さあ、残すところ今年ナンバーワンの台となりました。

神台3位はエウレカART、2位は銭形4をチョイス、1位は正直ぶっちぎりすぎて「殿堂入り」にしようかなとも思ったのですが、今後この台を超える作りこみの台が出ることを祈って、しっかりと1位に据えておこうと思い優勝台とさせていただきました。

たぶん、賛否両論あると思います、むしろ比率でいうと賛否否否否否くらい?かと思いますが、いいだろ!ここは俺のブログだ!ということで1位の発表です!

 

 

神台ランキング第1位 ナイツ

 

山佐から発売されたクラシックシリーズの第一弾、それがナイツでした。

導入時はものすごく楽しみにしていたのですが、初回導入台数はなんと全国でたったの200台。運良く僕の住んでいる地域には導入されたのですが、電車を乗り継いでホールに行かないと筐体にすら触れないという環境で打っていた台でした。

これはもう文句なしの1位、なんなら6号機時代全体で見ても1位かもしれません。ナイツの何にそこまで魅せられたのか、過去にもたくさん記事にしていますが、最大の魅力をピックアップしてお伝えできればと思います。

 

 

 

 

 

擬似ノーマルタイプの固定概念をぶっ壊した「7×3」配列

 

リーチ目出現=AT当選という台は、6号機市場において複数生み出されてきました。特にその名が知れ渡っていたのは、Sammy発の「ガメラ」や「ハードボイルド」でしょう。各台、完成度としては申し分なく、いまだに打ち込む台でもあるのですが、通常時の楽しみ方にかなりの制約が課されていました。

ガメラは変則押しが可能ですが、チェリーとギロンのフォローのために順押し逆押しいずれの場合も赤7を狙う必要がありました。逆押しならガメラ狙いもできなくはないですが、通常時から毎ゲームビタ押しを要求されるほどのシビアな打ち方でした。

ハードボイルドは左リールどこ狙ってもOK。ハサミ打ちをすればスイカはこぼしませんし、チェリーも代用図柄があるので枚数的な損は一切ありませんでした。しかし変則押しによってリーチ目が消滅する可能性があるというのと、左リールの配列は5号機以降に台頭してきた「5コマ×4」の配列だったのです。つまり左リールはどこを狙っても同じリーチ目が成立している限り同じ制御に従って停止します。左リールで狙う位置を変えても、結局は似たような停止系となってしまうのです。

 

しかし、このナイツはそんなことはありません。

まず、ボーナス確定のリーチ目が13種類存在します。うち1種類はリセット後に有利区間へ移行するまでの特殊な状態でのみ成立する1/16,384のフラグなので、普通に打っている分には12種類のフラグでAT当選を抽選します。(フラグA-Lまで)

 

このうちC-Lまでは決まった停止系を取りやすい(必ず取るわけではない)のですが、特に開発陣のこだわりが垣間見えたのがAとBのフラグです。

 

ナイツの左リールは、普通に打っている分には有効ライン上にリプレイ・ランプ・スイカ・ボーナス図柄・チェリーの5種類が停止する可能性があります。見かけ上のチェリーフラグを除くとリプレイ・ランプ・スイカの3種類ですね。

そしてフラグAとBなのですが、この3種類のフラグの何が有効ライン上に停止しても成立している可能性があるのです。

これにより、これまでの擬似ボーナスタイプの弱点であった「この停止系からは必ずリールのココが止まって当たる」という1パターンが3パターンにまで増え、左リールが文字通りどこで止まってもいろいろな当たり方があるという状況を作り出すことに成功したのです。

毎ゲーム同じ位置をビタ押しして、同じ止まり方をしたのに、中右で全く違う停止系を取る、5号機でそんなこと実現できたんだ、という思いが非常に強くめちゃくちゃ感動してしまいました。

 

これ、なんで今まで実現しなかったかというと、僕の勝手な推測ですが労力と対価が見合わないからだと思います。

 

先に触れたガメラやハードボイルドでも、「同じフラグを引いたときの当たり方がワンパターン」とはいえ複数のリーチ目フラグを実装しているので、あまり打ち込んでいない方が少し遊ぶ分には何の違和感もなく「へー、当たり方にいろんなバリエーションがあるんだなー」と思われるはずなのです。だからいうなれば、“そこまでする必要がなかった”のです。

 

しかし、しかしナイツはそれをやり遂げてしまったんですよね。

同じフラグAで当たっているはずなのに、こんなにも多岐にわたる停止系を取って当たる、それを実現したのが「7×3」の21コマの配列なのです。

5×4なら同じフラグを引いたときに機械的に引き込んで同じ箇所で停止する、しかし7×3なら滑りコマ数が足りないので同じ位置を引き込むことができない、それすなわち1つのフラグに対して複数の停止系を作らなくてはいけない。あえて開発陣は5×4のメリットを活用せず、敢えて7×3という修羅の道を進むことでナイツで実現させたかったこだわりを実現させたのだと思っています。

 

 

長々と書きましたが、端的に言うと

6号機において同じフラグで当たっているのに見かけ上全く違う停止系を取って当たるのがすごい、ということです。

 

正直5号機時代になってそんなこともう実現できないんだろうと思っていたので、初めてナイツを打った時は衝撃でした。これ、実現できるんだ、しかもコストをかけてまで実現する熱意を持った開発陣が山佐にはいるんだ、と。

そして演出面も決して出目を殺さない最高のバランスになっているわけです。なぜ、なぜこんなクオリティの高い台が全国でたったの数百台しか導入されていないんだ…

 

ホールで初めてBIGを引き、4号機時代に実装されていたBGMが流れてきた瞬間、マジで涙を流してしまったのはここだけの話です。

 

 

ということで、圧倒的な出目へのこだわり、この1点のみでぶっちぎりの2023年神台1位とさせていただきました。出目を殺さない演出面、あのころから質の上がったサウンドなども加味すると、まじで6号機史上最高の1台だと言い切れるでしょう。

実機が欲しいのにそもそもの流通が少ないから売っていないんですよ。導入から半年たって撤去が進むホールも増えてきたので、バラエティ島の角へひっそりと1台でもいいです、残してくれるホールが1軒でも増えればいいなと願っております。

 

…一応言っておきますが、僕は山佐の社員じゃないですからねw