「 パルス・ショック 」 (米・1988)
「 Amazon 動画 」 で見つけた、昔観た マイナーな ホラー作品。
タイトルと 大まかな内容 は 記憶に ありますが、面白いかどうか は
忘れました…。
たしか “雰囲気” は良かったような…。
気になったので 再鑑賞。
少年・デビッド は、今は離婚して 恋人・エレン と 暮らす 父親・ビル の家で 過ごすことに。
留守番中の デビッド は テレビに 異変を感じ、それを 父 に 訴えるも、信じてもらえない…。
意思を持つ?“電気” (生命体?)が 電気機器を使い 人を襲うホラー。
ホラーの系統 としては 記憶通り “雰囲気系” でした。
あと、記憶だと 「 少し ハイテクな家 」 でしたが、
実際は 「 普通の家 」 で かなり地味 です。
でも、カメラの構図 が 凝っているのが 楽しく、退屈しませんでした。
観る前は つまらないかも…との 危惧もありましたが、
個人的には 面白く、再鑑賞して 良かったですね。
ほぼ ネタバレ。
OP、発電所 近くに 雷 が落ち、発電所の 外と 内の映像 から、
立ち並ぶ鉄塔 → 電線 → 街へ… の 不穏な描写に 心が掴まれ
ます。
その後の、ビルの 向かいに住む ハンク の、家の破壊と 死体発見の
“つかみ” も、定番ながら 異様さを 醸し出していて いい感じ。
留守番する デビッド の場面 では、
カメラが テレビの裏側を映し、そのまま テレビの中に入り、
配線や 回路の “超アップの映像” になります。
「 回路 」 の はんだ が 「 高電圧 」 で溶け 分離したり、結合し、
“新しい回路” を 形成する描写は まるで 「 神経細胞、シナプス 」 の
よう。
控えめな “放電”の合成 も 良い効果をもたらし、神秘的かつ 不気味。
電柱で起こる “複数の放電” も、“電気” が 意思疎通 している かのようで 不吉さ を覚えます。
あと、度々出る 「 回路 」 の “超アップ映像” は
『 フェイズⅣ 戦慄!昆虫パニック 』※(74年)を 思い出しますね。
( ※ ソール・バス が 唯一 監督した 長編 SF・映画。 「 アリ 対 人間 」 の話で、アリ が “超アップ” で撮られている。 「 葬式をする アリ 」 や、「 殺虫剤の粒 を運ぶ アリ 」( 死んだら 次のアリ が運ぶ ) など、おもしろ映像 が満載 )
近所の 少年・スティーヴン から聞いた、ハンクの妻 の
「 ディスポーザー での 事故死 」 の話や、
ハンク家 の 「 芝生枯れ 」 が ビルの家 にも 起こり 始めたり、
「 俺は 知っているが、教えん!」 と 意味深な発言 をする 老人、
( 後に エレン に話すが… )
テレビに 映される “線を描く信号”(?) など、
ジワジワくる 恐怖感 ( あくまで 雰囲気 です ) が たまらない。
「 襲われる場面 」 は 少ないですね。
車を運転できるか試した デビッド が、車庫に 閉じ込められる 場面
では、 何故か 車庫の ドアが 開かなくなり、
電動・シャッター から 出ようとするも 装置は ちゃんと動かず、
金属疲労 している ガス・パイプ に “電気” が 亀裂を入れ、
ガスが放出し ピンチに。
デビッド は 咳き込みながらも なんとか 車を運転し、シャッターに
ぶつけ、こじ開けて 脱出します。
かなり 強引な展開で 地味でも あるけど、まあまあ 盛り上がる…
かな。
異変を 感じ始めた エレン が、それでも シャワーを浴びる 場面は、
案の定、ボイラーが温度を上げ、熱湯が出る 定番の展開。
これも 地味だし、“電気感” が 薄いけど、「 ヤケドの水膨れ メイク 」 は 良かった。
ここでも シャワー室のドア が 開かない の気になる…が、
建付けが悪い家 なんだと 納得することに。
( 一応、ドアが上手く 閉まらない 描写もあるし )
最後は、エレンは病院、 デビッド を 斜め向かいの家に 預けて、
ビル が 点検のため 自宅に 乗り込む展開に。
地下に 降りた ビル ですが、台の上の 「 丸ノコ 」の “刃” が回転、
近くの “ネジ” が 振動で動き、
“刃” に当たって 弾け飛び、ビル の額を 直撃。
こういう、連鎖攻撃? は好きなんで、興奮しますね。 地味だけど。
しばらくし デビッド も 家に入り、( 個人的には )盛り上がります。
死んだと 思っていた ビル が、息子の危機を察し、目覚め、
立ち上がるのにも テンションが 上がるんだよな。
テレビに 映る “左右に線を描く信号” が、画面から 光線 のように
飛び出て、
デビッド の顔に映る 描写 は、“スキャン している” ようにも、
“操ろうとしている” ようにも 見え、かなり不穏。
印象に 強く 残る映像で 好きな場面ですね。
何も 起こらないけど…。
終盤、“電気” が 屋内の電線を ショート させ、火事を起こす荒技 に 出るのですが、
ここからの 息子 を助ける ビル の奮闘ぶりが 結構 熱いし、
傷んだ手で ビル を助ける デビッド にも チョットだけ グッときます。
父子 で 家から 脱出、ビル は オノを 使い 電柱を 自宅に向け 倒し、家が崩壊。
スローモーションで 描かれる “壊れる 電気製品” や、
超アップで 映される 「 コンデンサ 」など が 熱で溶ける 様子は まるで
「 怪物の最後 」 のようで、
以外に グロテスク で、カタルシス も ありましたね。
最後、パトカーの中で 喜び合う 父子の場面 で 終わりかと 思いきや、
スティーヴン少年 の 「 黒猫の壁掛け時計 」( キットキャットクロック ) の内部が 発光…。
スティーヴン少年 は 恐る恐る 時計のプラグ を 引っこ抜く…という
終わり方です。
ED は 真上からの “夜の街並み” と、“回路のアップ” の カットバック。
「 夜の街 」 が “回路に見え”、逆に 「 回路 」 が “街に見える”
構図と 構成が 見事。
「 人 」 も “街を制御する” 「 信号 」( パルス )ってこと なんですかね。
テーマ としては
「 電気製品 を 頼り 過ぎるな 」 や、「 物の豊かさ 」 だと思うけど、
実は 父子のすれ違い や、息子を想う父親 の話 でもあります。
父親 は 息子の部屋を 物で飾り、野球のチケット も 購入するんだけど、息子 が求めているのとは 違うんですよね。
総じて 地味な話 ですが、カメラワーク や 構図は 面白いですよ。
特に “回路のアップ” が 出色で かなりの気味悪さ を 醸し出していました。
展開も 遅い のですが、“電気”が 徐々に 電気製品を蝕む 描写 は
なかなか 良かったと 思います。
“事故死” に 見せかけようとする、狡猾?な “電気” の性質?も好み
ですね。
個人的には 「 開かなくなったドア 」 以外は そんなに 気には
ならなかったかな。
( “ダメな要素” と しては かなり デカいんだけどね… )
とはいえ、“雰囲気系” が 好きな方 以外には オススメ 出来ないな。