ

 

作品はこちらで確認をキラキラ

《標的と石膏》
1955年 木・石膏・蜜蝋・キャンヴァス

19.5x118.8x8.8㎝

レオ・キャステリ・ギャラリー(NY)

 

 

 

答え ③ ジャスパー・ジョーンズ(1930-)

 

ラウシェンバーグとともに

ジョーンズネオ・ダダを代表する画家ですビックリマーク

 

抽象表現主義に影響を受けながら

既存の芸術的価値観に反発

 

ジョーンズ

アメリカの国旗標的 数字など

見慣れたものを取り込みますアメリカ

 

 

 

芸術作品というものを

現実的な生活の総体を表現するもの

としてとらえました目

 

 

ジャスパー・ジョーンズキラキラ

 

 

 

 

このネオ・ダダの流れは

1960年代のアメリカのポップ・アートへと

繋がっていきますキラキラ

 

 

 

 

 

出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021

芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 幻冬舎 2013