「 スクリーム2 」 (米・1997)
ウェス・クレイヴン 監督の 『 スクリーム 』(96年) の続編。
脚本も 同じ ケヴィン・ウィリアムソン。
前作から 2年経ち、大学へ進学した 主人公・シドニー が、
再び 殺人鬼に 襲われる話。
1作目で 「 母親が殺された トラウマ 」 を解消?したと 思ったら、
「 シドニー自身が トラウマを負っている 」設定 で、
「 ホラー映画の “業” 」を 感じますね。
( 『 スクリーム2 』より、序盤の “ゴーストマスク” の 殺人鬼 )
( 『 スクリーム2 』より、主人公・シドニー 役の ネイヴ・キャンベル )
前作よりも 殺人も 増えている※し、サスペンス演出も 良かったな。
( ※ ホラー・マニアの ランディ が 唱える 「 ホラー続編 ルール1 」。
ルール2 は 「 血生臭い 殺人 場面 」 )
上映時間は 121分 と “長め” ではありますが 、
その分 「 ホラー描写 」が 丁寧に 描かれているので、
個人的には 気には なりませんでした。
前作で 顕著だった 「 ホラー・メタ 構造 」は 序盤( OP ) だけ。
その序盤の 場面は、
“実話( 1作目 )を基にした” 映画、『 スタブ 』の 「 最初の殺人場面 」 が スクリーンに 流れ、
それを 観客たち が見ている…という 描写 ですが、
「 『 スタブ 』 が “映画” 」 なので 「 1作目が “実話”( 現実 )」 に
なり、
本当の現実 が “薄く” 感じるんですよ。
でも、この 「 実存 」 が 薄まる 感覚は 心地良くも ありました。
( 『 スクリーム2 』より、上映されている 『 スタブ 』の 序盤 )
( 『 スクリーム2 』より、
『 スタブ 』 で 殺人鬼 に襲われる “ケイシー” )
( こちらは 前作『 スクリーム 』の ケイシー。
よく見ると、マスク・デザイン が チョット 違ってますね )
その後は 結構 オーソドックスな 「 ホラー・サスペンス 」の展開。
前作を 踏まえての 「 誰もが怪しい 」、 「 次の 被害者は誰? 」 な状況 は、
「 ミステリー(・ホラー)好き 」 としては たまりません。
そんな中 繰り広げられる、
デューイと ゲイルの 恋愛模様( ラブコメ )※も 味わい 深い。
( ※ デューイ 役の デヴィッド・アークエット と、
ゲイル 役の コートニー・コックス は 99年に 結婚。
今は 別れてるけど… )
( 『 スクリーム2 』より、デューイ と ゲイル。
ゲイルは 「 ウッズボロー事件 」( 1作目 )を 書籍化、
それを 映画化 したのが 『 スタブ 』という 設定 )
「 ホラー描写 」は 個人的には 全部 楽しかった。
程よい “じっくり サスペンス” で 緊張感を 高めている ので、
その後の 「 殺人鬼 襲撃 」も 盛り上がります。
「 スラッシャー 」 として 少し 珍しく思えたのが 「 広場 での 殺人 」。
サスペンスで たまに 見かける、「 電話を掛けている 人物 捜し 」
なんですが、
そこから 「 惨殺者 」が出るのが イイですね。
あと、「 鏡を使った 間接的な 殺害 描写 」 の演出( 雰囲気 )も
良かったな~。
( 『 スクリーム2 』より、車の サイドミラーに 映る 殺人鬼。
「 鏡 」を使った 「 殺人演出 」には 心がときめく )
特に 楽しかったのは、後半の 「 殺人鬼に襲われる ゲイル 」の場面。
入り組んだ 「 映写室の裏 」 で繰り広げられる 「 逃げ隠れ 」 は
かなり スリリング で、
その顛末も 悲しいけれど、( 前作の後半を 思い出し )笑えます。
その後の 「 シドニー 」の くだり も、
「 ハデな アクション からの 静寂の サスペンス 」( 動 と 静)、
2つの違った 緊張感が 楽しめましたね。
まあ、最後は “普通” だったけど…。
あと、前作同様 「 犯人の告白 」が 少し 長いんだよな。
( 『 スクリーム2 』より、映写室裏 での かくれんぼ )
( 『 スクリーム2 』より、事故った車から 脱出を 試みる シドニー。
殺人鬼 は 気を失っているが… )
( 『 スクリーム2 』より。
ちなみに 護衛( 運転手 ) は パイプが 頭に刺さって 死亡 )
ここからは 俳優陣。
( 『 スクリーム2 』より、
『 スタブ 』の 上映会場で 殺される モーリーン。
シドニーの母親と 名前が 似ていたため 殺される事に。
演じる ジェイダ・ピンケット・スミス は
『 マトリックス リローデット 』 と 『 ~レボリューション 』 の ナイオビ。
映画に 向って 「 逃げなさい 」 と、ツッコミを 入れる姿が カワイイ )
( 『 スクリーム2 』より、
『 スタブ 』 の “ケイシー” 役は ヘザー・グレアム。
『 ツインピークス 』 の
ノーマの妹で、クーパー捜査官の恋人、アニー だが、
『 ブギーナイツ 』(97年)の ローラーガール の方が 記憶にあるか )
( 『 スクリーム2 』より、シドニーの彼氏・デレク。
演じる ジェリー・オコンネル は 『 スタンド・バイ・ミー 』(86年) の
主人公 少年の1人、バーン 〔 死体情報を 盗み聞きした 〕 )
( 『 スクリーム2 』より。
「 オメガ寮 」で 殺される シーシー( ケイシー ) を演じるのは
サラ・ミシェル・ゲラー。
この年は 『 ラストサマー 』にも 出てますが、
『 THE JUON 呪怨 』(04年)の 主人公の方が 馴染みが あるかな )
( 『 スクリーム2 』より。
釈放された コットン 役は リーヴ・シュレイヴァー。
前作は 出番が 数秒しか なかったが、
今作では 有名になるため シドニーに 接触するなど、
地味に 嫌な〔 怖い 〕ヤツ として、出番も増えていて なんだか 嬉しい )
『 1 』、『 3 』 と比べると “「 メタ 」の度合い” は低いですが、
ホラー・エンタメ度は 高いので 面白いですね。
個人的には 「 好みの 作風、ホラー描写 」 で シリーズで 一番好き
かな。