今月は 3冊。
連作短編ミステリー
「 お前の彼女は二階で茹で死に 」 白井智之
短篇集 「 妻が椎茸だったころ 」 中島京子
本格ミステリー 「 東京結合人間 」 白井智之
まずは 1冊目。
「 お前の彼女は二階で茹で死に 」 白井智之
連作短編の 本格ミステリー で、全5編(話)。
エロ・グロ な 作家性を持つ 著者ですが、
今作も かなり 不快・不愉快な 描写や展開が 多くあります。
相変わらず 情報量( 伏線 ) が多く、その伏線回収に 唸りますね。
あと 作為的な設定も あるんですが それもまた イイ味 です。
( 嫌いな人も いそうですが。 私は慣れました )
1話目 「 ミミズ人間はタンクで共食い 」
体色が 「 赤紫色 」で生まれ、後に 「 縞模様 」 になる 遺伝子 を持つ者は 「 ミミズ 」 と 呼ばれ 差別されていた。
「 ミミズ 」の ノエル は 自殺しようとするが、最後に 女性を 犯そうと
考え、女子中学生の後をつけ、家に侵入する。
しかし、家には 中学生の他、母親と 幼女も いた。
3人のうち ノエル が 選んだのは…。
┋
刑事の ヒコボシ は、「 整形外科の女医の家 」 で起きた
乳児が 肉食性の “ミズミミズ” の水槽で 死んでいる事件 を担当する事になるが、 彼は その女医を 知っていた。
さらに ヒコボシには ある秘密があり…。
初っ端の ノエル の 鬼畜っぷりに げんなり します。
でも、その ノエル の ( リドル・ストーリー的な )話と、
「 乳児殺害 」 の 繋がりが 気になるんですよね。
ミステリーとしては 「 殺害動機 」 のほか、
乳児の死体を “ミズミミズ” に 食べさせた理由 があるんですが、
その顛末は…。
2話目 「 アブラ人間は樹海で生け捕り 」
樹海を さまよう ノエルは 2人の少女 を見かけ、
死ぬ前に もう一度 どちらかを犯そう、と考える…。
┋
樹海近くの 村の料理屋で 起こった 「 毒殺事件 」 を 担当する事に
なった ヒコボシ だが…。
この話も 序盤が ヒドイ ですが、
「 肛門に コバルト製のボール を 突っ込む 」教義 を持つ 宗教が
出てきて 唖然とします。 ( 序盤の 少女の1人も その信者 )
さらに 監禁されている “男性器から 油脂 がでる” 「 べとべと病 」の男 も 出てくるし、 その 油脂の用途 も…と、結構 悪趣味。
しかし、事件の真相は 面白いし、序盤の ノエルの くだり の
組み込み方 も 上手いです。
3話目 「 トカゲ人間は旅館で首なし 」
温泉旅館に来た ノエル は、深夜 2人の女性 を見かけ、
どちらを 犯すか 逡巡する…。
┋
温泉旅行に 出かけた ヒコボシ だったが、旅館で 殺人事件が
起こり…。
序盤が…。
今度は 「 密室 」、「 死体切断 」、「 2つの殺人 」と 盛りだくさん。
さらに 被害者は、
脱皮みたいに 皮膚が 剥がれる 「 トカゲ病 」 を持っている、
という 特殊設定も あり、結構 複雑。
強引な感じも 受けましたが、面白い 推理ではありました。
その後の 以外な展開 が 良いし、続く 終盤の展開にも 驚きましたね。
4話目 「 水腫れの猿は皆殺し 」
劇団 「 水腫れの猿 」 を訪ねた ノエル。 彼には ある目的 があった。
タイトル通り な 話です。
「 エンタメ・ミステリー的 」な ケレン味 溢れる( 結構 強引な )展開に
なります。
やり過ぎな感じ を受けましたが、それでも 連作短編らしい構成 が
見事。
一応、少しだけ イイ話…なのかな?
最後 「 後始末 」
ここでは ある出来事の真相 が 明らかに…。
個人的には 最後の展開 が、
映画 『 スクワーム 』(76年。 多分、元ネタ ) を 思わせる 描写で
笑ってしまいましたね。
単体で 見た場合、本格として 一番 面白かったのは
少し 麻耶雄嵩 を彷彿とさせる 最初の話 で、
2話目の 「 毒殺事件 」 も かなり 好き。
3、4話は、面白くは ありましたが、ミステリー的には 強引な部分が
多かったですね。
個人的には 楽しめましたが、人を選びそうな内容 だし、
気になる所も 少し多めで 薦めヅライ 作品かな。