「 ザ・ホエール 」とか、映画いろいろ | berobe 映画雑感

berobe 映画雑感

「 映画 」と「 本 」の感想

『 シレン6 』に 時間を取られて なかなか ブログ書けない。

読書も 滞り気味。

 

それでも 一応『 シレン 』も 一段落(「神髄」クリア )

したので 最近観た映画を サクッと 紹介 & 感想。

 

 

 

「 結末 」に触れているのも あるので 注意。

 

 

 

「 ワース 命の値段 」(20年)

 

「 911・NYテロ 」後、アメリカ政府が 打ち出した

被害者家族への 補償金 」を巡る、実話モノ・人間ドラマ。

 

「 補償金 支払い 」の条件が「 航空会社への提訴をやめる 」※なのが アメリカっぽかったですね。

 

 

〔 ※ 被害者家族側は 提訴しても 勝てるかは 分からない。

 

航空会社側も 裁判はしたくないし、負けた場合は 莫大な金が

掛かる( 会社が傾く )…って事らしい 〕

 

 

「 基金の分配 」を任される事になった M・キートン演じる

主人公・弁護士が「 計算式 」で出した「 分配 」に 被害者家族からは 不満が出てしまう…

 

という「 話 」なので もしかしたら「 ブラックな笑い 」があるかなと思い 鑑賞したんですが、

 

役員連中( 補償金が高い )と 一般人の「 補償金の差 」や

 

「 受け取り拒否 」など ちょっとした ゴタゴタは あるものの、至って 真面目な話でした…。

 

( よくよく考えなくても 当たり前だけどな )

 

被害者たちを「 数字( 金額 )」で見ていた 主人公が 直に

被害者家族と 接した事で「 人間味 」を取り戻すという、

 

ちょっと『 クリスマスキャロル 』的な、考えを改める流れは

イイ話ではあるんだけど、

 

もう少し「 家族各々の 悲喜こもごも 」のドラマを 見てみたかったですね。

 

 

「 人を数字で… 」と言えば

 

「 ヒトラーのための虐殺会議 」(22年)も そんな感じだったけど、今の状況を思えば 何とも 皮肉めいた 作品でもあったな。

 

 

 

「 シラノ・ド・ベルジュラック 」(90年)
 
…は、17世紀のフランスを舞台にした、
 
「 長い鼻が コンプレックスである 剣士の悲恋 」
 
を描いた、歴史・恋愛モノ。
 
どっかで観たような…と思っていたら『 愛しのロクサーヌ 』(87年)の 元ネタ作品でした。
 
というか、ベルジュラックも 実在の人でしたね。
 
その「 鼻は長い 」が「 剣の腕 」が立ち「 詩 」も上手い
ベルジュラック を演じているのが ジェラール・ドパルドュー
 
彼の内に秘めた「 ロクサーヌへの恋心 」が 結構 切ないんですが、
 
もう一方の イケメンが故に ロクサーヌから 好かれる事となった クリスチャンの「 焦り 」も なかなかのもので、
 
女性を巡る「 友情譚 」としても 面白かったです。
 
テーマ的には「 人には 長所と 短所がある 」みたいな感じだとは 思うんだけど、
 
ロクサーヌが 完璧を求めすぎている様に見え、チョット 説得力に欠けてました。
 
 
 
「 ザ・ホエール 」(22年)
 
…は「 いとしの エリー 」でしたね。
 
「 超肥満 」の主人公・チャーリーを 演じた B・フレイザー
彼を介護する リザの人も イイんだけど、
 
個人的には「 愛憎を併せ持つ 」チャーリーの娘、エリー
演じた セイディー・シンク がすごく良かったです。
 
内容としては チョット宗教的な話が関わってくるのが 面白かったな。
 

個人的には 笑えるところもあって、最後も エリーが 開けた

ドアが まさに「 天国へのトビラ( 門 )」のようだったし、

 

その後の チャーリーが「 体重 」から解放された 瞬間も

イイ演出( 好き )だったけど ちょっと 可笑しかったですね。

 

 

の「 体重 」が そのまま「 を 傷つけた罪を 背負う 」の体現(?)でもあるのも 上手いんですが、

 

最初の方の「 エッセイ 」が てっきり 自分が書いたヤツ

( 自己愛が 強め )だと思ったら まさか アレで グッときましたよ。

 

あと、あの「 エッセイ 」は「 聖書 」の様な存在に思えましたね。

 

 

チャーリーの あの体型は「( 恋人を亡くした )ストレス 」によるものだけど 上記のように「 贖罪 」でもあって、

 

特に 頑なに 病院に行かないところなどは( 無意識的な?)

「 自罰 」っぽい感じでしたが、

 

それが「 不仲 」( 皆、白鯨と 無意味に 戦っていた )の

一要因になっているのが なんとも 歯がゆかったですね。

 

 

話は ちょっと 変わりますが、

 

まあまあ前に 配信で、たしか『 犯罪の心理 』というタイトルの「 軽犯罪を扱った 」 ドキュメンタリー・シリーズを観ました。

 

それに「 常習的に 食品を 万引きする女性 」の エピソードが

あるんですが、

 

その 万引き女性が「 家族の死 」の影響により「 過食症 」に

なるという、

 

チャーリーと 似たような 経緯を持っているんですよ。

 

よく聞く「 話 」ではありますが、「 ストレス過食 」が 起因の

実際の事件を 知った事で チャーリーの あの「 体型 」に 強い 憐みや 哀しみを 覚えましたね。

 

 

ちなみに、万引き女性が「 なぜ食品を 万引きするのか 」というと、

 

「 食べても どうせ吐くのなら 買うのは お金のムダ 」みたいな、目から鱗の 納得感のある(?)理由でしたよ。

 

その番組では「 墓地にある 天使像を盗む 女性 」も出てきますが、それも「 家族の死 」が ストレス要因※ でしたね。

 

 

( ※「 ストレス 」により 犯罪行為の ハードルが下がる。

 

…というのは ドラマ『 クリミナル・マインド 』で お馴染。

 

 まあ「 天使像の窃盗 」の切っ掛けは 友人の「 盗めば 」の

一言だったけど… )

 

 

あと 全然 関係ないけど、その番組では

「 電車チカンの 常習男 」の エピソードもありましたね。

 

前に 話題になりましたが、海外にも チカンは ちゃんと(?)

いますよ。

 

( 私服警官も 電車内で 張り込んでた )

 

ちなみに その男は 双子のひとり なんですが、彼に 唆されて

もう片方も「 チカン常習者 」※になってしまいました…。

 

 

( ※ 2人とも 数回 逮捕されている。

 

精神科医が 言うには「 双子だから 脳の構造が似ている 」との事だったけど、なんか テキトーな感じですね )

 

 

その番組では 他にも「 露出 」や「 オムツ泥棒 」※の話があったりと すごく興味深く、楽しい内容だったので

 

 実は ちゃんと紹介しようかと 思ったんですが、内容が アレなので やめた経緯があります。

 

 

( ※「 露出」は「 外で裸に 」と「 人に見せる 」の2例。

オムツ・フェチは 意外と メジャー寄りの フェチだった。

 

ちなみに「 外で裸 」の方は「 やめられない 止まらない 」で

本人が ヒドく 苦しんでいたのが 印象的 )

 

 

閑話休題、『 ザ・ホエール 』に戻ると、

 

後半の「 バク食い 」場面は チョットだけ 同監督の

『 レクイエム・フォー・ドリーム 』(00年)を 想起させる

「 堕ち・ホラー 」な描写で ゾワッときました。

 

 

 

「 告白、あるいは完璧な弁護 」(22年)

 

…は、『 インビジブル・ゲスト 悪魔の証明 』(16年)

韓国リメイク。

 

「 サスペンス演出 」も 良かったし、韓国らしい展開も 悪くないんだけど、中盤の テンポが 少々 速かったような。

 

個人的には オリジンの方が やっぱり 好きかな。

 

 

 

「 空気殺人 ~ TOXIC ~ 」(22年)

 

…は、韓国で起きた「 加湿器殺菌剤 事件 」を基にした 社会派サスペンス。

 

総じて 悪くなかったけど「 実話好き 」としては そのままの話で 見たかったかも。

 

でも 前半の「 原因究明 」の展開は サスペンスフルで 良かったですね。

 

 

 

「 山女 」(23年)

 

18世紀の東北を舞台にした 山村ドラマ、いわゆる「 村社会 」を描いた内容。

 

「 村の秩序 」が大事とはいえ とにかく息苦しいんですが、

 

主人公・少女が 村を出て 山に向かった あたりから 明るい兆しが見え始め、面白くなってきます。

 

軽めのアクションも 意外性があって 盛り上がりましたが、

 

最後の「 生贄 」の場面が やはり 一番 テンションが上がりましたね。

 

 

〔『 山女 』  終盤の「 人身御供 」。

この後、火を放たれるのだが… 〕

 

 

ちなみに「 制作 」は 日本と アメリカ です。

 

 

 

猫ドキュメンタリー「 猫と、とうさん 」(22年)

 

「 ハイキング猫 」の話の「 猫と自然 」の映像が 野性味があって イイ画でしたね。

 

 

 

「 ナイル殺人事件 」(22年)

 

『 78年版 』は あまり覚えてないけど 楽しめなかった記憶があります。

 

( あの ペースが ダメだったのかも )

 

今回は 結構 楽しめたけど、ロケーションは『 78年版 』の方が 雰囲気はありましたね( たぶん )。

 

 

 

最後、

 

「 七人樂隊 」(20年)

 

…は、「 香港の監督7人 」による、香港・オムニバス。

 

 

1話目サモ・ハン監督「 稽古 」は、

 

「 カンフー稽古を サボって 師匠に怒られる 少年・サモハン

 

という「 昔のジャッキー映画 」でよくあった サボリ場面の

元ネタみたいな 内容。

 

 

2話目アン・ホイ監督「 校長先生 」は、

 

 「 厳しくも 優しい教師たち 」を描いた内容。

 

 

3話目パトリック・タム監督「 別れの夜 」は、

 

女性の家族が 海外で暮らす事になり 別れる事になってしまった 若い男女 」の話。

 

互いに 愛し合っていて 別れたくないが 女性の方が まだ

18歳なため 両親に付いて行くしかない、という設定なんですが、

 

近年の香港を思うと「 愛はあるのに 香港を離れ 海外へ… 」に ある種の含みを覚えますね。

 

最後は「 道路 」の映像なんですけど、何故か「 サイレン音 」が 聞こえていて、これまた 意味深だったり。

 

普通に「 別れる話 」としても 面白かったですよ。

 

 

4話目ユエン・ウーピン監督「 回帰 」は、

 

「 香港に住む 祖父の家に 試験を受けに来た 孫娘が 泊まる事になり… 」みたいな、

 

「 世代 」と「 海外ギャップ 」を交えた「 祖父孫 交流 」話。

 

ジャンクフードを 食べてみたり、孫娘に カンフーを教えたりと

微笑ましいんだけど、最後は チョット物悲しい。

 

 

5話目ジョニー・トー監督「 ぼろ儲け 」は、

 

男女3人が 様々な “儲け話” に乗っかろうとするが… 」

 

みたいな、飲食店を舞台にした『 THE・3名様 』チックな趣の「 お金・コメディ 」。

 

2000年「 ITバブル 」や 2003年の「 SARS流行 」などで 翻弄される 3人を コミカルに 描いていて 面白かったです。

 

「 お金 」& トーさん といえば『 奪命金 』(11年)も 面白かったですね。

 

 

6話目リンゴ・ラム監督「 道に迷う 」は、

 

「 旧正月で 数年ぶりに 香港に帰って来たが その変化に

戸惑い、そして 憂う… 」みたいな話。

 

リンゴ・ラム監督の「 遺作 」でもあります。

 

主人公のを演じる サイモン・ヤム が 良かったな。

 

「 香港が変わっても 香港への想いは 変わらない 」みたいな、

 

情感溢れる内容で、これまた いろいろと 意味深に感じてしまいましたね。

 

終盤に は 亡くなるんですが、それが ラム監督と 重なって

しんみり気分にもなりましたよ。

 

 

7話目ツイ・ハーク監督「 深い会話 」

 

「 精神病院 」を舞台にした、かつての「 香港映画 」らしい

くだらなくて ナンセンスな コメディ。

 

患者が「 俺は( 監督の )アン・ホイ だ 」という風に

別人と思い込んでいる「 多重人格 ネタ 」なんですが、

 

香港の映画監督の名前が たくさん出て来るため、

 

そこから 香港の監督たちの「 一体感 」や「 連帯感 」などが

窺われ 結構 グッと来るんですよね。

 

 

あと、香港映画といえば、

 

青年が主人公の 今風なラブコメ、「 遠路はるばる 」(21年)も「 女心、わからぬ… 」みたいな感じで 結構 良かったです。

 

 

…という事で、

 

他にも 紹介したいけど 取り敢えずは こんなもんかな。
 
今回は 一部を除いて「 ドラマ系 」だったので 次は
「 エンタメ & ジャンル系 」を取り上げたいですね。