BETTAKO -其の88- | 熱血店主のスクラムな毎日

熱血店主のスクラムな毎日

ラグビってる一姫二太郎3児の父っす。
創業昭和56年池袋の東口で営み続けてきた
BETTAKO、2018年JR埼京線板橋駅徒歩2分ほどで
古家を改築再び頑張らせてもらう事になりました。

昨夜の店内。
封切りした、さつま白雪を恐る恐る
味を確かめてみた。

29年前とはいえ、指宿を代表した銘柄の
味わいは、多少捻りをみせていたものの、
その味は、昔と変わらぬ、さつま白雪の味。

ある意味。

こだわりと素朴さのベースラインは、
コピーはできても、再生させることは
できない。

昔の味と。
昔っぽい味は、表現方法は類似してはいるが、
全く違う意味合いを持っている。

惜しくも、商標登録問題で無くなる銘柄。
無くなれば、新しき形へと生まれ変わる。
鹿児島県指宿市の街にひっそりと佇み営む
古くからの蔵は、現代のリカービジネスの
波に飲まれた、悲しき実情があったことも
知ってほしいと、蔵出しをした一本だった。

さて、本日最終日の蔵出しの一本は。
鹿児島県薩摩郡里村里の古き一本。
知る人ぞ知る、上甑島の「島焼酎」であるが、

実はこの一本。
年数的には20年ほど前の銘柄。
たえさん。という御老婦が手間暇をかけ、
仕上げた銘柄である。
甑島には上と下。
上の百合。下の五郎と青潮。
上甑島は、ダイビングと釣りの観光島でもあり、
のどかに住める島の印象が、古き記憶にある。

海に囲まれし、穏やかでのどかな島は
焼酎のブーム到来によって、多くの島外人が
取引を求め訪れた経緯がある。

個人的見解ではあるが、甑島の百合ではなく、
里村里の百合であり、いわば島酒本来の
島の中で造る、その独特な味わいは、
まさに本来の百合がそこにはあった。

代は変わり、島外の人々の風が吹き込まれれば、
島の素朴さは、自然と変わり果ててしまう。
まるで、東京都青ヶ島村の青酎のごとく、
島外から見て、秘境の島で作る酒の
魅力というものは、時として、培ってきた時代を
狂わせてしまうこともある。

古き学びから素朴造りし名の酒が
好きな人もいれば、現代の最新技術によって
作られし銘柄が、好きな人もいる。

ただ、ソォーットしておくのも、時として大事。
それが鹿児島の各群島にはある事を、
心にしまって欲しいと思い、本日最終日。
池袋時代の常連さんのリクエストに答え、
蔵出し銘柄として、里村里の一本を選びました。

※無くなり次第、終了となります。