電車に揺られて急行停車駅。
空を見上げてみる。大空に広がる綿雲の群れ。
時間経つにつれ厄介な雲に変わる群れだった。
さて!みんなできれいにしよう。
親父が亡くなって7年。子供達も小さかった。
オヤジ…子供達大きくなったろ?
あっ!そうだ。伝えたかったのは…。
BETTAKOの営歴…36年で途切れさせて
蝉達が一生懸命鳴いている。
砂埃で少し汚れていた、我が家の墓。
みんなの力で、きれいさっぱり!清々しいね。
次は子供達にとって、ひいお婆ちゃんの墓。
少し遠い場所にあるけど、墓参りって不思議な
ものだね。日頃張り詰めた緊張の糸を、
気もぉーち、緩めてくれる。
語られなくとも、頑張れよ。そう言われた
ようにも思えた。
綿雲がくっつき合い、白色の綿雲から、
墨色の綿雲に変わった。
黄色と白が混じったような色合いの、
稲光が、綿雲の中で交互に点滅し合う。
風が荒ぶり、ポツンと一滴。またポツンと一滴。
送迎バスの中、駅まで辿り着くこともなく、
空から勢いよく、大粒の雨が、バスの天井を
ドラムパーカッションのようなリズムで
打ち続けていた。