しばらくしたら消す話から。
京極夏彦 の『 死ねばいいのに 』、映画化だってね。
好きな作品なんで 嬉しいんだけど、アレって 京極作品でよく
ある「 対話劇 」…というか、
「 一方的に喋ってる 劇 」なんで( 読んだ人は わかる )
「 映像化 」して面白いのかなぁ…なんて思いも 強くあったり。
ここから 本題。
今月 読んだのは…
フェイク・ドキュメンタリー。
「 近畿地方のある場所について 」 背筋
昆虫&警察・ミステリー
「 18マイルの境界線 」 川瀬七緒
一応、“掲示板” 系の フェイク・ドキュメンタリー
「 悪魔情報 」 城戸
連作短篇「童話」・ミステリー
「 赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。 」
青柳碧人
の4冊。
まずは「 フェイク・ドキュメンタリー 」2冊から。
「 近畿地方のある場所について 」 背筋
フェイク・ドキュメンタリー系の ホラー。
ライターの背筋の友人、小沢が行方不明に。
小沢の勤務先である 出版社から刊行された雑誌のほか、
様々な媒体から 集められた「 ある場所 」に 関連する文書を
まとめて 情報提供を募る……。
とりあえず「 映画版 」の放送前に 読めてよかった。
前は 期待していなかったんだけど『 口に関するアンケート 』が面白かったので それに合わせて 期待値も アップ。
で、感想から書くと 楽しく読めましたよ。
フィクションの度合いや「 ネタばらし 」の塩梅が ちょうど
よくて『 かわいそ笑 』よりも 納得感がありましたね。
詳しく書けないけど、個人的には 変態チックな?「 前半 」が 読んでいて 一番 楽しかったな。
冒頭の「 書き込み 」なんか “気持ち悪い” うえに 実際 ありそうで なんともイヤな、そして悲しい気分になりましたよ…。
「 林間学校 」の話の “少しずつ近づいて来る” ところも 雰囲気があって 好きですね。
その他「実況」の話の “誘導するかのようなコメント” も 不気味だったし、
いきなり「UMA」ネタとして 出てくるのも オモシロかった。
(「 UMA 」って 和製英語だったんですね )
「 謎の集団 」が出て来た時は どうなることかと 思ったけど。
そうそう 何回も出て来る「 近畿地方のある場所ついて 4 」
も 効果的でしたね。
…という感じに「 不穏な空気 」に うまく浸れていたんだけど、
終盤の方は いろいろと( ぼっちとか、ジャンプの理由とか… )「 切ない話 」になって チョット しんみりした気分に。
個人的に そっちの方が「 オチ 」や そもそもの「 元凶 」(?)よりも 印象深かったですね。
(『 文庫版 』の方は そっちを前面に出した感じっぽい? )
ちなみに “あの仕掛け” は、雑誌『 映画秘宝 9月号 』の記事、
「 背筋インタビュー 」で 知っていたんですが マルっと 忘れていて 問題ありませんでした…。
( そういえば そうだった…と 読んでから気付く 悲しさ… )
それと「 最後の1行 」って “そっち” の意味もあるんだよね?
「 悪魔情報 」 城戸
「 ネット掲示板 」を使った フェイク・ドキュメンタリー。
「 プロローグ 」
ある男が 子供の頃に 毎朝見ていた「ワンピース女性のCM」。
男は「CM」が 放送されなくなったあと、誰もその「CM」を覚えていないことに 疑問を持つ。
しばらくして そんな男の「 目の前 」 に「 CMの女性が 居続ける 」怪異が発生、それは 今も 続いているとのこと。
男は オカルト掲示板に現れる、オカルトに詳しく 助言もしてくれる、ハンドルネーム:“悪魔情報” に助けを求めるという。
男は まず、悪魔情報の正体を知る 手掛かりとして 彼が 現れた スレッドを紹介する……。
思ってたのと だいぶ違ったなぁ。
『 かわいそ笑 』や『 近畿地方の… 』の「 掲示板パート 」みたいな感じだと 思っていたんけど、
すべてが「 掲示板 特有のノリ 」で進み、出て来る「 怪異 」も “ネタ感”が 強めだったりで
「 ドキュメンタリー感 」は あまり感じませんでしたね。
一応「 怪異 」によって かなり深刻な事態には なるんですが、あのノリ自体は 変わらないので 軽いんですよ。
とはいえ、ツマラナクは なかったです。
そもそも「 掲示板 」独特の “ノリ” は 嫌いじゃなし、
怪異にしても「 幻想怪奇 」な趣が わりとあったりと 好みな
要素もあったので 面白くは 読めましたね。
スレ1
「 知らない人の家のベッドの下に隠れてるけど質問ある? 」
…は、そのまんま、ひょんなことから 知らない女性の家の
ベッドの下に 隠れる事になった男性が 立てた スレ。
初っ端からして 少々 悪趣味かつ ムリめな設定。
家主が 一心不乱に 組み立てている「 イス 」が…の状況から
怪異に発展、そこに 悪魔情報が スレに登場する、という流れ。
なんだけど、その怪異が 突飛で メチャクチャなんですよね。
でも、近年のモキュメンタリー(?)は「 異次元 」「 時空 」が絡む話が 多そうなので さほど 突飛ではないのかも。
ちなみに 内容のイメージ、方向性としては「 白石晃士の作品 」みたいな感じで だいたい 合ってるかと。
あと、くだんの悪魔情報は「 オカルト知識が豊富 」ってだけで
フツーの受け答えする、フツーの人( ネット民 )です。
とりあえず コレが それなりに楽しめたら 他のも 大丈夫。
スレ2「 なあ、今10ch 見てる奴いるか? 」
「 TVに 謎の男が はっきり映っている…」というようなスレ。
多くの人が「 TV 」を介して その謎の男を見ている( 出演者は 気付いていない )ってのが 奇妙で 面白い。
掲示板のリアルタイムな やり取りも 雰囲気が ありました。
「 都市伝説 」風な?オチも 結構 良かったりで 好きな内容でしたね。
スレ3
「 どうしよう。 ぼったくりバーに来てしまったかもしれん 」
コレも そのまんま、客引きに 連れられるまま 訪れた ビル内のバーが ちょっとヘンかも…というような スレ。
出だしは 好調だったものの、その後は かなり やり過ぎの展開で 徐々に「 話 」に ノリにくくなった感じ。
でもまあ、中盤の 意外な展開は「 不条理 & 怪奇ムード 」
(「 妖怪 」感も 少しあった )たっぷりだったし、
「 真相 」も 独自性があったりで 読感は 不思議と 悪くなかったです。
スレ4「 お前らの人生最大の恐怖体験を聞かせろ 」
「 実話の恐怖体験 」を欲しがる男。
その目的は 知りあった女性を 救うためらしく……。
「 謎の数式 」のくだりは まあまあ 好きでは あったけど、
「 …を武器に 」は ファンタジー色が 強すぎて ダメでしたね。
今更 ダメかよ…って 話では あるんだけど、唯一 コレだけは
イマイチでした。
スレ5「 私は鑑賞されています 」
私を撮影した ビデオを探しています
野口道夫 49歳 独身
私は鑑賞されています
…という「 電波 」なスレが あれよあれよと カオスな、そして
バカバカしい展開を見せる 愉快な話。
「スレ2」を 少し発展させた感じなんだけど「 痛み 」が加わることで “イヤな感じ” も アップしていましたね。
以外にも チョットだけ イイ話だったのも グッド。
コレも 好きです。
スレ6「 思い出の一発芸人 」
一番いたな~~って思わせた奴の勝ちな 俺は……
スレ主しか覚えていない 一発芸人だったハズなのに スレ主が
その特徴を書き込む度「 思い出す人 」が 増えていく…
という、どんどん 不穏感が積み重なっていく話。
その “思い出し” が ネットを通じて どんどん 広まっていくのが
何とも 不気味でね…。
意外なところ※ から ”その名前“ が出て来たりなど 妙に現実味があったし、
( ※ ネタバレ白字 ↓
スーファミ『 かまいたちの夜 』で付けた ヒロイン名 )
「 後半 」の まさかの展開も 意外と 切れ味がよくて 面白く読め
ましたよ。
まさか 某・人気ゲームキャラの名が「 ママチマチチマミチ 」だったとはな~(?)。
スレ7「 悪魔情報ってやつ来てくれ 」
透けている “CMの女性” が 目の前に 居続けること( 目に 焼き付いた感じか )に 悩む男が 悪魔情報に助けを求める……。
という「 プロローグ 」の男が 登場する スレ。
悪魔情報が提案した「 解決方法 」が バカっぽくも 結構 面白い。
というか アイデア自体は イイんだよね、フェイク・ドキュメンタリーには 合ってないだけで。
まあ、最後のオチは しっくりこなかったけど…。
ということで、個人的には「 ホラーらしさ 」は あまり感じなかったけど
「 ネットの雰囲気 」や「 幻想怪奇(+ バカ )コメディ 」としては 良かったと思います。
まあ「 モキュメンタリー 」としてみると 腑に落ちないところが 結構 ありましたが…。