残り 1冊。
「 メルカトルかく語りき 」 麻耶雄嵩
“銘”探偵 「 メルカトル鮎 ( と 美袋 )」シリーズ の
本格ミステリー 短編集。
前の短編集 「 メルカトルと美袋のための殺人 」 とは 少し趣向 が 異なっているかな?
個人的には 「 本格ミステリー・“落語” 」 の印象を持ちましたね。
( 「 あとがき 」 でも “オチ”って書いていたし )
1篇目の 「 死人を起こす 」 は、個人的に
事件も オチも イマイチ だったので、少し 不安でしたが、
その後の 3作品は 本格としても 面白く、 オチ も良かったですね。
( 5編目は 他と ちょっと 違う )
2編目の 「 九州旅行 」 は、
美袋のマンションで 起こった殺人事件 の話。
美袋の小説が 保存されている HDD を 消した メルカトル が、
その代わりの 「 小説の ネタ提供 」 として、
同じ階の部屋で 人が殺されている のを 発見する…という、
ご都合主義 展開。
倒れている 被害者の 左手には “何か” を握った 跡 があり、
右手には 「 油性マジック 」 が握られていて、
「 ダイイング・メッセージ があった 」と推測 できるのですが、
マジックの キャップは ついたまま。
この キャップ を付けたのは 犯人、被害者 どちらか?
そして その理由は?…が 「 謎 」 になるんですが、
それに 「 メルカトルの ネタ提供 」 と、「 ささやかな 美袋の計画(?)」 が絡み、恐怖の結末? に…。
4編目 「 答えのない絵本 」 は、
放課後の学校で 起こった 「 物理教師の 殺害事件 」 の “顛末” を
描いています。
放課後の 生徒たちの 「 群像・青春模様 」は 読んでいて 普通に
楽しい。
生徒の人数が 多めで、各自 移動もしているので 「 アリバイ表 」が
あり、
その「 表 」 と、生徒たちの 「 情報 」 から 犯人を 推理する、
「 本格度 高め 」 の内容。
なんですが…。
「 あとがき 」 によると、最初に 書いたのが この作品 で、
今作を 「 額面通りに 受け取ってもらうため 」 に、
他の 3編 ( 「 死人を~ 」、「 九州旅行 」、「 収束 」 )を書いて、
短編集としたようです。
3編目 「 収束 」 は、
宗教者 から 「 “祝福の書” の取返し 」 と
宗教団体に 潜り込んだ 「 娘の連れ戻し 」 のため 孤島に行った
メルカトル&美袋 が 「 “連続” 射殺 事件 」 に遭遇する話。
書のある 「 聖室 」 での 「 “何者か” による工作 」 と、
「 信者たちの身長 」 から、
論理的に 容疑者を 導き出す くだり は 本格的。
…なんですが、始めに 書かれている
「 パターン違いの 3つの “自殺偽装” 」 が・・・となる ラストに 絶句…。
「 あとがき 」 によると、4編目「 答えのない絵本 」 の “縛り” が
上手くいった 作品のようです。
5編目 「 密室荘 」 は、
「 メルカトルの別荘 」 で 起こった 密室殺人の話。
30ページほどの 短編で、 先の4作品とは 違った感じかな?
別荘の地下に “男の死体” が出現、別荘は 「 密室 」 で、
滞在者も メルカトル と 美袋 の2人だけ…という 不穏な 設定…。
どちらかが 犯人 なので(?)、「 2人の 対決の様相 」 に なるんですが…。
結末は 何となく わかりますね~。
麻耶雄嵩 らしい “ヒドい話” で 面白かったです。
特に 好きなのは 「 九州旅行 」 と 「 収束 」 かな。