今月は 5冊。
まずは 短編集、 システリー、 ホラー の 3冊。
「 ストラディヴァリウスを上手に盗む方法 」
深水黎一郎
ミステリー含む 短編集で 5篇。
深水 作品は、
『 ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ! 』( 『 最後のトリック 』 )、
『 世界で一つだけの殺し方 』 他 2冊 読んでます。
表題作 『 ストラディヴァリウス~ 』 は 芸術探偵シリーズ。
海埜 警部補は 甥の 瞬一郎 と、武藤麻巳子 の凱旋コンサート を
聴きに 行くが、
会場で ストラディヴァリウス<エッサイ> が盗まれてしまう…。
会場を くまなく捜すが 見つからず、会場から 出た者も いないことから、
消去法 で なんとなく 推測できますが、それでも 良い トリック でした。
“犯人の当て方” の ケレン味も 良かったし、( 実際 出来る? )
ストラド の蘊蓄量も ちょうどよく 面白かったです。
2 ~ 4 作は 『 ワグネリアン三部作 』。
ワグネリアンってなに? と思いましたが、
ワーグナー の 信奉者、コアな ファン の事でした。
この3作品 は「 日本ワーグナー協会 」 の研究誌 に載った作品のようです。
ミステリー ではなく、ユーモア小話 かな?
2作目 『 或るワグネリアンの恋 』
ワグネリアン の男が 彼女に 「 ワーグナー 」 の知識を 教える話です。
『 ニーベルングの指環 』、『 トリスタンとイゾルデ 』 など 出てきますが、
名前しか 知りません…。
( チョットだけ ジークフリート の話は知ってますが )
それでも、男の 説明を受けての 彼女の 「 喩え 」 、「 ツッコミ 」 が
楽しく、
男には 耳が痛い( 恐ろしい )? オチ も良かったですね。
3作目 『 或るワグネリエンヌの蹉跌 』
ワグネリエンヌ である 主人公の 「 ワーグナー 」 への “没入度” が
可笑しくも、 切なく、 恐くもある? 話でした。
主人公の 就活への “奮闘” ぶり が 面白く、
ワーグナー に 詳しくなくても 笑えましたね。
4作目 『 或るワグネリアンの栄光 』
「 ワーグナー 」が テーマの カルト(マニア)・クイズ番組に “男” が
出る話で、
「 クイズ場面 」 が 普通に スリリング?で、“男” の 心情・心理 描写が
楽しい。
一応、“男” が 「 誰か 」 のミステリー要素は ある・・・のかな?
その 「 誰か 」 がわかる オチ は くだらないけど 嫌いじゃないです。
5作目 『 レゾナンス 』
著者の 処女作 のようです。
雪国に 住む、ヴァイオリンを習っている 男子高校生 の話で、
純文学っぽい作品。
苦手な感じだと 思いましたが、結構 すんなりと 読めました。
ピアノ と ヴァイオリン の違い ( 平均律 と 純正律 ) も思い出し、
( 前の作品でも説明してた・・・ハズ )
ヴァイオリンが いかに難しいかが 良く分かりますね。
あと、“ヴァイオリン弾き” を 軽く ディスってましたね。
( 曰く、“ヴァイオリニスト” と “ヴァイオリン弾き” は 違うらしい )
主人公の 淡々とした 心理描写 で進み、
終盤は 幻想的 で、 自身の音楽に 向き合う 姿が 感動的 なのに、
「 意外な顛末 」 になるので チョット驚きます。
ミステリー である 1作目 以外の 作品も
音楽に 興味が薄い 私でも それなりに 楽しめたので、興味が あれば もっと 楽しく 読めると思います。
「 メビウスの殺人 」 我孫子武丸
サスペンス・ミステリー 作品。
再読 ですが、かなり前に 読んだので 大部分は 覚えていません。
思ったより ユーモアな 描写が 多かったんですね。
再読 なので、メインの “ミッシング・リンク” ( 被害者の繋がり ) は
すぐ 気づき( 思い出し )ましたが、
犯人の 心理描写は 面白かったし、意外な展開も あり、
サスペンス としても 盛り上がります。
終盤 明かされる 「 真相 」 と、もう1人の “犯人?” も 良かったです。
最後の 犯人の描写 は、
リチャード・フライシャー 監督、『 絞殺魔 』(68年) を 思い出しました。
「 魔邸 」 三津田信三
ホラー(・ミステリー?)作品で、
『 禍家 』、『 凶宅 』 と 並ぶ <家三部作> の1作。
少年・優真 は、母の再婚相手の 海外赴任が 決まり、移住先 が
決まるまで 叔父の別荘で 暮らすことに。
しかし、別荘が建つ 森には “神隠し” の伝承があり…。
主人公・優真 は “異界に入り込む” 能力( 体質 )があり、
前半2回ある、“異界” の恐怖体験は、いずれも 追いかけられる
展開ですが、
それぞれ 趣向が違うのは 良かったです。
しかし 「 かぼちゃ男 」 は思わせぶりで、強引に 感じたし、
後半の “異界” の使い方、“追って来るモノ” も チョット 納得しづらい。
最後も サスペンスとして あまり盛り上がらない。
いっそ最後も “異界” にした方が 良かったかな~。
でも、良い伏線も あったし ( 強引なのもあったが )、
「 真相 」 も 途中で気づきましたが 良かったですね。
舞台 や 「 真相 」 が 良かっただけに 勿体無い印象ですが、
まあまあ 面白かったかな。