ビニール袋の中身は… 「 犯人は生首に訊け 」 | berobe 映画雑感

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「 犯人は生首に訊け」 (韓・2016)

 

『 4人の食卓 』(03年) の イ・スヨン 監督・脚本の サスペンス作品。

 

主人公・スンフン 役に チョ・ジヌン

 

 

 

と 離婚した 外科医の スンフン は、大家一家 が 1階で 精肉店を

営んでいる マンションに 引っ越し、住んでいる。

 

その町では 15年間、未解決の 連続殺人事件が 続いていた。

 

大家の祖父 の 内視鏡検査を 担当した スンフン は、

祖父 の 「 頭は まだ 冷蔵庫に 」 の つぶやきを聞き、大家一家

連続殺人事件に 係わっているのでは…と 疑う。

 

 

 

前半は 「 黒のビニール袋の中身 」“何故か” 気になった

スンフン の 疑心暗鬼が 描かれます。

 

肉を 生で 食べる 祖父前妻が 国に帰った 精肉店店主 と、

怪しい描写や 設定も 良い雰囲気です。

 

“ビックリ演出” は いらないかな~と 思いましたが、

思いのほか “重要” でしたね。

 

 

てっきり、“素人探偵 な展開” に なると 思っていましたが、

 

中盤から “幻惑的” な描写 や、“不自然な” 演出 が増え、

趣が少し 変わってきます。

 

この 段階で、早々に 真相( オチ )が 推測できる のですが、

それは “意図的” なんですね。

 

 

そして 終盤、真相が “かなり 詳しく ( 長く ) 説明” される のですが、

 

この 真相場面( “解決”篇 ) が 思ったより “ミステリー的に” 楽しく、

 

さらに “結末にも 効いてくる” のが 良かったです。

 

 

 

早々に 真相が推測できる、と 書きましたが、

それは この作品が 「 スンフン の “物語” の話 」 だから。

 

クローネンバーグ『スパイダー~ 』(02年)っぽい作品? )

 

“不自然な” 演出は、そのまま スンフン の 精神状態の表れ、

と いえるし、

“幻惑的な” 描写も ある意味 “そのままの解釈” でした。

 

 

そして 結末は バッドエンド ですが、

個人としての その理由 は、“犯人”“女”アレだったから ではなく、

 

スンフン“物語” に 「 到底 受け入れられない話 」 が

混ざっている からです。

 

 

結局、スンフン

「 黒のビニール袋の中身 」 から “物語を作り上げた” ように、

 

“犯人”“女” ( あと 警察、世間も かな? )も

 

「 自分に 都合の良い “物語” 」 を 作り上げ、終わりました。

でも それは 誰しもやっている事 でもあるけど。

 

( それにしても 最近の権力者 の “物語” は ヒドイ が… )

 

 

あと、タイトル について。

 

原題は 『 解氷 』。

 

“川の氷が解け、死体が発見される” の他にも、

「 スンフンの “物語” 」 が、解けてしまった の意味もある?

 

 

英題は 『 Bluebeard ( 青髭 )』。

(「 グリム童話 」の 男( 青髭 ) が 妻を何人も殺していた話 )

 

これは ミスリード が 強すぎますね。

で、こっちは “スンフン が 迎えた結末” を 皮肉ってるのかな。

 

 

邦題の 『 犯人は生首に訊け 』 は、インパクト があって 個人的には

かなり 好きです。

( 某ミステリー小説 の タイトルに 似てるけど )

 

そもそも ( 喋らない )生首から 訊いた “真実” など、信用できないのだ。