“悲劇”収集「ホーンテッド・サイト」 | berobe 映画雑感

berobe 映画雑感

「 映画 」と「 本 」の感想

「ホーンテッド・サイト」 (米・2016)

ダーレン・リン・バウズマン 監督の オカルト?・ホラー作品。

 

 

記者・ジュリア の 姉家族が 惨殺される。

 

ジュリア は、姉の家が “殺害現場” を 取り除かれて、早々に 売りに出されて いる事を 不審に思い、調べ始める。

 

すると、同じように 殺害・事故 現場 を取り除かれた物件がある事に

気づき・・・。

 

 

 

脅かし描写が 少なく、落ち着いた雰囲気で、好みの作品でした。

 

後半までは、演出は 抑え気味だし、展開も読めます。

 

でも前半は、OP の 殺害映像が 、短いけど 雰囲気が よく出ていたし、

 

調査場面の、殺害・事故の 連続映像も 短いけど、楽しかったので、

退屈は しませんでした。

 

ただ、前半は 展開が せわしない んだよな。

 

 

そうそう、姉家族の 殺害時に、ジュリア の プレゼント した、

“スケート・ボード” が使われているのが、悪趣味 ですね~。

( アップ だし、カット が速くて 気づきにくい )

 

 

中盤は かなり 地味だけど、

ジュリア が深みに はまっていく感じや、怪しい町人、ジワジワ迫る

不穏さが 個人的に 心地良かったかな。

 

 

そして終盤は、“悲劇” の アトラクション的な 見せ方が 楽しいですね。

 

ジュリア を中心に カメラ を回し、“悲劇” を順番に見せる演出も、

巧み かつ、大げさな 表現で 気持ちイイし、

 

その後の “悲劇巡り” も楽しく、“悲劇ループ” が イヤな感じで良い。

 

ただ、“悲劇”霊(魂) が見えづらい のが残念。

 

 

この作品の 白眉は、

 

“悲劇” が起こった建物の ”悲劇現場” を、”魂ごと” 集め、繋げる

設定で、

“館” の 佇まいも、禍々しくて カッコイイな~。

 

 

私は 設定や オチ が好みで、楽しく観ましたが、レビュー を見ると、

評価が低い。

 

まあ、 説明不足に感じるし、曖昧な表現で わかり辛かったので、

( 編集が悪い? )

反論できませんが…。

 

一応、続編が あるようです。

 

 

 

 

以下 ネタバレ。

 

詐欺師・クローン が、「 地獄 」( 字幕では 冥界 )にいる、

“愛する 妻娘” に会いに行こうとする 話です。

 

彼には 妻娘 がいない 「 現世 」 こそが 「 地獄 」 なのかも。

 

何故か 妻娘は、クローン“罪” を背負って、“業火” で焼かれていいます。

 

 

「 地獄 」に 行くため、“善行” とは逆に、

“悪行” として、町の子供たち を 生贄にし、( “土台作り” らしい )

 

次に “悲劇を集めた館” を作り、

直に 「 地獄 」への 「 穴 」 を 作ろうとしました。

( ここらへんの 説得力が 弱いんだよな~ )

 

 

“館” に 「 入るか 」、「 引き返すか 」 を、ジュリア たちに 選択させたのも、

自らの “選択” で( 能動的に )起こる “悲劇” が重要なんですね。

( …多分 )

 

 

終盤の、

ジュリア による、「 恋人殺し 」 と、その後の

ジュリアの母・アリー による、ジュリア( 娘 )殺し 」 の、

“悲劇・コンボ” が ( ホラーとして )爽快です。

 

 

最後、クローン“扉” を開け、階段を下っていきます。

 

それは 「 地獄への階段 」 ですが、

クローン に とっては、「 天国への階段 」 なのかも。

 

 

この作品は、「 妻娘 に会いに 地獄 へ行く 」 という、

「 ロマンチック・( ダーク・)ファンタジー 」「( 狂える )家族愛 」

話で、結構 良い話なんだよな。

( 子供が 大勢 死んでるけど… )