「 白蛇抄 」 (日・1983)
伊藤俊也 監督、 小柳ルミ子 主演の 人間ドラマ。
2年前に 「 滝に 身を投げた 女性 」 うた は、
華蔵寺の住職・懐海( えかい )に救われ、 そのまま 後妻として 寺 で 暮らしていた。
懐海の息子、昌夫 は うた に好意を 抱いているが、
刑事の 村井 もまた、うた に惹かれていて…。
うた 役、小柳ルミ子。
懐海 役、若山富三郎。
昌夫 役、杉本哲太。
村井 役、夏木勲。 ( 夏八木勲 )
まつの 役、仙道敦子。
映画本『 怖い、映画 』 の、
「 エロいと思ったら怖かった 」の章 で 紹介されていて※
気になってました。
( ※ 他は、『 メイク・アップ 』〔77年 リメイク版は観た 〕、
『 ポゼッション 』〔81年 “タコ” 〕、
『 スキャンダル 愛の罠 』
〔85年 ラウラ・アントネッリ主演 脚本に L・フルチ の名も。
多分 観たけど 忘れてる… 〕 )
妖艶な女性、うた と 3人の男 が 繰り拡げる 「 愛憎劇 」 に、
「 うた の遠縁にあたる 少女 」で、華蔵寺に 引き取られた まつの が チョットだけ 絡む? 「 愛欲のドラマ 」。
まあ、簡単に言えば 「 愛欲( エロ )で 男が 狂う 」話 でしたね。
( 『 白蛇抄 』より、うた 役の 小柳ルミ子 )
うた に 心底惚れている 住職・懐海 は 「 高齢で 寝たきり 」。
ですが 今だ 好色かつ 現役? で、夜な夜な うた を抱いています。
うた には ( 介護もあり )とりあえず 「 死ぬまでは 居てほしい 」 らしく、
その 「 女性 」( 性 )への執着( 坊主なのに… )が 切なくも 滑稽。
その息子、昌夫は もうすぐ 高校を卒業し、
その後 「 京都の寺 」に 入山 する事に なっています。
そんな 昌夫は うた に好意を抱いて、嫉妬と 性欲から
「 懐海と うた の行為 を “覗いている” 」んですね。
さらに 出かけた うた を 「 オフロード・バイク 」で 付け回したり、
入山後は 「 電話魔 になった 」りと 粘着質な性格で、かなり 怖い…。
そんな 昌夫を 「 好き 」 になるのが、
懐海に 引き取られ 寺にやって来た、15歳の まつの。
昌夫が 「 覗き 」をしている事も 知ってるのに 「 好き 」ってんだから
本気度が 伝わってきます(?)。
一方、刑事の 村井 は 「 刑事の職権 」を使い、
「 うた の 過去を調べ… 」 と、こちらも ストーカー気味。
終いには 「 うた の 秘密 」も暴いちゃうほどで、その 執念が 恐ろしい。
当の本人 うた は、なんだか “煮え切らない” 感じ。
「 男は 愛欲 」 で “苦しむ”( 狂う )事に なるけど、
うた もまた 「 愛 」で “苦しんだ” と わかってきます。
でも、こちらは 「 喪失 」による 「 悲しみ 」で “狂う” んですね。
タイトルバック は 「 川を流れる 白蛇の “脱皮の皮” 」。
これは、期せずして 「 昔の自分を 捨てる事になった うた 」 を
表していると 思いますが、
そもそも 「 悲しみの あまりに 死に急いだ 」 うた を思えば、
今の うた の本質は 「 蛇 本体 」ではなく、「 脱皮の皮 」の方と
言えるかも しれません。 ( 文字通り “抜け殻” 状態 )
そんな うた からは 「 愛の喪失 」を 再び 味わいたくない気持ち
や、
自分のせいで 人を 悲しませたくない 想い が窺えます。
そんな “喪失の苦しみ” とは 裏腹に、
うたは 再び 「 愛(?)に 溺れる 」事に なりますが、
その事で 「 生き生き 」 としてくる うた の姿 は まるで
「 脱皮の皮 」の内側 から 「 血肉 」が再生し、復活した 様にも
見えます。
この「 愛 」は、「 本心 」 又は 「 慰め 」から なのか、
「 本能から生ずる “生”( 性 )」 なのか、一種の「 逃避 」 なのかは
わかりませんが、
その “生” の結果、 皆の 「 愛への 執着、嫉妬、妄執 」※が 強まり、
皆が オカシクなる( “死” に繋がる ) のは 皮肉に 思えましたね。
( ※ 「 愛 」 には 「 独占 」の面も あるのだ )
ここからは 画像。 ( ほぼ ネタバレ )
( 『 白蛇抄 』より、寝たきり 住職、懐海 役の 若山富三郎 )
( 『 白蛇抄 』より、
華蔵寺に 引き取られた まつの 役の 仙道敦子〔 左 〕と、
住職の息子・昌夫 役、杉本哲太〔 右 〕 )
( 『 白蛇抄 』より )
懐海 は夜、うた を抱いているが〔 舐めるだけ?〕 その現場を…
( 『 白蛇抄 』より )
うた に好意を持っている 息子の昌夫 が 覗いていた…。
もちろん、バレバレ…。
後に うた に注意される 場面は こっちも ハズカシイ。
( 『 白蛇抄 』より、ムササビ )
( 『 白蛇抄 』より )
一方、刑事の 村井も うた に 「一緒になろう 」と 猛アプローチ。
うた は 「 忘れてください うちはもう 死んだ女どす… 」 と答えるが、
「 死んだ死んだ 言うてるが、それにしては 日毎に 色っぽくなってる
やないか~! 」
と、うた に詰め寄る 村井 であった。 メンドクセーな…。
( 『 白蛇抄 』より )
昌夫は うた が 留守の時、うたの部屋に 侵入、
タンスから 下着を取り出し、 クンカクンカ し…
( 『 白蛇抄 』より )
股間を 熱く 塗らし…
( 『 白蛇抄 』より )
その後、少し経って 帰って来た うた を巡って、親子ゲンカ が勃発。
早く着替えろよ…と思ったのは 言うまでもない。
( 『 白蛇抄 』より )
その後 うた にすがる 懐海も 面倒くさい…。
( 『 白蛇抄 』より )
村井は 「 滝つぼ 」から 発見した 「 うたの死産した子供 」を ネタに
うた を呼び出し 脅迫する…が、昌夫に 助けられる。
( 『 白蛇抄 』より )
そのまま 昌夫と 逃げた うた は、彼と関係を 持つが、
終わった後 昌夫は 「 一緒に 寺を 出よう 」と 発言、うた を困らせる。
これだけでも ウザいのに、 うた に 「 亡き母 」を 重ねているという、
こじらせ もあって、かなり 面倒くさい。
( 『 白蛇抄 』より )
一方 まつの は、寂しさに 耐えられなかった?懐海に いきなり襲われるが、 蹴っ飛ばして 難を逃れる。
( 『 白蛇抄 』より )
それ以来、関係を続けている うた と 昌夫。
それを 覗きに来た 懐海を 昌夫が 蹴っ飛ばし、殺してしまうが、
偽装工作で 誤魔化す事に 成功。
その後、互いに 別れを 惜しみながらも 昌夫は 「 京都の寺 」に
入山。
しかし、昌夫は 「 うた( 亡き母 )への想い 」から “電話魔” になり、
うた は ノイローゼ気味に…。
( 『 白蛇抄 』より )
一方、昌夫は 「 うた 恋しさ 」のあまり チ○コ で障子に穴を開ける
のだった…。
この、リビドー溢れる描写 は、
鬼気迫る 杉本哲太の表情と 相まって 最高に 怖・面白い。
( 『 白蛇抄 』より )
うたへの執着で 「 偽装工作 」を見抜いた 村井は、
再び うたと 寝ようとするも、
いろいろあって 結局は うた から 滝へ落とされ 死亡…。
( 『 白蛇抄 』より )
我慢の限界に達した 昌夫は、「 京都の寺 」を 飛び出し、
バイクを 飛ばし、 華蔵寺に 帰って来る。
うたを探す 昌夫に まつの は 「 昌夫さん なら なにしてもええ 」 と、
スカートを脱ぎ 横たわる という、 これまた 面倒くさい 行動 にでる。
が、あっさりフラれる…。 ( まつの は “母代わり” にはならない のだ )
「 格好悪い ふられ方 」とは こんなのを いうのだな…。
( 『 白蛇抄 』より )
うたを 見つけた 昌夫は うたに 子供の様に 縋りつく が、
うたは 逡巡の後、
「 京都に 帰りなさい うちは ここを出るさかい 」 と言う。
昌夫の 「 なんでや 村井か!」 との問いに、
うた は 「 村井の ところに行く 」 と ウソ をつき、
昌夫 は 「 人を おもちゃに したんか 」 と 憤慨、
うたが 持った ナタ の取り合いになる。
うた の 「 あんたを 嫌いに なったんじゃ 」の 言葉に 激怒した
昌夫は 奪った ナタ を うたに 振り下ろす…。
( 『 白蛇抄 』より。
2人を 捜していた まつの は、お堂 で 亡くなっている 2人を発見。
( 『 白蛇抄 』より )
その光景を見て まつのは 寺に火を付け、 走って 下山、
燃え盛る 炎 を 眺めるのであった…。 ( 終 )
というわけで、「 愛( 欲 )」で 皆 オカシク なり、
「 大人たちは 全員死亡 」という 結構 衝撃的な 結末 でした。
今作は 小柳ルミ子( のエロ )が 話題になったみたいですが、
男たちの 「 煩悩( エロ )」の方が 強烈だったな~。
その 男3人が ちょうど 「 若年 」、「 中年 」、「 老人 」となっていて、
それぞれ違う 「 エロっぷり 」 なのも 面白い。
あと、最後の まつの の行動も 唐突で 笑ってしまいますね。
傍から見ると 滑稽に 思えますが、
そもそも 恋愛時は「 脳内物質 」により 判断力が鈍る ので
( ここまでには さすがに ならないが )誰の身にも 起こりうるんですよね。
( 「 愛憎のもつれ 」 から 起こった 殺人も たまにあるし… )
役者陣は 個人的には 杉本哲太 が 最高でしたよ。
画像で 挙げた 意外にも、
昌夫が 「 オフロード・バイク 」で 華蔵寺の階段を グォングォンと
駆け上がる 描写は、
「 想い 」を 超えて、「 恐怖 」を感じる程 で、小柳ルミ子( のエロ )も 吹っ飛びますね。
というわけで 予想の斜め上を行く 「 愛で狂う 」話で、
かなり 楽しめた作品 でした。




















