M・J・フォックスが狼男に「 ティーン・ウルフ 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

関係ない話から。
 
 
ボー・ブリジッスジェフ・ブリジッス の兄弟と
ミシェル・ファイファー が主演の
 
『 恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ 』
(89年)。
 

「 タイトル 」から「 恋愛モノ 」だと 思っていたら、

 
( その要素もあるが。
そもそも「 恋のゆくえ 」は 邦題のみ )
 
ピアノデュオの兄弟と そこに加入した 女性歌手
3人それぞれが「 違う道を歩むまで 」の話でしたね。
 
「 家族持ち 」のが求める「 安定 と 継続 」、
「 独身 」の抱える「マンネリ」と「 兄を思っての我慢 」、
 
考え方の違いを巡る「 兄弟ドラマ 」は 案外 面白く、
好みの作品では ありませんが 楽しめました。
 
 
2000年 8月に 起きた
「 ロシアの潜水艦 クルスク の沈没事故 」を描いた 実話モノ、
『 潜水艦クルスクの生存者たち 』(18年)
 
「 国のメンツ 」のために 兵士が犠牲になる内容は 今の状況に

チョット重なりますね。

 
あと、終盤頃から 徐々に「 外枠の黒部分 」が広がる、
「 閉塞感 」を思わせる演出が 印象深かったです。
 
ちなみに
 
乗務員の妻 役で レア・セドゥ
英国の准将 役で コリン・ファース が、
ロシア軍の偉い人 役で マックス・フォン・シドー が出てます。
 
 
PTA監督『 リコリス・ピザ 』(21年)
ブラッドリー・クーパーが 良かったな。
 
その彼が 関係してくる、まさかの
「 ガソリン切れ サスペンス 」の場面も 超好き。
 
 
『 レザボア・ドッグス 』の ネタ元 と言われている
チョウ・ユンファ 主演の『 友は風の彼方に 』(87年)
 
エンタメ度が 結構あって 面白かったのですが、
 
後半になるにつれ やるせなさが 増すし、
最後のオチも アレで 少々どんよりな気分にも…。
 
チョウ・ユンファの コミカルな演技も あっただけに
尚更 心に 沁みましたね。
 
 
ここから本題。
 
 

「 ティーン・ウルフ 」(米/1985)

 

マイケル・J・フォックス 主演の

青春ファンタジー( & スポーツ )・コメディ。

 

 

「 平凡 」に悩む、弱小バスケットボール・チームに 所属する 高校生・スコット の体に「 異常な体毛 」や「 鋭い爪 」が生える異変が起こる。

 

父親から「 狼男の血筋 」だと知らされた スコットは 周りに

その事を ひた隠すが、バスケの試合の最中に「 狼男 」に変身してしまう……。

 

 

スコット を演じるのが マイケル・J・フォックス

 

監督の ロッド・ダニエル

『 K9 / 友情に輝く星 』(89年)の監督でもありました。

 

 

「 狼男モノ 」だけど「 青春コメディ 」という事で 興味は

薄かった作品。

 

放送されたので 観てみたんですが、これが 思ってたよりも

面白く 観れましたね。

 

「 展開 」自体は よくある感じでは ありますが、

M・J・フォックス が とにかく 魅力的 だったし、

 

さほど 深刻ぶらない、説教臭くない 内容も 好み でしたよ。

 

結構 積極的な 幼なじみ?の ブーフ、 計算高い パメラ

お調子者の スタイルズ など、

 

脇のキャラも 程よく 立っていて、その配置の バランスがイイのも ポイント。

 

あと、終盤の「 試合 」に「 狼男 」を出さない 思い切った

脚本も ある意味 スゴイと思いましたよ。

 

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  タイトル 〕

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』

最初のカット、スコットの「 フリースロー 」〕

 

 

体育館の「 照明 」が「 満月 」の明喩になっており、

 

それに スコット自身が “被さる”事で 後の「 変異 」を匂わせている、素晴らしい ファースト・カット。

 

あとコレ、最後の展開の「 ちょっとした伏線 」っぽくも ありましたね。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』

パメラの彼氏 からの一言「 ヘタクソ 」。

『 ブルーロック 』かな 〕

 

スコットの バスケ部は 弱小チーム。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』

スコットの胸から生えた なが~い毛。

『 チェンソー・マン 』の紐かな 〕

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  帰宅する スコットブーフ

 

どうやら ブーフ とは「 幼なじみ 」らしい?

 

その ブーフスコットのことが 好きだが、

 

スコットの方は「 演劇部 」の パメラ に ゾッコン…という、ちょっとした「 三角関係 」の要素も。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  スコットの両手が 毛むくじゃら 〕

 

父親の手伝いで 演劇部に行った スコットだったが、なぜか

両手が 毛むくじゃらになり…。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  スコット父親

 

スコット、部活やめたいってよ。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』

未成年バレバレの状態で パーティ用の「 お酒 」を買う場面 〕

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』

走る車の上で “サーフィン” をする スタイルズ

 

こいつが やたら調子のいい スタイルズ

 

「 飲食店で ペロペロしそう 」な ヤツであったが、

その「 ポジティブさ 」は 見習いたいところでもあったな。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  パーティでの「 王様?ゲーム 」で「 クローゼット 」に入る スコットブーフ

 

「 ゲーム 」として「 クローゼット 」に入れられた スコットブーフ

 

なかなか イイ雰囲気であったが スコットが「 爪 」を立ててしまう…という場面。

 

 

ここの パーティ場面、

「 男女 “手足拘束” クリームまみれ?ゲーム 」が謎であった…。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  スコット、狼男への変身 〕

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  父親に 感づかれる 〕

 

スコット、「 狼男バレ 」の ピンチ。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  親子 狼男 〕

 

観念した スコットが ドアを開けると・・・お前もかい!

 

なんか、狼というよりも サルに近いような…。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  スタイルズへの カムアウト 〕

 

スコットスタイルズに「 狼男 」だと 打ち明けるが、

最初こそ 驚いていたものの、すぐ平常に。

 

てっきり スタイルズが「 バラす 」展開になるのかと思いきや、

こう見えて「 口は堅い 」んですよ。

 

つうか、Tシャツ…。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  ブーフを送った後の 振り返り 〕

 

だが、ブーフには 言えず。

 

M・J・フォックス って「 去り際 」( 演技 終わり )の

憂い顔(?)や 仕草が「 画 」になるんですよね。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  試合での変身 〕

 

隠し通していたが「 試合中 」に変身してしまう。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』

狼男・スコット の ダンクシュート 〕

 

 「 ザ・ファースト “ウルフ” ダンク 」であった。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  ふつ~に 続く 試合 〕

 

この後「 狼男パワー 」で 快勝。

 

ここも 驚くのは最初だけ。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  人気者になった スコット

 

まったく スコットに 気のなかった パメラスコットが人気になったとたん、言い寄る展開も。

 

パメラの「 彼氏とは 別れない 」という 恋愛スタンスに

嫌悪を覚える人が 多いかと思うけど、個人的には 結構 好きな キャラ。

 

パメラ彼氏の「 嫉妬 」描写も 地味に良し。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  調子に乗る スコット

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  十分、自覚している スコット

 

だが、結局 求められているのは “狼男”・スコット

ますます 自分が「 平凡 」に。

 

さらに「 バスケ 」では 自分だけ 活躍してしまい

チームメイト にも 避けられ始め…。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  スコット父ソーン教頭

 

上映時間は「 93分 」と 短めだけど、

 

スコット父ソーン教頭の「 因縁 」なんかも そつなく

盛り込んでいるですよね。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  後半の「 優勝戦 」1 〕

 

スコット、狼男 やめるってよ。

「 おかえり 平凡 」。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  「 優勝戦 」2 〕

 

この「 試合 」が 結構 長めでね。

 

しかも「 狼男 無し 」ってのも 意外だったな。

 

 

〔『 ティーン・ウルフ 』  終盤の「 フリースロー 」〕

 

映画の終盤は「 最初のカット 」と 似た構図の

「 フリースローの カット 」だが、

 

こちらには「 照明 」=「 満月 」がない。

( 狼男にならない )

 

あと「 最初のカット 」の方は その後も続き、試合時間ギリギリで スコットが「 ロング・シュート 」を放つけど、

 

こちらは すでに 試合時間 切れ。

 

「 冒頭 」と 関連付けるために

「 フリースロー で 試合を終わらせる 」脚本になってるんだよな。

 

ここらへん一連の 構成も 見事でしたね。