人を食らう 2作品 「 肉 」、「 グリーン・インフェルノ 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

 

 

 

「 人肉食モノ 」2作品を サクッと 紹介 & 感想。

 

 

『 肉 』は 気になってはいたものの レンタル店に 置いなかったんですよね。

 

一昨年だったか 去年に「 入荷 」されていて ようやく鑑賞できました。

 

 

一方、機会がありつつも 何となく 手が伸びづらかった

 

E・ロスって エンタメ度が 低いんだよな… )

 

『 グリーン・インフェルノ 』も いつのまにやら 入荷していたので これを機に レンタル。

 

 

「 題材:食人 」は「 ホラー映画 」は もちろん、

 

「 小説 」( ホラー & ミステリー )でも 扱っている作品が

意外とあるし、

 

「 ノンフィクション 猟奇殺人 」関連の本でも 触れたし、

数年前に 読んだ、

 

ノンフィク『 眠れない一族:食人の痕跡と 殺人タンパクの謎 』

 

も 面白く読めたりと、

 

個人的には 興味と共に 馴染のある 題材だったりします。

 

 

前置きが長くなったけど 本題。

 

「 ネタバレ 」&「 残酷描写 」注意。

 

 

 

「 肉 」(米/2013)

 

パッケージから 中・上流階級の話だと思ったら「 普通の家族 」の話でしたね。

 

「 ホラーの棚 」にあったけど そっちよりは「 サスペンス 」で、さらに「 ドラマ寄り 」の内容。

 

「 悪趣味 」を期待していたものの 衝撃的な「 画 」は無く

( せいぜい 監禁と 殺害くらいか )ちょっと ガッカリ。

 

展開自体も 意外性や 捻りとかは無く、至って 普通なんですが、

 

アメリカらしい「 宗教観 」+「 人肉食 」は それなりに説得力があったし、

 

「 真相に至る 過程 」( サスペンス )も 案外楽しく観れ、

何だかんだ 結構 面白かったですよ。

 

 

 

〔『 肉 』  タイトル 〕

 

 

原題は『 WE ARE WHAT WE ARE 』

 

どうやら「 WE ARE WHAT WE EAT 」を もじってるっほい。

 

邦題は シンプル過ぎ だけど、パッケージの「 肉 」のデザインは イイね。

 

 

〔『 肉 』

買い物中に倒れ 溺れる、母親・エマ( このあと タイトル )〕

 

 

「 舞台 」は 大雨で 地域一帯に 被害が出始めている町で、

 

主人公・家族、パーカー家の母親・エマが 買い物中に 亡くなるところから始まります。

 

 

〔『 肉 』  主人公・家族の 姉・アイリスと 妹・ローズ

 

 

一方、家の方では “アレ” = 人肉食 のために 断食をしてる

姉妹が 留守番中。

 

ちなみに アレは「 家族の儀式 」ですが 幼い弟は まだ 知らない、という設定。

 

 

〔『 肉 』  妹・ローズ

 

 

妹・ローズの人、最近 見たなと 思ったら『 アシスタント 』(19年)の主人公( ジュリア・ガーナー )でしたよ。

 

 

〔『 肉 』  エマを「 検視 」する 医師・バロー

 

 

エマを「 検視 」した 医師の バローは、

 

その遺体に「 振戦( しんせん )」※の後が みられた事など

から 彼女が「 パーキンソン病 」に掛かっていたと 診断。

 

( ※「 手の震え 」を 医学的には「 振戦 」というみたい )

 

 

〔『 肉 』  人骨発見 〕

 

 

その後、バローは 犬の散歩中に 大雨の影響で 流れてきたと思しき「 人の骨 」を発見。

 

町では「 行方不明者 」が 多く出ており、バローの娘も 行方不明であったため は その骨に興味を示す。

 

 

…という感じで 医師・バローが 裏主人公の 立ち位置になってます。

 

 

〔『 肉 』  監禁場所に忍び込んだ

 

 

パーカー家父親が「 人肉 」を調達。

 

ちょっと わからなかったのが、

 

ある家族が「 がいなくなった 」と 警察に相談する場面があるんですが、

 

てっきり 父親が 夜中に襲った、道路で車を直していた( タイヤ交換していた?)女性だと 思っていたんですが、

 

くだんの娘は 後半に「 湖で 死体で発見 」されるんですよね。

 

 

車の方が 実は2人組で、ひとりだけ( くだんの娘だけ )殺したって事なのかな?

 

 

〔『 肉 』  エマの葬儀の後に 渡された「 人肉食 」日記 〕

 

 

エマの葬儀後、彼女が 持っていたらしい、先祖から伝わる

「 日記 」を渡された 長女・アイリス

 

それによると…

 

200年前、パーカー家の先祖が「 飢えをしのぐため 」食べた 人肉。

 

それ以降 一族は「 神からの糧、恵み 」として 今も「 人肉食 」を 儀式・伝統として 受け継いでいる…

 

って事らしい。

 

 

禁忌である 人肉食を 宗教に当てはめて「 正当性 」して

( こじつけて )今に至る…って感じでしょうか。

 

 

〔『 肉 』  食事 〕

 

 

料理としては「 肉片入り スープ 」でね…、インパクトがないんですよ。

 

「 解体 」描写もないし…。

 

でも、切り分ける前に 死体に「 部位の線を引く 」描写は 雰囲気があってよかったな。

 

( 裸なので「 画像 」は 無し )

 

ちなみに「 殺害 & 解体 」は 女性の仕事みたいです。
 

 

〔『 肉 』  アルツハイマー から プリオン病へ… 〕

 

 

で、「 の恋愛 」やら「 死体発見 」とか いろいろあった後、

 

バローが「 骨 」に「 肉の削ぎ跡 」がある事に気付き、

 

そこから「 アルツハイマー 」→「 プリオン病 」→

「 クールー病 」→「 人肉食 」と 逆引きに至り、

 

パーカー家に 疑いを持つ展開となります。

 

 

「 アルツハイマー 」は「 異常なタンパク質 」が原因ですが、

 

「 狂牛病( BSE )」「 クールー病 」「 ヤコブ病 」も 同じ 異常タンパク( 異常プリオン )が原因なんですよね。

 

 

( 若い人は「 狂牛病 」知らないのかも…

 

まあ、私も「 スクレイピー 」( 羊のプリオン病 )を まったく

知りませんでしたしね )

 

 

最初に挙げた『 眠れない一族 』に出て来る

「 眠れなくなる 病気 」も プリオン病なんですが、

 

こちらは 遺伝性が強く やるせない話でした。

 

それと 1年くらい前、「 ゾンビ鹿 」の ニュースがありましたが、それも「 プリオン病 」だったりします。

 

 

ちなみに「 異常プリオン 」は「 不活化 」が困難で、

通常の消毒( 煮込んだくらい )では 不活化できません。

 

あと「 プリオン説 」も まだ「 仮説 」なんで そこも 留意。

 

 

〔 全部『 眠れない一族 』から得た( に載ってる )情報。

 

「 スペインの羊毛 」や「 牛の品種改良 」、

「 クールー病を 調査した人の ヤバイ話 」

 

なんかもあって 面白いですよ 〕

 

 

〔『 肉 』  父親の腕を ガブッ 〕

 
 
最後は…
 
犯行がバレたと気付いた 父親が ヒ素で 一家心中しようとするも
それに気づいた ローズが それを阻止、
 
そこに バローが乱入、ドタバタのあと( バローは倒れる )
前から 気に食わなかった 父親姉妹が「 かじり殺し 」て を連れ3人で 車で逃走。
 
姉妹の手には「 日記 」があり……
 
という感じ。
 
結末は「 人肉食を やめる気…なし 」というオチ…でいいのかな。
 
 
 

 

「 グリーン・インフェルノ 」
(米・チリ/2013)

 

イーライ・ロス『 食人族 』(80年)

 

奇しくも『 肉 』と 制作年が同じでした。

 

 

企業による「 ジャングル開発 」と「 先住民 虐殺 」に 抗議するため ペルーの森を訪れた 環境活動家たちと 彼らに 加わったばかりの ジャスティン

 

一応の成功を収めて 強制送還される事となった 活動家たちだったが、彼らが乗る飛行機が エンジン・トラブルを起こし墜落、死者も出てしまう。

 

そこを 森に住む ヤハ族が襲撃、数人殺され 生き残った者たちは 捕らえられてしまう……。

 

 

 

「 文化の違いはあれど 人間の暴力性は 変わらない… 」

「 社会の欺瞞 」みたいな テーマっぽいのは 上手く表現されていたけど、

 

「 エンタメ度 」が 低くてね。

 

途中、盛り上がりそうな展開もあったので チョット期待はしていたんだけどな。

 

最後の「 虐殺 」も もっと ハデに演出( 殺し合い )してほしかった。

 

まあ、ヤハ族を演じたのが 現地の先住民( カラナヤク族 というらしい )なので 仕方ないのかもしれませんが。

 

 

で、メインの「 人肉食 」描写ですが、

 

「 解体 」場面も すごくイイんですけど「 調理 」場面が 良かったですね。

 

それから 前半のハッパから「 ハッパ作戦 」が生まれる流れと、

その顛末( ゾンビ )も サイコーでした。

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』  タイトル 〕

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』  抗議活動 〕

 

 

危険を伴った「 ジャングル開発の講義活動 」だったが

 

新メンバー・ジャスティンの父親が「 国連職員 」だったため、何とか「 抗議活動 」は成功。

 

しかし 利用された ジャスティンは 内心で怒りを覚える。

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』

墜落時のパイロットの死( 顔グチャ )& 墜落した 飛行機 〕

 

 

活動家たちは 強制送還される事になるが その途中、

彼らが乗った飛行機が 墜落。

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』

殺害 & 連れ去られ & 村の生首 〕

 

 

そんな彼らの前に ヤハ族が現れ 数人を殺害、残りは拉致される事に。

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』

村長っぽい人「 神様サンキュー 」〕

 

 

どうやら ヤハ族は「 人食い 」らしく……

 

 

とまあ、中盤までは こんな感じです。

 

ちなみに ばっさりカットしたけど、

 

ジャスティンが 活動家グループに 加入する くだりとか 結構

長いんですよね。

 

これにより「 欺瞞 」が浮き彫りになるとはいえ、まあまあ ダルかったです。

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』  めめめんたま、くり抜き 〕

 

 

で、メインはというと…

 

取り敢えず ひとりを選び、村長っぽい人が そいつの「 目玉 」をくり抜き、そして そのまま ぱっくんちょ。

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』  舌チョンパ 〕

 

 

両目の後は「 舌 」を切り取り こちらもパクッ。

 

リーダーの特権なのかな。

 

(「 目 」の方は 目が悪いのと関係してるかも )

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』  解体ショー 〕

 

 

その後が 見どころでもある「 解体 」場面。

 

程よく 抑制されていて イイ塩梅の「 残酷 」でしたね。

 

でも「 生首 」は 結構 生々しかったので カット。

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』  とったどー 〕

 

 

あと ここ、せっかくの「 腕 」が「 見切れている 」のは 演出として ダメでしょ。

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』  終盤頃の「 アリ拷問 」〕

 

 

それと 終盤頃の「 アリ拷問 」も アリがデカくて ワクワクしたんだけど 大した事なかったのも 残念だったな。

 

「 割礼 」場面は しょうがないとして※ 最後の「 虐殺 」も ショボくてね…。

 

 

〔 ※「 割礼 」され事で 最後に「 虐殺に加わる 」となった方が ブラックで 良かったと 個人的には思う 〕

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』  肉の味付け? 〕

 

 

でね、「 解体 」後の「 料理場面 」が イイんですよ。

 

「 胴体を まるごと 窯に入れる 」ところが「 料理してる感 」があって 好きなんですよね。

 

まあ、こちらも 少々 生々しかったので カットしますけど。

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』

活動家リーダー「 抗議活動は PR 」〕

 

 

「 話 」としては…

 

実は 抗議活動は「 開発企業のライバルからの 依頼 」で、

活動家も 資金を得て 名も売れる、双方 WIN-WIN という、

 

「 ビジネスライクな思想・社会活動 」の様相になってます。

 

ここらへんも 今っぽい要素( どっちを向いても 利権や 利益 )で 良かったかな。

 

 

〔『 グリーン・インフェルノ 』

ジャングル飯、ああ ジャングル飯 〕

 

 

あと「 見応え 」があったのが、ハッパで ラリった ヤハ族

よる「 ゾンビ 」オマージュな 人食い描写。

 

ハッパと 調理法が 噛みあった流れ自体、すごく良かったですね。

 

 

って事で 今回は 終わり。