「 バスケットケース2 」(米・1990年)
フランク・ヘネンロッター 監督、脚本 『 バスケットケース 』(82年)の
続編。
『 1 』は 「 無理やり “分離手術” された 元・結合双子 の復讐 」
を描いた ホラー で、今作は その続きから 始まります。
復讐の末、兄弟共々 「 墜落死した 」と 思われていた、
「 元・結合双子 」の ブラッドリー兄弟 だったが 病院に運ばれ 一命を
とりとめる。
病院を 抜け出した 兄弟は
かつて 奇形児たちを保護し、“ドクター・フリークス” と 呼ばれている
ルースに 助けられ、匿われる事になるが…。
〔 『 バスケットケース2 』
「 タイトル 」と その後に 映る 「 ベリアルの 絵 」と、
冒頭に 流れる 『 1 』のラスト( 兄弟 墜落 )場面。
この 『 1 』のラスト、
兄弟が 「 分離前のように 繋がって見える 」のが ポイント 〕
『 1 』は 「 兄弟愛・ドラマ 」 と 「 復讐譚・ホラー 」の バランスよくて
面白い作品 でしたね。
昔、初めて 『 1 』を 借りたあと、続けて 『 2 』を 借りようとしたんですが、
「 コメディ色 強め 」のジャケット から 「 それじゃない感 」を 強く 覚えて 結局 借りなかったんですよね…。
でしたが、ブログ記事で チョット気になり、
続編への 「 こだわり 」も だいぶ薄らぎ、さほど 気に ならなくなった
ので 鑑賞してみました。
ちょうど 「 Amazonレンタル 」で 100円だったしね。
( レンタル店には 無い。
『 エクソシスト3 』も 再鑑賞したいんけど 置いてないんだよな… )
前作は 「 頭部 と “チョットした体” と 両腕 」の奇形の兄・ベリアル と、
その弟 ドゥエイン の 「 兄弟の関係性 」のドラマ が 秀逸な作品で、
ドゥエインが 「 恋 」をした事で 起こる 「 兄弟の確執 」 や
ベリアルの 「 孤独感 」( 疎外感 )、
「 憎しみ 」も湧くが、それでも 離れられない 「 兄弟の絆 」、
“性器がない” ベリアルの 「 性を 発散できない 苦しみ 」 が
切ない話でした。
今回は 兄弟を 匿った ルースと 孫のスーザンが
「 多くの フリークスを匿っている 」という 設定なのですが、
その事で “普通” の ドゥエインが ここでは “少数派” になったり、
奇形のベリアルの方に “似た容姿”の恋人 ができたりと、
兄弟の立場が 前作と「 逆転 」した話になってるんですよね。
〔 『 バスケットケース2 』 病院に運ばれた ブラッドリー兄弟。
「 上 」が 弟・ドゥエイン、 「 中 」が 奇形の兄・ベリアル。
「 下 」は 中頃の “イケメン・バージョン”・ベリアル。
( 場面によって使い分けてる )
ドゥエインには 「 恋人ができた ベリアル 」 が こう見えたのだろうか…?〕
〔 『 バスケットケース2 』
兄弟を 助け、匿う ルース( 左 )と 孫のスーザン( 右 ) 〕
「 テーマ 」としても 「 “普通” とは?」と、より 踏み込んだ メッセージが ( 一応 )問いかけられており、 少し重めな感じに なってましたね。
それでいて フリークスの 容貌は デフォルメが キツく、
ある意味 「 ユニークさ 全開 」なので なんだか アンバランスな印象も。
個人的には 「 デフォルメ強めな フリークス 」に 「 毒気 」を 強く感じ、
居心地が 悪かったな。
でも、フリークス を “リアルっぽく” すれば、それはそれで アレだしね…。
〔 『 バスケットケース2 』
ルースが 匿っている “やり過ぎ”・フリークス の 一部。
「 下 」のヤツなんか 仮面ライダーに 出てきそう… 〕
あと、前作の制作から 8年も 経っている ので、
弟・ドウェイン 役の ケヴィン・ヴァン・ヘンデンリック が 年を取っているのは 知っていましたが、
いざ 本作を 観てみると 想像以上に ショック を 受けましたよ…。
〔 『 バスケットケース2 』
過去を 回想する ドゥエイン( ケヴィン・ヴァン・ヘンデンリック )。
「 中 」、「 下 」( 分離手術 )は その回想場面。
全然 関係無いけど “ドゥエイン” と “ドウェイン”、どっちが
いいか 迷ってしまった… 〕
そういう事で 前半は 「 ホラー的な 場面も少ない 」事もあり、
あまり ノレない感じ でしたね。
ですが、「 自分たちの居場所を守る 」と フリークスが 決意する、
中盤過ぎ から
「 サスペンス要素 」、「 残酷表現 」は 少ないものの、
「 エンタメ的 」に 少しずつ 盛り上がってきました。
しかも ドゥエインの 重いセリフが あったりと、「 ドラマ性 」も 感じ
ましたね。
〔 『 バスケットケース2 』 逃亡中の兄弟 を追う、記者の マーシー。
マーシーは “ドクター・フリークス”・ルース を 訪ね、あっさりと
ドゥエインを 発見、証拠のため 写真を 撮る計画を立てる。
一方、ルースたち は 居場所を守るため 「 戦う 」決断をする…と、
このあたり から 面白くなってきました 〕
〔 『 バスケットケース2 』
バーでの ドウェインと 調査員・フィル( “一体何が起きてる” さん )との やり取り。
「 上 」のセリフ は フィルの 揺さぶりをかける言葉 〕
終盤の 「 軽いオチ 」(?) からの 「 本オチ 」 も 結構 インパクト が
あったし、「 前作と 逆 」にすることで、
ドゥエイン の フリークス( ベリアル )への 「 複雑な想い 」と 「 葛藤 」が、再び 浮かび上がって来る構図になってましたね。
最後、「 結局 また、フリークに 帰属することになる 」 結末も、
物悲しくも 皮肉で、見事でした。
ここから 「 ホラー 」場面( 残酷描写 )の「 画像」。
( “展開バレ” と “オチ” もあるので 注意 )
〔 『 バスケットケース2 』 「 病院脱出 」場面での 殺人。
壁に残る 「 爪痕 」が イイね~ 〕
「 ホラー本 」によると 「 特集メイク 」は ガブリエル・バータロス。
軽く 調べてみると、ヘネンロッター作品 としては
『 ブレイン・ダメージ 』(88年)や 『 フランケンフッカー 』(90年)に参加してます。
あと、この年だと 『 グレムリン2 』、『 ダークマン 』( 共に 90年 )にも
参加してましたね。
〔 『 バスケットケース2 』
ベリアルに殺された 「 見世物小屋 」の アホ店主 と マーシー 〕
〔 『 バスケットケース2 』
「 証拠写真 」を撮りに ルース宅に 忍び込んだ アーティー の顛末 〕
ここは カメラの 「 ストロボ 」演出。
「 撮る 」行為は 時に暴力になる…と、超・深読み。 ( 多分 違う )
ココよりも 終わった後の 「 部屋の電気が 一つずつ 消えていく 」演出の方が好き。
〔 『 バスケットケース2 』
殺されていた バーの店員( 上 )、
ベリアルと 争う、調査員・フィル( 中 )と 「 フィルの 死体 」( 下 ) 〕
〔 『 バスケットケース2 』
フリークス( というか ベリアル )に 襲われる 記者・マーシー と、
その顛末。
「 特殊造形 」は コレが一番好き だな 〕
この場面や 先の「 アーティー殺害 」場面からは
トッド・ブラウニング 監督 『 フリークス 』( 32年 )を 想起しますね。
〔 『 バスケットケース2 』
ベリアルと 似た容姿の イヴの、体位が よくわからん セックス。
“よくわからん” から 「 画像 」載せても 大丈夫だよね? 〕
前作は 「 性器がなく、性欲を発散できない ベリアル 」が 切なく、
「 性倒錯( インポ )系・殺人者 」の要素も 垣間見えるのが 面白かったのに…。
という事で、描写としては 面白いけど、個人的には 少し残念。
まあ、これがあるから 『 3 』があるわけですが…。
〔 『 バスケットケース2 』
終盤の ドゥエインと スーザンの 『 エイリアン 』っぽい くだり 〕
一方、ドゥエインも スーザンと イイ感じになるのだが、
なんと スーザンの 「 お腹の中 」には 子供がいた…という 凄い
展開に。
まあ、何となく 読めたけど、それでも 「 “子供”の造形 」が良くて
結構 テンションが 上がりましたね。
〔 『 バスケットケース2 』
ドゥエインと 揉み合った スーザンが 窓から落ちる 場面
( その後 亡くなる ) 〕
〔 『 バスケットケース2 』 ベリアルを 体に 縫い付けた ドゥエイン 〕
スーザンを殺し、錯乱気味の ドゥエインは “殺される” のを 回避
するため、
自身の脇腹に ベリアルを 縫い付け、再び フリーク に戻る…という
結末。
“元フリーク”・ドゥエイン の、「 フリーク・スーザンへの 拒否反応 」が
なんとも やるせない…。
先の 「 フリーク2人( スーザン と 子供 )の墜落 」、
最後の 「 兄弟が “疑似的に” 繋がる 」展開は 前作のラストと
構図が重なりますね。
というわけで、「 やり過ぎ フリークス 」には いろいろと思うところが
あったし、
「 ホラー描写 」も 物足りなかったものの、予想より 楽しめましたね。
若干 ブラックな オチも 良かったです。

































