6月読書 その2 「 他人事 」 「 下戸は勘定に入れません 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

残り 2冊は ホラー系 と SF・ミステリー です。

 

 

「 他人事 」 平山夢明

“狂気” と “暴力” と “悪意” が詰まった 14編の 短編集。

 

著者の 短編集は 数冊、 実話怪談も パラパラっと 数冊読んでます。

 

あと、比較的 一般的?な 長編 『 ダイナー 』平山 版 『 レオン 』? ) も読んでます。

 

『 ダイナー 』 は、蜷川実花 監督で 映画化 されるようですね。

 

 

 

「 他人事 」

 

事故に遭い 逆さまになった車。

車内の は 動けず、も 外に投げ出され…。

 

 

様子を見に来た “男” に助け出してくれるよう 頼むのですが、

“男” は そっけなく、他人事 のようです。

 

( 一応、救急には連絡してくれたが・・・ )

 

この “男” の対応に 「 理不尽さ 」「 人としての情のなさ 」

覚えますが、

 

“男”“追い込んだ” 要素の1つ は 車内の男女 であり、

“社会の無関心” や、 “蔑み” なんですね。

 

結局、

無関心、問題の放置 は、どこかに( 誰かに ) 返ってくるんだよな。

 

 

なので、車内の男女 も、“男” も 私たちなんですね。

( そして は、ツケを払うことになる 子供たち のことか? )

 

 

「 倅解体 」

 

タイトル通り 「 息子を殺す 」 話だけど、読んでいると

ちょっと 気になる ところが・・・。

 

しかし 以外な 結末で、「 狂気 」 を生み育てた のは

“男2人” だったと分かり、スッキリ(?)。

 

 

「 仔猫と天然ガス 」

 

『 ファニーゲーム 』(97年)みたいな、“不条理な暴力” が 炸裂する、まったく 救いのない話。

( 残酷度 高いです )

 

序盤の 「 善意を振りかざした暴力 」 も 強烈。

 

 

「 定年忌 」

 

65歳を 越えると 行政、司法、「 全てが 有償 」 になった世界で

定年になった の話。

 

オチ は普通だけど、それよりも 現実で 近いことに なりそうなのが

怖い…。

 

 

「 恐怖症( フォビア )召喚 」

 

組所属の が、少女「 各人個別の恐怖を見せる 」 能力

検証するため、

不要な?組員で 試す ( “ドブ 浚い” する ) 話。

 

少女「 恐怖 」“解除できない” と、かなり 恐ろしく、

地味な 地獄絵図が 展開されます。

 

でも、予想外に イイ話?になりますよ。

 

 

「 伝書猫 」

 

DV元カレ・ストーカー に 怯える女性

隠して飼っている猫 が くわえてきた “指” には 「 タスケテ 」 の

傷文字 が・・・。

さらに から電話が掛かってきたり、謎の老婆 も・・・。

 

と、ホラー・サスペンス な シチュエーション が楽しいですが、オチは

普通。

でも 描写が上手いし ( というか 描写が 本作のキモ )、

“ホラー・ミステリーな要素”個人的に 少し感じて、面白かったですね。

 

 

「 れざれはおそろしい 」

 

「 れざれに いじめらている 疲れたので 八日に死にます 」 の手紙を

受け取った 教師たち学園の 対応の話。

 

ほぼ全てが 日誌、メモ、手紙 など、文書で 構成されていて、

 

手紙を書いたのは 誰か「 れざれ 」 とは?の ミステリー、

 

「 八日まで あと何日 」 の タイム・リミット サスペンス、

 

学園の保身と 隠ぺい の滑稽さ を描く ブラック・コメディ と、

 

個人的には かなり 読み応えのある 作品で、かなり 好きですね~。

 

 

「 人間失格 」

 

深夜、橋で身投げしようとする に 声を掛ける

彼も 同じく 身投げしようとしていた…。

 

「 心中 」 と思われたくない 2人は、「 今日 どっちが死ぬか 」 を

話し合うのですが、

お互いの 境遇を知り、イイ話っぽく なるのですね~。

 

しかし、体より 先に “心が死ぬ”サイコで 「 悪意の塊 」 のような

最低なオチ が痛快?で、思わず 笑ってしまいます。

 

 

 

「 ホラー好き 」、「 後味悪い話が好き 」 という人には おススメ。

 

普通の人?には おススメ できませんが、

「 れざれはおそろしい 」 だけは 読んでみて もらいたいですね。

( 残酷描写なし )

 

 

 

 

「 下戸は勘定に入れません 」 西澤保彦

SF・ミステリー 連作短編集で、全4編。

 

 

2010年 12月26日。

飲んだくれ 准教授の 古徳 は、偶然 同級生 早稲本 と出会う。

 

早稲本 の 妻・美智絵 は、大学生時代 一時、古徳 と付き合っていた過去が あった。

 

2人は 早稲本の家で 酒を飲むが、古徳 の “能力” で 2人は

1982年 12月26日 の 飲み会の席に “精神だけ” タイムスリップ する。

 

その光景を見て 早稲本 は ある 疑惑を持つ・・・。

 

 

古徳の 精神・タイムスリップ能力 には、“道連れ” が必要で、

 

タイムスリップ先は 選べず、今日と “同じ日付” で、

“道連れ” と一緒に 飲んでいた場所に 現れます。

 

4作中、1,3,4作は 古徳早稲本(家)の話 として 繋がっていて、

います。

( 各タイトルは 長いので 省略 )

 

1作目で 古徳が 出した 結論が、

3作目に SF的な 広がりをみせ 繋がり、

それが 4作目にも 活かされる 構成が 上手いですね。

 

 

タイトル から ユーモア・ミステリー かと思っていましたが、

主人公・古徳 には 自殺願望があったり、

人格的に 難があった との確執、と 西澤 らしい 結構 重めな 要素もありました。

 

 

2作目は 古徳のマンション で起きた 「 飛び降り 事件 」 に、

バーラウンジ で “1999年” へ お店のママ

精神・タイムスリップ したことから、

 

「 飛び降りたのは 誰か?」「 なぜ、古徳の マンション なのか?」 の疑問が 生まれる話で、

人間・ミステリー として 面白く、1番好きですね。

 

 

あと、4作品 それぞれ タイムスリップ時に 飲んでいる お酒が違い、

 

1作目が 「 カティサーク 」、 2作目が 「 ジャックダニエル 」、

3作目が 「 赤玉スイートワイン 」( 炭酸で割って、レモンを絞った )、

4作目が 「 エビスビール 」 と、庶民的なのも イイですね。

 

特に 3作目の 「 赤玉~ 」 は ちゃんと 話にも 絡んできます。

 

最後は ハッピーエンド すぎますが、面白かったです。