何事にも理由がある?「 エンドレス・マーダー 」 | berobe 映画雑感

berobe 映画雑感

「 映画 」と「 本 」の感想

「 エンドレス・マーダー」 (オーストリア・2014)

サスペンス作品。

 

タイトル から 殺し屋と 殺しても 生き返る( 死なない )男 の

「 不条理・サスペンス 」、または 「 ブラック・コメディ 」 かと 思いましたが、

かなり 違いました。

 

あと、サスペンス・アクションっぽい 「 パッケージ 」 が ヒドイ ですね。

 

 

 

店員との世間話を “男” に邪魔された 殺し屋・スティーヴン・ライ

その “男” を殺す。

 

3年後、スティーヴン は 画家・パーシバル から

「 自分を 殺してくれ 」 と 依頼を 受ける。

あっさり パーシバル に 銃弾を 撃ち込んだ スティーヴン だったが、

パーシバル は 一命を 取り留める。

 

パーシバル は 今までも 自殺を試みては 失敗していた

「 死ねない男 」 だった…。

 

 

 

心に 喪失感 を持つ パーシバル は、スティーヴン「 自分殺し 」 を 依頼しますが、

 

そんな スティーブン も 3年前、妻と 道路横断中に 妻・アニー

ひき逃げ で亡くし、

 

自身も トラウマ「 道路横断 恐怖症 」?)を 抱え、

道路を横断 できません。

 

 

そんな 2人が 出会った きっかけ は、

 

道路を渡れない スティーヴンが タクシーを 降りる際、

“反対側の歩道” に 付けるよう、運転手と 揉めている時、

 

飛び降りた パーシバル が その タクシーの上に 落ちてきたことから。

 

 

殺し屋・スティーヴン“仲介者” を通し 「 フランク殺し 」 を 受けているのですが、パーシバル の件 は独断。

 

しかも 「 フランク殺し 」 は 失敗( 躊躇 )しているのが 後から わかり、

 

さらに スティーヴン は、事故の時 が 着ていた ドレス を着て、

口紅を 塗ったり、

“妻の幻覚” を 見るなど、精神状態が 不安定でも あります。

 

 

スティーヴン は 退院した パーシバル に再び 銃弾を撃ち込み

ますが、またしても 死なず。 ( ボロボロ だけど… )

 

そして、退院後の パーシバル「 死にたい理由 」男の恋人の死 )を聞くうち、

少し 友情っぽいのが 生まれる 展開に・・・。

 

 

 

意味ありげな 情報が 多く、

「 なぜ、パーシバル は 死なないのか 」も 気になり、結構 引き込まれました。

 

まあ、“2人の繋がり” は なんとなく 推測は できますが。

でも、それは “半分だけ” なんですね。

 

 

最後に もう半分が わかり、なんとも やりきれない気持ち になりまし

た・・・が、

この オチは 私が好きな ヤツでした。

 

 

ジャンル でいうのは 難しいけど、あえて言えば

ファンタジー・サスペンス かな?

 

雑な殺人が チョット 気になりましたが、そこは 主旨と 関係ないから、まあ いいか。

 

好みの作品で 面白かったですね。

 

以外にも レビュー評価は そんなに 低くない?

でも、好きな人は 少ないと 思うので あまり オススメは できないな~。

 

 

 

 

 

ここからは 簡単な ネタバレ。 ( でも長い… )

 

 

個人的には 「 因果な話 」 でしたが、

作中で 言っていたように 「 運命の話 」( “何事にも理由がある” ) の方が 通りがよい かも。

 

 

スティーヴンの妻・アニー を 車で轢いたのは “飲酒運転” を していた パーシバル でした。

 

後半、パーシバルアニー の 「 ドレスの飾り 」 と、

 

事故車に 引っかかっていた 「 飾り 」が 同じだと知り、

自分が アニー を 殺したことを 知ります。

 

そして 「 自分が バー で 飲酒して ひき逃げした 」スティーヴンに 伝えるのですが、

 

この直前、道路に出た パーシバルスティーヴン

“道路に出て” 助けます。 ( この時、横断恐怖症が 治った? )

 

スティーヴンは その場では パーシバル を殺せず、

殺すのを 躊躇した フランク に会いに行き、

 

「 この 3年間、ひき逃げ車と “思しき ナンバー” を持つ、

“車の所有者” を 殺してきた 」 事を 彼に伝えて 去ります。

 

フランクも “所有者” の1人だった )

 

その後、スティーヴンパーシバル を 突き落とし、殺します。

 

スティーヴンパーシバルの葬儀 の後、“仲介者” に会い、

「 殺しの仕事を 辞める 」 と言いますが、“仲介者”

スティーヴン“幻覚” でした。

 

“仲介者”(=自分) からの 殺しの依頼 は

「 妻を殺したかもしれない “車の所有者” 殺し 」 なんですね。

 

 

終盤、

スティーヴンパーシバルの 追悼 展示会 で、「 男の顔の絵 」を見て、

 

3年前( 冒頭 )、自分が 殺した “男”パーシバルの恋人・クリス だと知り、

 

パーシバルアニー を 轢いた夜に 酒を飲んでいた 理由が、

“クリスの死” で 悲しみに 暮れていたから だと わかり、

 

“妻の死”の きっかけ が 自分のせい( 過ち )だったと 知ります。

 

 

展示会場から 出て “車道” を 歩く、放心状態の スティーヴン に、

パーシバルクリス の幻覚 が見えます。

 

( 多分、罪悪感を 覚えたから )

 

そして 反対側の歩道 に 妻・アニー が見え、スティーヴン

手を差し伸べ

は 反対車線に出て 車に 轢かれます・・・が、

 

彼は “一命を取り留め” ます。

 

今度は スティーヴン「 死ねない男 」 に なりました(?)。

 

( 中盤頃、一度 助かっているっぽい ので、その時から すでに

「 死ねない男 」 だったのかも… )

 

 

パーシバル“死ねなかった” のと、

スティーブン“道路を横断 できなくなった” のは、

 

2人を 「 出会わせ 」「 気づかせる 」 ため だったのでしょう。

「 出会い、気づく 」 運命

 

ちなみに スティーブン は、パーシバル から 真相を 聞く前、

妻子持ちの警官命を救っています。

 

なので やっぱり、「 因果 」 よりも 「 運命 」( “何事にも理由がある” ) の方が しっくり くるかな。