5月 読書、残り 2冊。
「 妻が椎茸だったころ 」 中島京子
短編集 で 全5編。
『 小さいおうち 』 は 映画は 一応 観てます。
あまり 興味がない 作家ですが この作品、
15年1月 『 ミステリ・マガジン 』 の、「 わたしのベスト10 」 で
某・大学サークル が 7位 に していたんですね。
それだけでは 食指は 動かないんですが、
1位 が 吉村萬壱 の 『 ボラード病 』 だったんで チョット 気になって
たんですよ。
まずは “非ミステリー” 作品から。
3編目の 表題作「 妻が椎茸だったころ 」 は、
亡き妻 が予約していた 「 大人気 料理教室 」に 夫が 行くことになる話で、
「 料理 」 によって 亡き妻と 過去の記憶で 繋がり(?)、
未来にも 繋がっていく?
不思議な味わいの作品…でいいのかな?
前半の 夫の心情が 面白かったですね。
4編目 「 蔵篠猿宿パラサイト 」 は
個人的には 異類モノ の「 恋愛譚 」…かな。
「 パラサイト 」 は 「 寄生 」ではなく、
「 パラサイト隕石 ( 石鉄隕石 ) 」 の事。
「 “石”好き男 」と出会う 女性 の話で、
ほのかに漂う 怪しい雰囲気が 結構 良かったですね。
最後は “魅入られた” んでしょうか。
あと、前に 『 ホフマン短篇集 』 を 読みましたが、
その中の 1篇、『 ファルーン鉱山 』 の話が 少し出ていたのが
チョット 嬉しかったですね。
( もう一本 は ラヴクラフト の 『 宇宙からの色 』。 こちらは 未読 )
5編目 「 ハクビシンを飼う 」 も、
現代版?「 異類婚姻 」な話…かな。
亡くなった 叔母の家 を訪ねた 女性が、謎の青年 から 「 叔母の事 」を聞く話。
なんてことない 「 異類恋愛譚 」 ですが、視点が 変わるだけで
チョット新鮮な感じを覚え、意外と 好き。
「 ミステリー 」? としては 最初の 2編が 面白かったですね。
1編目 「 リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出会い 」
米国に 留学していた 佐知枝は、ひょんなことから ダイナー で
足止め となるが、
客の老女、リズの家 に 泊めて もらう事に なる。
その リズは 5回 結婚した らしいが…。
佐知枝は リズ から 夫たち の話を 聞くことになるんですね。
結構 赤裸々な 内容 みたい ですが、
英語力の 関係で 聞き取れない所 も しばしば あります。
「 ホラーで ありそうな 設定 」 だったので、それっぽい展開 を
期待して いたんですが…。
最後で “今までの話の内容” が わかり、ニヤリとしましたね。
2編目 「 ラフレシアナ 」
立花一郎 に 恋人が 出来たことを 聞いた 亜矢。
彼女は、近くに住むが “親しくはない” 立花から 2週間、
植物の 「 ネペンテス・ラフレシアナ 」 の世話 を頼まれたことが
あった。
数日後、立花と 恋人を 見かけた 亜矢 だったが…。
「 ネペンテス 」( ウツボカズラ )は 「 食虫植物 」 なので、
てっきり “それっぽい”展開 に なるのかと 思ったり、
あれこれ “恋人” も 想像したんですが、全然 違いました。
後半くらい から チョットした “引っ掛かり” を 感じたんですよね~。
最後に その “引っ掛かり” ( と、前半の… )の理由が わかって
スッキリ。
ドラマ 『 世にも奇妙な~ 』 で やりそうな 話で、
個人的には 「 ちょっとだけ 本格風 」な 感じだったかな。
後半の、少し 「 歪さ 」 を覚える 雰囲気が 楽しかったし、
ミステリー的な 納得度 も高く、一番 面白かった作品 ですね。
総ページ数 も 172ページと 少ないので 気軽に読めるかな。
「 東京結合人間 」 白井智之
本格ミステリー。
大樹( ヒロキ )と 千果( チカ )は “結合” し、「 結合人間 」 になるが、
稀な確率で 起こる “嘘がつけない 結合人間” 「 オネストマン 」 に
なってしまう…。
┋
少女売春の斡旋 で 稼いでいる ネズミ、ビデオ、オナコ の3人は、
弱った 少女・栞 を 監禁する 羽目になる。
3人は 栞の 「 ある願い 」 を叶えてやるが…。
┋
捜査の手が及ぶ のを 危惧し、斡旋業を 辞めた ネズミたち は、
島で “オネストマン” の 7人が暮らす 「 ドキュメンタリー映画 」 を
撮ろうとするが…。
人間には 生殖器がなく、子供を産むため には 互いの体を
“結合” し、1体に ならなければ ならないという 設定 です。
その “結合人間” は 腕が 2本、脚も 2本、目も 横並びで 4つ あり、
体も 大きくなります。 ( 個人差が あり 平均は 3メートル )
その方法 は 「 1人が 相手の 肛門から 体を入れる 」 という、
“作家性を感じる” 設定 なんですが、
冒頭( プロローグ )から 説明もなく
「 大樹 と 千果 の “結合” 」 ( フィスト & スカル… ) から 始まるので、面食らいましたね。
「 島で起こる 殺人 」 が メイン ですが、
前半の ネズミたち の 「 出会い 」 と 「 売春斡旋業 」の話が
全体の 3分の1くらい と 結構 長いです。
もちろん ちゃんと 意味が ありますが。
その内容は 悪趣味 で、特に 栞への 残酷な行為 は かなりの人が
ダメそう。
でも 面白い事に、この 前半部分 だけでも ミステリーに なってるんですよね。
さらに 意外な 終わり方( 展開 ) で、次の 「 孤島 」の話に 繋げて
います。
その 「 孤島 」 で 唯一 暮らしている 狩々( かりがり )親子が殺される事件 が起きるんですが、
全員 “ウソを付けない” オネストマン なのに、犯人が特定できない
という 不思議な様相に なるんですね。
( 思っていたのと チョット 違う感じ でしたが… )
今作も “怪しい情報” が 多く、気になる描写 から
犯人は “推測” 出来ましたが、細かいところは ダメ でした。
個人的に 面白かったのが 後半の推理の “条件” の くだり。
もちろん 終盤の “展開” も 良かったです。
個人的には かなり 「 本格 」 として 面白かったのですが、
内容が内容だけに 薦めヅライ作品ですね。
ちょっと フォロー しておくと、
白井智之は 悪趣味な設定や 描写で、
差別、偏見による 生きづらさ や、弱者の “諦め” を描いているん
です…多分。
『 東京結合人間 』 では、
“見た目” で 「 結婚しているか 」 が 分かりますし、
“結合” して “一人” になり 「 仕事、家事、育児 全て 行う 」 のは、
ひとり親 や 家事分担問題 の暗喩 とも取れますしね。
( 両方とも そういった記述 がある )
それでも “ 酷い描写が多い” のは 変わりませんが…。