【東京(銀座)】ZURRIOLA(スリオラ)(スペイン料理)
ZURRIOLA | Tokyo, Japan「スリオラ」東京都中央区銀座6-8-7 交詢ビル4F長年に渡りミシュランの星を獲得し続けるスペイン料理の名店。オープンキッチンのスペースで奏でられる本多誠一シェフの料理は、その称号に違わぬ独創性と圧倒的な旨味の数々。スタートは、スペインの赤ピーマン(ピキージョピーマン)のムースをワッフルに乗せて。ここではワッフルの一部だけを使うことで、軽さを上手く出し、赤ピーマンが綺麗に活きています。同時サーブされた黒い揚げパンは、ブラックオリーブ入り。こちらの軽さも見た目以上で、そして風味も豊か。スタートの時点で、こちらのレベルの高さが分かります。3種のタパスは、ハモ、ホタテ、メヒカリ。湯引きしたハモは、骨から取った出汁によって、自らの身の力強さに旨味の増幅効果。力強く美味しい。ホタテは北海道野付半島の大型の個体。野付の帆立は、吊り下げ型とは異なり、地まき式養殖。稚貝を海底に放流して4年間かけて自然の環境で育てるので、ほぼ天然モノ。フランスの大型天然ものを頂いたときに強く感じましたが、このレベルの帆立になると、料理の到達点が一段上がります。これを日本で頂けるとは嬉しい限り。大きく切り出したものとタルト生地の間にはソブラサーダ(チョリソーのようなもの)。そして上からはマカデミアナッツを削りかけています。これも素晴らしい完成度。千葉のメヒカリは、あられをまぶすことで食感も楽しめるフライにし、ハーブとアンチョビのソースと合わせています。これがメヒカリのフワフワ感と美味しさをしっかり高めていて流石です。このタイミングで自家製のライ麦パン。そして、オリーブオイルとともに添えられた燻製ホイップバターがまた素晴らしい。ホイップバターの柔らかい口当たりに、燻製による豊饒な風味がプラスされ、そのままでも美味しいパンをさらに高めてくれます。(これはもう買って帰りたい!)続くは、車海老のサルピコンととうもろこしの軽いムース。サルピコンは、生野菜をビネガーで和えて、ゼリーで固めており、ドレッシング的な役割。トウモロコシも固体のままとムース状の両方が旨く融合していますが、やはり主役は車海老。中心を生で残した火入れもいいですね。シェフもあまり混ぜすぎずにと言っていましたが、1つの料理ながら、毎回バランスが異なるので、多彩な味わいを楽しませてくれます。これは全部混ぜて、一つの味にしてしまうのは確かに勿体ない。ウナギと国産牛テールのビキニは、脳に刻み込まれるレベルの美味しさ。ビキニは、スペインのホットサンドイッチ。通常、ハムやチーズを挟むところに牛テール。もちろんこれだけでも美味しいのですが、ここに力強さでは勝るとも劣らない炭火焼のウナギが合わさることで、見事な山と海の融合。これらの力強い料理は下手するとぶつかり合ってしまいそうですが、お互いに高めあう形に仕上げているのがやっぱり素晴らしい。ここまで頂いて感じましたが、様々な技術が素材の旨味をしっかり高める方向に駆使されているだけでなく、組み合わせた際のバランス感が秀逸。つまり料理としての完成度が非常に高い。甘鯛とバターナッツかぼちゃのピュレでも、個々のレベルの高さと組み合わせの妙を本当に感じます。まず甘鯛の骨から取った出汁に、トマト、ウィキョウなどを合わせたスープも美味しいのですが、甘鯛自体の仕上げ方が素晴らしい。一点の曇りもないほど澄んだ旨味の境地。元々の個体も間違いなく素晴らしいものだと思いますが、やはりこの仕上げ方がすごい。バターナッツかぼちゃは実物も置いてくれていましたが、甘鯛がカボチャの甘みで上書きされてしまうかと思いきや、これがまた甘鯛としっかり合う。肉のメインは、藁の香りをつけたイベリコ豚プルマの炭火焼き。プルマは肩の部分のお肉で希少部位。レアの部分を残して焼き上げることで、藁焼きの香りを美しく纏わせます。そしてルッコラのソースの合わせ方も流石。肉料理の場合、甘みを感じさせるソースも良くありますが、肉自体の旨味が凄まじいので、あえて甘味が少なく、ほのかな苦みをまとわせたソースに仕上げることで、旨味の固まりでであるイベリコ豚と本当に良く合います。付け合わせのパドロンピーマンのフリットも秀逸。これはスペインでも頂きましたが、別次元に美味い。スペインで食べたモノより肉厚で甘みが十分に引き出されています。種まで美味。お腹と時間に余裕があればということで、出して頂いたのが、魚介のアロス・カルドーソ。「アロス」は米の意味ですが、最も有名なスペイン料理でもある「アロス・パエリヤ」は水分が少なく、「アロス・メローソ」はリゾット状。そして汁を残しているのが「アルス・カルドーソ」。もう出汁は旨味が爆発していて、アルデンテのような歯ごたえのお米も抜群。大満足のまま、スイーツへ。白桃のコンポート、ヨーグルトのアイスに、シェフの修行先のバスク地方の辛口の白ワイン「チャコリ」のゼリー。これまでの流れからのこのスイーツは、極上なグラニテ的な役割。華麗な抑揚にやられます。最後は自家製チョコレートとカカオティー。これをエスプレッソと一緒に頂きましたが、チョコは全てカカオ豆から作っているとのこと。最初にライムソース入りを頂いた後、カカオムースでびっくり。このテクスチャの繊細さは美味しすぎる。そして、最後の一つのチョコは圧倒的かつ上品で滑らか。食感と味わいのコントラストの付け方まで考え抜かれていますね。カカオティーもカカオの香り豊か。仙台の信頼できるシェフのお薦めで訪問を決めましたが、確かにこちらのレベルは凄まじいですね。仕事の都合があり、少し早めに出る必要があることを事前にお伝えしていたのですが、完璧な時間配分でした。最後にシェフにお伺いしたところ、2ヶ月半ほどで徐々にメニューも変わっていくとのことですので、季節を変えてぜひお伺いしたいところです。・スナック・3種のタパス(ハモ、ホタテ、メヒカリ)・車海老のサルビコン、とうもろこしの軽いムース・ウナギと国産牛テールのビキニ・甘鯛とバターナッツカボチャのピュレ・藁の香りをつけたイベリコ豚プルマの炭火焼き・白桃とチャコリのゼリー・自家製チョコレートと食後のお飲物スリオラ (銀座/スペイン料理)★★★★☆4.12 ■日本料理との共通点を追駆した先に見つけた、四季折々の表情を見せる”モダンスパニッシュ”。 ■予算(夜):¥40,000~¥49,999tabelog.com