7月に 読んだ本 は、
本格ミステリー 「 ブルーローズは眠らない 」 市川憂人。
本格ミステリー 「 密室殺人ゲーム王手飛車取り 」 歌野晶午。
本格ミステリー 短編集 「 メルカトルかく語りき 」 麻耶雄嵩。
の 3冊。
まずは 最初の 2冊。
「 ブルーローズは眠らない 」 市川憂人
本格ミステリー作品。
「 マリア & 漣 」 シリーズ の 2作目。
1作目、3作目 は 読んでます。
両親の虐待で 家を飛び出した 少年・エリック は、
遺伝子研究を 行っている テニエル家 に保護され、そのまま 助手
として 住み込むことに…。
┋
クリーヴランド牧師 による、不可能とされていた 「 青いバラ 」の
作出成功の 発表後、
テニエル博士 からも 「 青いバラ 」が 発表される。
F署の刑事・マリア のもとに P署の刑事・ドミニク から、
「 フランキー・テニエル博士に 探りを入れてもらいたい 」 との依頼が
あり、
詳細を 知らされないまま 博士、次いで 牧師 を訪ねた マリアと 漣。
面会後、ドミニク に簡単な報告をした マリアたち であったが、
翌日 テニエル博士 が殺害され…。
パラレルな世界の 1983年が 舞台で、
エリックの話 「 プロトタイプ 」 と マリアたちの捜査 「 ブルーローズ 」、2つのパート から 成っています。
「 科学技術 」 が 重要な要素 なのが この作品の特徴で、
今回は タイトル通り 「 青いバラ 」作出 です。
前半 語られる 「 青いバラ は 何故 存在しないか 」※ の話が
興味深かったですね。
( ※ ネットでも 解説記事が ありますが 超簡単に 書くと、
植物の色を 担うのは 「 アントシアン 」 という 物質で、主に
ペラルゴニジン( 黄 )、 シアニジン( 赤 )、 デルフィニジン( 青 )
の 3種類がある。
デルフィニジン で 安定的な青色を 発現する には
「 金属イオン 」 と 「 コピグメント 」( 補助的な分子 らしい )が必要
だが、
バラ には デルフィニジン を 合成する能力が無く、
「 金属イオン 」、「 コピグメント 」も 無い。 …という事のようです。
現実では 「 サントリーフラワーズ 」( 共同開発 )が 完成させてます )
「 ミステリー 」 としては、
テニエル博士と クリーヴランド牧師、それぞれが 作出した
2つの 「 青いバラ 」の関係、
( 名称は 「 深海 」( Abyss )と 「 天界 」 で “色合い” も全然 違う )
「 窓が バラの蔓(つる)で 覆われた 温室 」( 密室 )で 発見された、
テニエル博士の “首” と、学生を 拘束し、温室に入れた 意図、
屋敷の火事現場で 発見された 「 日記 と 殺人事件 」の関係 と、
多めで 読み応えが ありました。
私は 「 犯人当て 」は 全然ダメ で、
「 真相 」の方も かなり深読みして しまいましたね。
( 上手い事 騙された…のかな )
気づいた所も ありましたが、あの “正体” は キビシイ ですよ…。
トリック は 「 密室 」 より、“もう 一つの方” が 素晴らしかったです。
「 密室殺人ゲーム王手飛車取り 」 歌野晶午
本格ミステリー で、連作短編っぽい感じ でした。
歌野晶午作品は 5冊ぐらい?しか 読んでませんが、
その中では ( 有名ですが )「 葉桜の季節に君を想うということ 」 が
一番 面白かったですね。 ( タイトルがイイ )
今作は インターネット上で、
ハンドル・ネーム 「 頭狂人 」( とうきょうじん )、「 044APD 」、
「 aXe 」( アクス )、「 ザンギャ君 」、
「 伴道全教授 」( ばんどうぜん きょうじゅ ) の 5人が、
現実世界で 殺人を起こし、他のメンバーが それを 推理する という、
結構 悪趣味な ミステリー です。
“ゲーム” の性質上、犯人は わかっているので、
「 トリック当て 」がメイン。
初めの 「 Q1 」 は、「 ミッシング・リンク 」 ですが。
その 「 Q1 」(1章?) 「 次は誰を殺しますか? 」 は、
タイトル通り 「 次の被害者 当て 」。
面白かったのですが、“そっち系” は 馴染みがない ので、
驚き としては 低め でした…。
しかし、「 Q3 」 の 「 生首に聞いてみる? 」※ や、
(※ 死体の “体” は 公園で、 “首” は 自宅アパート で発見。
しかし 道路工事の作業員は “怪しい人” を見ていない…。
“首” の・・・が 凄かったな~ )
「 Q5 」、「 求道者の密室 」※ は、
(※ 塀に囲まれた 住宅地 「 やすらぎの丘 」の家で 起こった
「 密室殺人 」。 犯人の侵入と 脱出方は? )
“推理ゲーム” らしい 「 トリック重視 」 な “殺人” で 楽しめましたし、
“設定” を 巧く 活かした “展開” も 良かったですね。
ただ、最後も “ミステリー” で 締めて 欲しかったな…。