「 チリンの鈴 」(日/1978年)
やなせたかし 原作「絵本」を 短篇アニメ化。
もともとは 前に取り上げた『 PERFECT BLUE 』と 一緒に 紹介
するつもりだった アニメ映画。
こっちの方も「 画像 」を 多く載せられたので 結果的には これで よかったかも。
「 牧場( まきば )」で 母羊と暮らす 子羊のチリン。
ある夜、一匹狼・ウォーが牧場を襲撃、チリンを かばって母羊が その犠牲になってしまう。
母羊の死に 悲しみと 無力さを覚えた チリンは 自ら「 力 」を得て ウォー倒すため、その ウォーに 弟子入りしに行く。
始めは無視していた ウォーだったが「 自然の厳しさ・残酷さ 」を知った チリンを見て 弟子にする事を決める。
チリンは「 特訓 」や「 戦い 」を経て “立派な角” を持つ羊へと成長。
ウォーは 最後の仕上げとして……。
かなり前に「 Eテレ 」で放送した 上映時間「 47分 」の短篇アニメ。
観るつもりはなかったんだけど、たまたま見た「 番宣CM 」での「 成長したチリン 」が スゲーカッコよかったので 視聴。
「 原作 」とは 少々細部が異なるっぽいんですが 子供向けとは思えない「 深い話 」で 内容自体も 面白かったです。
観る前は「 暴力 」や「 悪 」が テーマという事で マジメな
感じだと 持っていたんですが、
「 母を殺した ウォーに弟子入りし、訓練する 」アツい展開、
劇画タッチの「 一枚絵 」で表現した「 戦い 」場面など
「 漫画 」的なところもあって やるせない話ながらも 楽しく観れましたね。
ここから「 画像 」。
〔『 チリンの鈴 』 タイトル 〕
主題歌の「 チリンの~ 鈴が~ 」のフレーズが やけに耳に残る。
〔『 チリンの鈴 』
楽しく暮らす「 牧場に生まれて よかったーー! 」な チリン 〕
チリンは 牧場( まきば )で生まれた 子羊。
首の鈴は「 迷子防止 」のため。
〔『 チリンの鈴 』 狼のウォー襲来 〕
ある夜、牧場を 一匹狼のウォーが襲う。
ウォーは チリンに目を向けるが…
〔『 チリンの鈴 』 チリンを かばって 犠牲になった母羊 〕
そのチリンを 母羊が かばい ウォーの犠牲に…。
母羊が チリンを かばう時の「 残像 」演出が 地味に エモい。
あと、見てわかるように「 捕食 」は されていないっぽい。
人間も 出てこないなど「 寓話性 」の高い世界観になってます。
〔『 チリンの鈴 』 チリンの ウォーへの「弟子入り」志願 〕
「 無力さ 」と「 やられっぱなし 」に 悲しみと 怒りを覚えた
チリンは「 力 」を得るため、
そして その「 力 」で ウォーを倒すために ウォーの元へ行き
「 弟子入り 」を志願。
〔『 チリンの鈴 』
虚勢を張り「 後ろ蹴り 」と「 オナラ 」を食らうチリン 〕
チリンは 無視を決め込む ウォーに「 弟子入り 」を認めさせるため「 自分も 狼になれる 」と 動物たちに 戦いを挑むが
あっさりやられてしまい、他の動物にも バカにされてしまう。
ウォーは チリンを無視したまま 狩り(?)へ…。
〔『 チリンの鈴 』 熊に立ち向かう ウォー 〕
ウォーは「 弱いもの 」を襲うだけではなく「 強いもの 」とも
戦っているようだ。
ウォーという名前から 戦争の暗喩( というか そのまんま)だとわかるけど、そう単純な話じゃないんですよね。
〔『 チリンの鈴 』 勇ましい & 無力を痛感するチリン 〕
〔『 チリンの鈴 』 弟子入りを見止められた チリン。
あの ウォーさんを説得できたのスゴい 〕
ウォーの後を追っていた チリンは「 鳥の卵 」を狙う蛇に遭遇。
卵を守ろうと 蛇に挑むも 失敗、改めて 無力さを痛感することに。
そして「 キバもない 」と嘆く チリンに ウォーは
「 その 優しさが キバになる 」
「 生きることは 悲しみを知ること、
悲しみで 心のキバを研ぐのだ 」
と諭し「 弟子入り 」を認めるのであった。
深くて カッコイイね~「 心のキバを研ぐ 」のセリフ。
まあ、日常生活で使ったら「 中二病 」だけど…。
〔『 チリンの鈴 』 チリンの「 頭突き特訓 」の成果 〕
チリンは ウォーと「 格闘 」訓練を開始。
併せて行っていた「 大木への頭突き 」特訓は 最終的に「 大木を突き破る 」までに。
これは さすがに やり過ぎだよ。
〔『 チリンの鈴 』 角が生えても かわいい チリン 〕
「 角 」も生えて 逞しくなった チリン。
〔『 チリンの鈴 』 チリン VS. 肉食獣。 構図がイイ 〕
そして 肉食獣とも 互角(?)に 渡り合えるように。
ここ「 一枚絵 」の静止画なんだけど 劇画タッチで 臨場感があって「 イイ画 」なんだよな。
〔『 チリンの鈴 』 凛々しくも 険しい目つきになったチリン。
変に色気あるから困った( ダンダン ダダダン )〕
成長し、角も立派になった チリン。
端折ったけど ここでの「 走りながら成長する チリン 」の作画も 良かったです。
その成長した チリンの声は 神谷明。
今や『 プリンプリン物語 』の ボンボンの声で お馴染ですね~(?)。
〔『 チリンの鈴 』
かつて暮らした「 牧場 」を見下ろす チリンと ウォー 〕
共に月日を重ね すっかり 父と息子のような関係性になった
ウォーと チリン。
ウォーは 最後の仕上げとして チリンが かつて暮らした 牧場を チリン自身に襲わせるのだった。
〔『 チリンの鈴 』 チリン VS. 牧場の番犬 〕
牧場には 番犬が数頭いたが、チリンは それを蹴散らして 厩舎の中へ…
〔『 チリンの鈴 』 チリンから 子羊を守る 母羊 〕
そこで チリンは 子羊を守ろうとする 母羊の姿を見る。
そこに かつての自分を重ねた チリンは 激しく動揺。
〔『 チリンの鈴 』 チリン VS. ウォー の「 師弟対決 」〕
チリンは 羊を襲うのをやめて ウォーへと襲い掛かるが、以外にも あっさり チリンの勝利で決着が付く。
本来 仇であった ウォーを倒した チリンだったが、ウォーも
チリンに倒される事( 最後 )を願っていたらしい。
〔『 チリンの鈴 』
ウォーを倒したが 仲間に気づかれず ひとりとなった チリン 〕
ウォーを倒した チリンだったが、その「 羊離れ 」した姿から かつて ここで暮らしていた チリンだとは 誰も気づかない。
そして 共に 狩りをしていた ウォーも もういない。
〔『 チリンの鈴 』 キラリと光る チリンの鈴 〕
狼でもなく、羊でもなくなった チリンは ひとり山へと 姿を消すのであった……(終)
自分を襲わせるという ウォーの目論見もあったとはいえ、
「 チリンに牧場を襲わせる 」展開は エグかったな。
あと、元々「 自分を見つけてもらうため 」だった「 鈴 」が
「 恐怖の対象 」( 忌避アイテム )になるのも 切ないよね。
最後は「 独りになってしまった 」チリンだったけど、
「 なりたい自分になった 」とも言えるわけで、個人的には
バッドエンド感は あまり感じなかったり。
テーマである「 力 」に関しても「 暴力はよくない 」という
ありきたりな テンプレに 陥っておらず、
だからといって当然 肯定しているわけでもなくて しっかり
「 考えさせる 」内容になっているのがイイ。
(「 羊たちを守るようになった… 」などといった、安直な結末にしてないのも 実に好感が持てる )
ウォーは 羊たちを襲ったわけだけど、肉食獣とも 戦っていたことを考えれば、ある意味 間接的に 羊たちを守っていたとも言えるんですよね。
そもそも 番組冒頭でも やなせたかし による
「 悪人も 最初から最後まで 悪ではない 」
「 ある程度の悪が必要、現実は そこが厳しい 」
というような 本作のメッセージを紹介してましたし。
( ここらへんは バイキンマン にも通じたり )
ちなみに『 チリン 』では「 草食から 肉食属性 」へとなることで「 “力” を習得 」していたけど、
この間 放送された『 やさしいライオン 』(70年)では、
ライオンが 犬に育てられたことで「 生来もつ “力” を忘れる 」という 逆の構造になってます。
〔『 やさしいライオン 』 タイトル。
右下の 震えている 子供ライオンが 孤児のブルブル 〕
『 やさライ 』の最後は、おとなしいライオンの ブルブルが
ライオンだという理由で 銃殺される結末を迎えるんだけど、
「 この世の中は 人間の都合がいいようにできているのよ 」
と、低年齢向けの作品とは思えぬ、露骨に 現実を突きつける
ナレーションで それを説明していて ちょっと 驚きましたね。
まあ、一応「 2匹は一緒・エンド 」には なってましたけど…。
〔『 やさしいライオン 』
子供を亡くした 雌犬のムクムクに 育てられた ブルブル 〕
こちらは ブルブルが「 ライオンとしての資質 」を無くなってしまう( 力や 外見の怖さに 無自覚な )のが 面白い。
〔『 やさしいライオン 』
子供向けらしく ミュージカル調で「 謎のダンス 」もあった 〕
最後は 楽しく ブルブルと ムクムクの「 謎ダンス 」で締めときます。
という事で 今回は 終わり。



































