今月 読んだ本は
本格ミステリー 連作短編 「 貴族探偵 」 麻耶雄嵩
本格ミステリー 「 medium 霊媒探偵 城塚翡翠 」 相沢沙呼
美術本 「 へんな西洋絵画 」 山田五郎
の 3冊。
まずは ミステリー 2冊 から。
「 貴族探偵 」 麻耶雄嵩
本格ミステリーの 連作短編 で、全5編。
3年ほど前に 「 ドラマ化 」 されているので 知っている人は 多そう
ですね。
ちょうど その頃に 続編の 『 貴族探偵 対 女探偵 』 を読みました。
個人的に 麻耶雄嵩は 「 意地が悪い作家 」( 褒めてます )との
認識で、
本作も 「 探偵は 調査も 推理もしない 」、
「 代わりに 調査、推理 するのは 召使たち 」 と 人を食ったような
設定。
事件自体にも 「 地位を使い( 権力で ) 介入 」と 何だか
釈然としません。
しかし、内容的には ヒネリが 効いている 「 メルカトル鮎 」シリーズ と
違い、
意外と 普通の 「 本格ミステリー 」 でしたね。
( 『 ~女探偵 』は チョット 「 対決モノ 」っぽかった…ような )
1編目 「 ウィーンの森の物語 」
冒頭、“犯人” が 古典的な 「 糸を 使った 密室トリック 」を 企てる
“倒叙っぽい 始まり ” から 興味を 惹かれましたが、
まさかの 「 トリック失敗 」で 驚きましたね。
ここから 「 トリックは アレ かな? 」と 決め打ちして 読んだのですが、
「 深読みし過ぎ 」でした…。
普通に 面白かったけど、若干 説明が 雑 に感じたかな。
2編目 「 トリッチ・トラッチ・ポルカ 」
「 廃倉庫 で見つかった 死体には、“頭部” と “肘から下の両腕” が
無かった… 」という 事件で、「 アリバイ崩し 」な内容。
捜査する 刑事側に 気を取られ、
重要な要素を すっかり 失念 してしまいました…。
「 トリック 」は “キビシめ” に感じましたが、
作品の世界観を 鑑みれば 個人的には まあ、許容範囲かな。
( 「 トリック 」自体も “好み” だったし )
3編目 「 こうもり 」
老舗旅館に集った 人々の「 愛憎劇 と 殺人 」を 描いた内容。
これも 「 アリバイ 」系。
伏線は良かったけど、「 トリック 」自体は イマイチ…。
4編目 「 加速度円舞曲( ワルツ )」
不運が続く 女性 が運転する 車の前に 「 大きな石 」が 落ちてくる…。
偶然 通りかかった 貴族探偵 と共に 「 石があった家 」に 行くが、
そこには 死体が…。
という 話 で、「 “なぜ” 石を落としたのか 」 から 始まる
「 ロジカルな 推理 」に 脱帽しました。
内容的に 「 パズラー本格 」( マニア )っぽく なりそうな ところ
ですが、
不運な女性の 「 狂言回し的な 言動 」で 上手く 和らげていたし、
「 殺害現場の “なぜ” 」( オチ ) も 「 人間臭く 」 て、
「 ミステリー・ドラマ 」としても 普通に 楽しめました。
本書で 一番 面白かったかな。
5編目 「 春の声 」
別邸に 泊まった、令嬢の 花婿候補3人。
夜、ひとりの婿候補 から 「 人が殺された! 」との 電話を受け、
貴族探偵らが 別邸に向うと、そこには 婿候補3人 の死体が…。
さらに 別邸には 他に誰もおらず、周りに積もった 雪 にも
足跡は無かった…。
という内容。
さらに 調査が進むと 「 不可解な点 」が 噴出、
ミステリーらしい 困惑の展開 になるのが 楽しい。
こちらも 「 本格 要素 」が 強めな感じ ですが、
令嬢の従姉妹の 貴族探偵への 「 ツッコミ 」が 結構 楽しく、
「 婿取り 」を宣言した 祖父 の思惑も 気になり、ドラマとして
読み進め易かったですね。
「 真相 」は 入り組んでいる せいか、若干 気になるところも
ありましたが、納得度は 高く思えました。
ミステリー度が 高くて 面白かったです。
1~3編は 短編らしい “軽め” の内容でしたが、
4、5 編は 「 本格 」として 読み応えが ありましたね。
でも 麻耶雄嵩作品 としたら チョット味気ないかも?
「 medium( メディウム ) 霊媒探偵 城塚翡翠 」
相沢沙呼
本格ミステリー。
警察に 捜査協力している 推理作家の 香月史郎 は
「 死者の言葉を 伝える事ができる 」 “霊媒”、城塚翡翠 と出逢う。
┋
一方、巷では 証拠を残さない 犯人による、「 連続刺殺 事件 」が
起きていた…。
1話 から 4話( 最終話 )まで ありますが ( + プロ & エピローグ )、
“帯” の惹句 「 すべてが、伏線。 」 からも わかるように、
“一続き” の内容です。
「 本格・ミステリー 」としては 興味を引かれる 構成 ですが、
1話目が 凡庸な話 だったので、集中力が 低下気味に
なってしまいました…。
その後は 盛り返してきますが、
人物設定や、諸々の描写が かなり 気になって、
あまり ノレなかったです。
ですが・・・って事で、いろいろ 氷解し、
「 最終話 」は かなり 楽しめましたよ。
( ココも ノレない箇所が あったが、ちゃんと 意図があったので
まあ いいかな )
実在する 霊能者を モデルにした 海外ドラマ、
『 ミディアム 霊能者~ 』( パトリシア・アークエット 主演 )に
引っ張られたのも 「 プラスに 働いた 」かも?
あと、「 …自体は 変わっていない 」ってのは 新しかったですね。
ミステリーとしては “いろいろ推測” できましたが、
ミスリードも 効いていたし、悪くはなかったと 思います。
ただ、「 帯の惹句 」は 少し悪い方に 働いたかも…。
内容と関係ない ところで 「 オッ 」と 思ったのが、
「 死体の 肌 から 犯人の指紋を 採取した 」の箇所。
かなり前に 海外ドラマ 『 CSI : 科学捜査班 』 で やっていたので
知ってはいましたが、他の作品で 見かけたのは これが初( たぶん )。
ドラマ では たしか、
「 肌についた “指紋( の脂 )” は “肌の脂” と 徐々に 混じり、
消えていく 」 ため、
「 すぐさま 現場で 死体を囲い、薬品を噴霧して 検出 」 して
いましたが、
今では 普通に 検出する事が 出来るみたいですね。