「 スクリーム3 」 (米・2000)
サスペンス・ホラー 『 スクリーム 』シリーズ 3作目で、
シリーズ 完結編。
監督は 『 1 』、『 2 』 の ウェス・クレイヴン。
「 ウッズボロー事件 」( 1作目の事件 )を 映画化した
“ホラー映画・シリーズ” の3作目、『 スタブ3 』の 撮影現場で
再び惨劇が 起こる…という 内容。
( 『 スクリーム3 』より、
今作の 〔 お馴染み? 〕 “ゴーストマスク” の 殺人鬼 )
( 『 スクリーム3 』より、
「 さらに トラウマが 悪化した 」 主人公・シドニー 役の
ネイヴ・キャンベル )
( 『 スクリーム3 』より、そんな シドニー が見る 「 亡き母親の悪夢 」。
ちょっと 『 エルム街 』っぽい場面 )
「 3作目( 本作 )」で すでに 「 1作目を 基にした 3作目( 虚構 )」の 制作に 入っている
という 「 メタ 構成 」に 軽く 眩暈が 起こります。
「 『 スタブ3 』の 映画セットで 再現された “1作目の舞台” 」 から
漂う “作り物感” は 「 夢の中 」っぽくもあり、
『 エルム街の悪夢 』を 彷彿としますね。
( 『 スクリーム3 』より、『 スタブ3 』のセット )
( 『 スクリーム3 』より、『 スタブ3 』の セットで 1人佇む シドニー。
無人なのも 「 夢 」っぽい。
『 1 』の 「 テイタム 殺害 」時の “血” が見える )
( 『 スクリーム3 』より、
“セットの家” で シドニー を追いかける 殺人鬼。
今回の 殺人鬼は ○○ なので、ハードワーク気味 だし、
中盤早々 銃で 撃たれたりで 応援したくなる )
今回は 「 ハリウッドが舞台 」って事で
「 ハリウッドの暗部 」にも 切り込んでいる(?) 内容 なんですが、
今作も 「 エグゼクティブ・プロデューサー 」 は “あの” ワインスタイン なので、
今観ると リアルに 感じますね…。
「 メター・ホラー要素 」 としては 前回と 同じ 「 虚構が 現実 になる 」※
ですが、その度合いは 強まってます。
( ※ 『 エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア 』〔94年 未見〕 で
すでに やっているが、若干 構造が 違う…?)
最初に 少し書きましたが、
『 2 』 の「 序盤 」 同様、
「 本来 虚構 ( 映画 )である 『スクリーム 』シリーズ 」 と
「 それを 映画( 虚構 )化 した 『 スタブ 』 」の 関係性 で、
この現実 が “霞む” んですよね。
さらに 「 実在する ハリウッド 」が 舞台だし、「 1作目のセット 」や
「 登場人物 を 演じる 登場人物 」も 出るので
ますます 現実の “存在感” 無くなるんだよな。
この 「 ホラー・メタ 構造 」を 巧みに 映像化 した クレイヴン の手腕は さすがで、
そういう 意味では 「 メタ構造・ホラー 」の集大成 と言えるかも
しれません。
ホラーや サスペンスの 「 描写 や 演出 」は 十分 楽しめましたが、
『 1 』の前半、『 2 』 と比べれば “普通” かな?
個人的には 前作の “じっくり ホラー” が 良かった ので
チョット 残念な気も しましたが、
同じ趣向で マンネリ化 するよりは いいかな。
実際、 後半の 屋敷で起こる 「 スラップスティックな ホラー展開 」は
楽しかったしね。
あと、終盤の 「 対決 」も 今作は 盛り上がったな~。
( 『 スクリーム3 』より、
撮影所ならでの シチュエーションで 殺人鬼から 逃げる サラ )
今回は 前よりも 脚本で 物語を 引っ張っている 印象を 受けました。
「 “ボイス” 絡み 」の展開が 多い のは 少し気になりますが、
メインの 「 シドニーの母親の過去 」 と 「 殺人鬼の正体と 動機 」 や、
「 『 スタブ3 』の 脚本の 順番通りに 殺される? 」 などの
ミステリー要素には 心が躍りますね。
あと、「 ホラー3作目が 完結編だった時の スーパー・ルール 」 から
生まれる “ホラー・サスペンス” で 不安感も 高まります。
そして 終盤の シドニー と 殺人鬼の 「 立場の入れ替わり 」は、
「 メタ・ホラー 完結編 」に 相応しい展開 でしたよ。
( 『 スクリーム3 』より、ビデオで 登場の ホラーマニア、ランディ。
彼は “ホラー・3部作 完結編” の 「 ルール 」を 皆に教える。
ルール1 「 相手は 超人、頭部を 吹き飛ばせ 」
ルール2 「 主役が 犠牲者に なりうる 」 〔 シドニー、君だ 〕
ルール3 「 過去が 襲いかかる 」 )
( 『 スクリーム3 』より、撃たれた 殺人鬼。
デューイが 放った 銃弾は 殺人鬼に 命中するが、
殺人鬼は 姿を 消してしまう… )
( 『 スクリーム3 』より、終盤 シドニー が手に取った 「 アイスピック 」。
これは 『 1作目 』 での、
「 女だって殺すわ 『 氷の微笑 』 とか 」 → 「 アイスピック とは違う 」 の 会話から かな?
これで シドニー が “殺人者” になり、「 ルール1 」が適用 される? )
今作の 脚本家は 1、2作の K・ウィリアムソン から、
アーレン・クルーガー に 変わっています。
アーレン は 『 隣人は静かに笑う 』(99年)、
『 レインディア・ゲーム 』(00年 ベン・アフレック 主演 )、
『 スケルトン・キー 』(05年 “ミステリー強め” の オカルト・ホラー )※
を 書いている事から、
サスペンスや ミステリーが 得意そうなのが わかりますね。
『 スクリーム4 』(11年)も 結構 良かったし。
最近は 『 ゴースト・イン・ザ・シェル 』(17年) や 『 ダンボ 』(19年)を
書いてますが、「 ミステリー 」じゃないせいか(?) イマイチ…。
( ※ 『 スケルトン・キー 』
『 ヘレディタリー 継承 』(18年) が 個人的に 意外と “普通” だった
のは、この作品があったから…だと 思ってます )
毎回 気になる デューイと ゲイルの 恋愛模様 ( ラブコメ )※も
『 スタブ3 』の“ゲイル” 登場で、「 奇妙な 三角関係 」 になるのが 楽しい。
( ※ 『 2 』の時にも 書いたが、2人は 99年 結婚する )
( 『 スクリーム3 』より、再会した ゲイル 〔 コートニー・コックス 〕 と デューイ 〔 デヴィッド・アークエット 〕 )
( 『 スクリーム3 』より、
『 スタブ3 』の“ゲイル” 〔 左 〕 と ゲイル 〔 右 〕 )
その デューイ&ゲイル は、
「 過去の トラウマ 」 で 山に 引きこもる シドニー の 代わりに
前半 話を進める 役どころ で、
それ以降も 中心的に 活躍するので “ほぼ主役” と いって いいかも。
最後の シドニー の場面は、
「 自然に 開く ドア 」で“不穏さ” を 醸しつつも、
分かり易い 「 トラウマ解消 描写 」 でもある演出で 見事な締め方
でしたね。
ここから 俳優陣。
( 『 スクリーム3 』より、冒頭の リーヴ・シュレイヴァー 演じる コットン。
番組を持ち、調子に乗っている コットン だが、
恋人を 助けに行く 姿 は 結構 カッコイイ。 殺されるけど… )
( 『 スクリーム3 』より、
刑事・キンケイド 役の パトリック・デンプシー。
どっかで 観たと 思ったら ドラマ『 グレイズ・アナトミー 』〔 未見 〕 や、
『 魔法にかけられて 』〔07年〕 に出てましたね )
( 『 スクリーム3 』より、
『 スタブ3 』の “シドニー” を 演じる アンジェリーナ 役は
エミリー・モーティマー。
こちらも 観たことある と思ったら
ドラマ『 ニュースルーム 』 の マッケンジー でした。
「 こっちの “シドニー” は 生き残れるのか?」 は、
地味~~な 見どころ )
( 『 スクリーム3 』より、
「 キャリー・フィッシャー に 瓜二つ 」な保管室 担当の ビアンカ。
演じるのは もちろん、キャリー・フィッシャー 本人 )
( 『 スクリーム3 』より。
左から ロマン監督と プロデューサー と エグゼクティブ。
真ん中は ランス・ヘンリクセン で、 右は ロジャー・コーマン )
ケヴィン・スミス監督作の 脇役 2人、ジェイ&サイレント・ボブ。
ボブ 役( 左 )は 監督自身。
「 WIKI 」によると、後ろの 男は クレイヴン監督 のようだ )
『 3 』は 3回目の鑑賞 だけど、変わらず 楽しめたな~。
特に 「 終盤の展開 」や 「 デューイと ゲイルの “男女の機微” 」は
前に 観た時よりも 面白く 感じましたね。