読書1 ミステリー2冊 「 碆霊の如き祀るもの 」、「 月舘の殺人 上・下 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

今月 読んだ本は…

 

 

「 時代物・怪談 」の 掌編集

「 大江戸怪談 どたんばたん ( 土壇場譚 )」 平山夢明

 

 

漫画『 ジョジョ 4部 』の スピンオフ作品の 小説版

「 岸辺露伴は叫ばない 」 北國ばらっど   他3名

 

 

本格ミステリー

「 碆霊( はえだま )の如き祀るもの 」 三津田信三

 

 

本格ミステリー・漫画

「 月舘の殺人 」 佐々木倫子  原作 : 綾辻行人

 

 

SF短編・アンソロジー

「 SFショートストーリー 傑作セレクション ロボット編 」

星新一、 筒井康隆、 矢野徹、 平井和正、 小松左京

編者 : 日下三蔵

 

 

の 5冊。

 

 

 

まずは 「 本格ミステリー 」 2冊から

 

 

 

「 碆霊( はえだま )の如き祀るもの 」

三津田信三

 

本格ミステリー。

「 刀城言耶シリーズ 」の長編 7作目。

 

 

怪奇小説作家・刀城言耶( とうじょう・げんや )は

編集者の 祖父江偲( そぶえ・しの)と共に、大学の後輩の故郷に

伝わる 「 “4つの怪異譚”の 取材 」のため 「 犢幽村 」( とくゆう むら )を訪れる。

 

笹女神社の 宮司と 怪異譚の1つ が伝わる 瞑想所、“竹林宮” へ

向かった 刀城たち だったが、

「 竹林で 迷路状になっている 」 “竹林宮” の最奥で 民俗学者の死体を発見する。

 

その死体は 「 怪異譚 」を なぞったかのような 死因だった…。

 

 

 

「 刀城言耶シリーズ 」( 三津田信三 作品 )は

「 ホラー + ( 本格 )ミステリー 」が 特徴的ですが、作品によって

その割合が 違うんですよね。

 

今作は それぞれ時代が 異なる( 江戸、明治、戦前、戦後 )

「 4つの怪異譚( 怪談 )」から始まる ものの、

 

「 刀城言耶パート 」からは、かなり オーソドックスな ミステリー展開。

 

なので 「 ホラー 」の割合は 少なめ…かな。

( とはいえ 最後は… )

 

 

それでも 「 4つの怪異譚 」は 全部で 110ページくらい と、

全体の 5分の1ほどを 占めているので 「 ホラー的な 満足感 」も

結構 得られると 思います。

 

個人的にも 4つとも 趣向が 異なっていたので 思いのほか 面白く

読めましたね。

 

その 「 4つの怪異譚 」を “見立てた” ような事件に、

 

「 怪異譚の謎 ( 解釈 )」「 村の民俗 と 碆霊祭 」「 村の合併 話 」

関わって来る 内容になってます。

 

 

「 ミステリー 」 としては「 事件 」のうち 3つが “開かれた密室” で、

個人的には “竹林宮” での 「 死因 」( 死因バレ 白字→ “餓死” )に 強く 興味を 引かれました。

 

その 「 トリック 」も

シンプルでいて 意外性もあり ( 気づく人は 結構いそう?)、

とても 面白いトリックだと 思いましたね。

 

「 情報( 伏線 )」も多く、それらを 活かした 刀城による

終盤の( シリーズ名物の )「 推理 の 試行錯誤 」も 逆転に次ぐ逆転の展開で 楽しかったです。

 

ただ、「 ミステリー的な ケレン味 」は 少し薄め かな?

 

その「 真相 」自体は 好みでは ありませんでしたが、

 

“もうひとつの方”が かなり 好きなヤツ だったので、総合的にみると

まあまあ 満足。

 

「 520ページ くらい 」と、ページ数は 相変わらず 多いのですが、

個人的には 今までよりも 読みやすい印象※ でしたね。

 

それでも しっかりと 「 三津田信三らしい 文体、描写 」になっていたので、そっちの面でも 楽しく読めたかな。

 

 

〔 ※ 読みやすい印象

シリーズ1作目 『 厭魅( まじもの )~ 』は “ある理由” もあって

かなり 読みにくい。

 

2作目以降も チョイ読みづらい感じですが、個人的には

その 文体、表現が 結構 好きです 〕

 

 

 

「 月舘の殺人 上・下 」

漫画:佐々木倫子  原作:綾辻行人

 

 

本格ミステリー・漫画。

 

「 古本屋 」で 普段は見ない「 漫画コーナー 」の 「 100円棚 」で

発見、

「 綾辻行人 原作 」って事で 前から気になっていた 作品 だったので

購入。

 

 

 

沖縄に住む 高校生の 空海( そらみ )。

 

2カ月前 母親を 亡くした 空海だったが、祖父がいる事がわかり、

その財産相続( 条件 )の話のため、北海道へ。

 

祖父・十蔵 が住む 「 月舘( つきだて )」へ向かうため、

電車「 幻夜号 」に乗り込んだ 空海 だったが、彼女は「 電車嫌い 」のの影響で 一度も 電車に乗った事がなかった。

 

( 沖縄にある モノレール、 「 ゆいレール 」さえも )

 

しかも、他の乗客たちは 「 鉄道マニア 」( テツ )ばかりで…。

 

一方、首都圏では 「 連続殺人事件 」が起こっていた…。

 

 

 

「 コメディタッチな作風 」の 佐々木倫子らしい 「 笑い 」※ が 随所に

盛り込まれていましたね。

 

( ※ 「 コマ 」に 手書きで セリフが 書かれているヤツ。

「 書き文字 」って 言うんですね )

 

 

『 上巻 』

列車「 幻夜号 」( 機関車は D51、車両は オリエント急行 )が舞台。

 

列車が “出発” してからは、テツたち「 鉄道ウンチク 」空海

付き合わされる?展開で、

 

その テツたちの 振る舞いが 「 イタく 」て 「 メンドクサい 」んですが、

「 楽しそう 」でもあり 微笑ましくも ありましたね。

 

途中、「 首都圏 連続殺人事件 」の 「 被害者たちの くだり 」を

挟みつつ、後半に 「 殺人 」が起こります。

 

その「 殺人 」は 「 列車内( 客室 )」+「 密室 」と 「 ミステリーらしい 」内容 だし、

殺人犯 ( 一応 名称は 白字 → “テツキラー” )の影も見え、

ミステリー( ・ホラー )気分も 上がりましたが、

 

その後の 「 ミステリーらしい 一連の流れ 」が “普通” 過ぎて、

ちょっとずつ 熱気が 下がってきましたね。

 

( 「 コメディ 」としては 楽しかったです )

 

…ですが、終盤に  「!?」となる 綾辻作品らしい 驚愕の様相を

見せるんですよ。

 

「 チョット気に なっていた ところ 」も 氷解し、いろいろと スッキリ

しましたね。

 

 

『 下巻 』は 「 ホラー要素が 増える 」し、

相変わらず 「 テツたち が 面倒くさい 」しで、楽しい 内容。

 

「 ミステリー展開 」、「 事件の検証 」は 「 ほどほどの軽さ 」

「 犯人 」も…なので、

「 本格好き 」には ちょっと物足りないかも しれません。

 

( 個人的には 『 上巻 』の最後で 「 ハードルが上がった 」のも ある

 

 

「 上下巻 」を通して見ると、「 漫画 らしい 伏線 」( の出し方 )※

かなり 良かったですね。

 

( ※ 「 漫画らしい伏線 」

見落とした…。 結構 ショック。

ボーっと 読んでんじゃねーよ! と、自分に言ってしまいそう )


 

個人的には 佐々木倫子の作風は 好みだし、

 

「 鉄道関係( ウンチク )」も 興味自体は 薄いんですが、

『 タモリ倶楽部 』 観てるんで 親しみは あるので 楽しめました。

 

「 綾辻・ミステリー 」としても

『 館シリーズ 』+『 囁きシリーズ 』“趣” で 面白かったですね。