いろいろと「 映画 」雑感 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

主に「 去年 観た作品 」の 一部「 感想 」とか。

 

 

ネタバレ気味なので( あと「 残酷描写 」も )注意。

 

 

ヤッホー(『 エクソダス 』ネタ )

 

…という事で ラース・フォン・トリアー関係から。

 

 

まずは『 キングダム エクソダス〈 脱出 〉』

まさかの冒頭( 導入 )に ワクワクするも 前作を超える

「 バカばっかり 」話でしたね。

まさかといえば「 皿洗いコンビ 」の 片方も 以外や以外の

“アレ” で 軽く衝撃を受けましたよ。

あと、ヘルマーの息子、ハーフマーヘルマーJr. )の 扱いが

不憫でね…。

前作の ヘルマーは イヤなヤツだったから バランスが取れていたけど、

 

ハーフマーの方は 最初 友好的( デンマーク人を 自然に 見下していたけど… )だっただけに 結構 同情しちゃいましたよ。

 

 

リーモアポントピダンの関係が 気になったけど、最後まで

わからず(…だったよね?)。

リーモアの「 足無し 」と「 ヤッホー 」と「 ポントピダンへの 付きまとい 」、

ポントピダンの「 登山道具( ロープとか )」から考えれば

2人の登山時?に なんかあったのかも… なんて 推測ができそうだけど。


リーモアの最後( 凍死 )」も 雪山遭難ぽかったし、

ポントピダンの「 冷凍エンドウ豆の枕 」も意味深だったり。

 


ちなみに ポントピダンを演じる ラース・ミケルセンマッツの兄でしたね。


キャラとしては 皿洗い2人(?) と ハーフマー が 好きだけど、ウィレム・デフォー 演じる○○も 不気味な雰囲気があって良かったな。

 

あと、アレクサンダー・スカルスガルド 演じる 弁護士

アンナの ふたりも ムカつくけど 結構 好きだったり。

 

 

内容は「 互いに 争ってばかりで 破滅の危機に 気付かない 」が前面に 出てる感じだったかな。

 

トリアーでよくある「 結局、うまくいかなかった 」という

「 結末 」に 衝撃を受けると共に 脱力もしたけど、

 

さらに続く( キングダムに 手を出したばっかりに… )

「 燃やされてしまう 」無慈悲さには シビれましたよ。

 

 

この後『 メイキング 』を観たんですが ミミズクの紹介が多めだったのが チョット嬉しかったです。

 

 

楽しみにしていた『 エレメント・オブ・クライム 』(84年)は「 映像 」は 独特だったけど 内容は 合わず。

 

「 水 」が たくさん出ていたけど( カギ、ビンも大量 )、

 

アレは「 ウツ 」や「 恐怖症 」を抱える トリアーが感じる

「 漠然とした 不安( 恐怖・死 )」の イメージでしょうか。

 

「 ダイブ 」も「 疑似的な 死の体験 」みたいに思えたな。

 

関係ないけど、主人公が被る「 HG 」( ハリー・グレイ )と書かれた帽子が

 

「 ハードゲイ 」( レイザーラモン )を彷彿とさせ、チョットした ツボでしたよ。

 

 

『 エレメント~ 』は「 催眠 」から始まってましたが、

 

『 ヨーロッパ 』(91年)も 観客に?「 催眠 」を掛ける形で始まってましたね。

 

ヨーロッパと 言いながらも 舞台は「 戦後ドイツ 」で 始めは

あまりピンとは 来なかったものの、

 

内容としては ちゃんとした「 サスペンス 」で面白かったです。

 

主人公の 叔父を演じるのが ヘルマーの人なんですが、

ほぼ ヘルマーなキャラで イイ味出していましたね。

 

トリアー作品ですが「 エンタメ的 」な展開もあって 観やすい

内容でした。

 

 

『 エピデミック ~ 伝染病 』(87年)

 

「 “伝染病が 流行っている” 現実 」と、

そこで書かれる「 “伝染病を描いた映画” の脚本 」の話。

 

「 伝染病 」が流行っているのに「 緊迫感が ゼロ 」の監督

トリアー本人 )と 脚本家

 

一方「 映画内 映画( 脚本 )」で 伝染病を広げてしまうのが

「 患者を助けたい 」と 治療に向かう 医師(これも トリアー)という、

 

「 気にも留めない 」&「 奔走するも 空回り 」は 共に

『 キングダム 』と 通ずる感じでしたね。

 

「 話 」としては 一見すると 面白そうなんですが

ウド・キアも出てくるし )、内容としては まあまあ退屈。

 

…なんですが「 終盤 」は 超・盛り上がるんですよ。

 

実はコレ「 終盤 」までが「 長い長い 前フリ 」になっていて、

 

「 終盤 」で「 現実と 脚本が 伝染病で繋がる、侵食される 」

仕組みになってるんです。

 

しかも、本編が始まって しばらくすると「 画面の左上 」に

タイトルの『 EPIDEMIC 』が「 赤字 」で表れ、

 

そのまま 最後まで「 画面に残り続ける 」んですが、

 

コレにより この作品自体が「 伝染病( の媒体 )」にもなっているという、

 

「 三重の入れ子 構造 」の様相も 見せているんですね。

 

これらの事から 本作は「 トリアーの 呪いのビデオ 」( 一種の ホラー、というか 嫌がらせ? )だと 思いましたよ。

 

 

〔『 エピデミック 』  しれっと「 終盤 」の ネタバレ。

「 画面左上 」に 赤字の「 EPIDEMIC 」が映っている 〕

 

 

面白くはないと思いますが「 オチ 」だけは イイので

「 ヘンな映画 好き 」は 観ておいても いいかもしれません。

 

ここで トリアー 終わり。

 

 

評判が イマイチっぽかった、ダリオ・アルジェント

『 ダークグラス 』(22年)

 

冒頭の「 日食 」と その後の「 娼婦殺人 」は 雰囲気があって

良かったものの、

 

「 盲目の主人公 」、「 盲導犬 」、「 匿う事になった少年 」と 面白くなる要素は たくさんあったのに、それらを ホラーとして活かした展開が少なく、

 

「 サスペンス演出 」及び「 話 」、おまけに「 犯人 」も 凡庸と、フツーの作品でした。

 

 

同じ「 主人公の目が 不自由 」という設定の サスペンス、

『 シーフォーミー 』(21年)の方が

 

今風らしい「 遠隔 視覚サポートの スマホ・アプリ 」を取り入れていて 新味がありましたね。

 

せめて『 わたしは目撃者 』の「 盲目の主人公 & 子供が相棒 」と 似た設定なんだから 同じように

 

「 2人で 調査する 」流れにしておけば「 話 」の膨らみくらいは 作れそうだったので チョット残念。

 

 

精力的な スコセッシヴァーホーベン( その他 高齢監督 )を

思えば かなり残念な( そして 悲しい ) アルジェント 作品だったと思わざる終えません。

 

 

まあ、時代的に「 女性が ただ惨殺される 」( 意識 “最低” な )作品が 作りづらくなっただけかも しれませんが…。

 

ただ、「 テーマ曲 」( 音楽:アルノー・ルボチーニ )は

すごく良かったね!

 

 

〔『 ダークグラス 』  前半の殺人1、「 犯人のワイヤー 」〕

 

〔『 ダークグラス 』  前半の殺人2、「 ワイヤー 首絞め 」〕

 

〔『 ダークグラス 』  前半の殺人3、「 被害者の傷口 」。

わざわざ「 アップで映す 」心意気は 評価 〕

 

こんな感じで「 最初の殺人 」は まあまあ楽しい 仕上がり。

 

 

〔『 ダークグラス 』

「 巻き添え事故 」に遭った 少年の両親

 

 

「 主人公の車事故 」場面でも わざわざ「 体の損壊 」を映していて「 期待感 」が 高まったものの、その後は 総じて 薄味。

 

 

〔『 ダークグラス 』  主人公・ディアナ盲導犬

 

 

主人公・ディアナ 役は『 皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ 』

イレニア・パストレッリ

 

「 コールガール 」って事で ビッチ系・ファッション なので

そこにも 注目(?)。

 

あと、監督の娘、アーシア・アルジェント も出てます。

 

盲導犬の登場で 多少、気持ち的には 持ち直すんだけど、

すぐに いなくなるんだよな…。

 

 

〔 ついでに ヴァーホーベン『 ベネデッタ 』の「 残酷描写 」〕

 

 

ちなみに ギャスパー・ノエ 監督、アルジェント 主演の

『 ヴォルテックス 』(21年)での「 役者の演技 」は、

 

セリフ含めて すべて「 即興 」みたいですよ※。

 

( ※『 文春CINEMA 冬号 』の インタビュー記事 情報 )

 

 

城定秀夫( ジョジョ ) 監督、「 香港映画のリメイク 」でも

ある、『 恋のいばら 』(23年)

 

主演の 玉城ティナ松本穂香 も 良かったけど、

 

健太郎 役の 渡邊圭祐 の演技が 説得力があって すごく良かったですね。

 

内容にしても「 シスターフッド 」的な「 話 」と思っていたら ちょっと違う展開を 見せていたり、

 

意外と「 サスペンス 」要素もあったりで 面白かったです。

 

 

『 シン・ウルトラマン 』(22年)は「 カメラ構図 」に 若干 辟易したものの、

 

「 話 」は ポンポン進むし ボリューム感もあって 楽しく観れました。

 

ただ、最後の「 ゼットン戦 」は 合わなかったかな。

 

あと、もう少し「 ウルトラファイト 」が見たかったです。

 

 

 

〔『 ヒューマン・ボイス 』  タイトル 〕

 

 

たまに「 視覚的に 面白い タイトルバック 」に出合いますが、

 

去年は ペドロ・アルモドバル 監督、

主演の ティルダ・スィントン が「 ほぼ 一人芝居 」の短篇、

 

『 ヒューマン・ボイス 』(20年)が それでした。

 

観始めは 合っていない様に 思えたんですが、

 

「 工具 」を キレイに 並べているものの、ちょっと「 歪さ 」を感じる「 文字 」は まるで主人公の「 心模様 」のようで

 

鑑賞後には 合点がいきましたね。

 

まあ、実際は 大した意味はないんでしょうけど。

 

 

 

『 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 』(23年)

 

家族向けという事で ヌルくせずに、まあまあ「 バイオレンス 」

(「 ゲーム 」そのまま )な内容だったのが 何より 嬉しい。

 

マリカーの場面なんか「 地獄のレインボーロード 」の様相でしたね。

 

総じて「 これでいいんだよ 映画 」で 単純に 楽しめたけど、

欲を言えば 最後も「 あっちの世界 」で 戦ってほしかったな。

 

( 現実世界で ヒーローにならなくても よかった )

 

あと、ゲッソー かわいい。

 

ちなみに「 字幕 」で鑑賞。

 

マリオの声、クリス・プラット

ピーチの声、アニャ・テイラー=ジョイ

クッパの声、ジャック・ブラック

 

と 豪華だし、違和感も まったくなかったですよ。

 

( というか ウマかった。 あと JB は「 歌 」もあるぞ )

 

 

小津安二郎『 淑女と髭 〈 新音声版 〉』(31年)

 

あの頃から「 ヒゲモジャ 」は 評判悪かったのね…。

 

『 生まれてはみたけれど〈 新音声版 〉』(32年)は、

 

「 子供は & 大人は わかってくれない 」的な話で やるせない

気持ちに。

 

 

 

AIロボ・ホラー の『 M3GAN / ミーガン 』(22年)

最後は「 叔母と 姪の ブルース 」でしたね。

 

「 残酷描写 」も 良く出来ていて、特に 独自性を感じる

「 水流で 顔面剥ぎ 」が素晴らしかったです。

 

「 塀 」は ちゃんと直そうよ、とは 思ったけど…。

 

 

 

最後は 少しずつ読んでる『 文春CINEMA 冬号 』から。

 

気になっている ライター、CDB『 私の映画日記 』

切り口、内容が やっぱり 面白い。

 

今回も

 

「 パレスチナに 沈黙するハリウッド。

タタミの上で考える 日本映画の役割 」

 

と題して「 ハリウッド( と スター、セレブ )」の「 欺瞞 」、「 偽善 」について 書いていて 読み応え 十分の 内容。

 

ちなみに 題にある「 タタミ 」は「 東京国際映画祭 」で 上映

された『 タタミ 』(23年)からです。

 

 

テーマ的に「 意識高い 」( 鼻につく )内容になりそうなんですが、『 マーベルズ 』を鑑賞して「 悪くない 」と言いつつ、

 

「 ハリウッド映画を これまでと同じように

見られなくなっている 自分に気がつく 」

 

と、率直に 吐露していたり、

 

最後には ハリソンブラピ の「 米警官 と IRAテロリストの交流 」を描いた 映画、『 デビル 』(97年)の セリフ から引用して まとめていたりと、

 

イヤミっぽくもない「 いち観客 」視点なので 胸に スーッと落ちてくるんですよね。

 

という事で「 締め 」は 引用の引用、『 デビル 』のセリフで。

 

 

「 言ったろう、これは ハッピーエンドの

アメリカン・ストーリーじゃなくて アイルランドの話だって 」