
可愛らしい絵。職員さんのお子さんが描いた絵です。
絵ではなく、厳密にはポスターですね。この絵が、
この度、地元の行政機関から表彰されました。
親子でめでたい授賞式に参列されました。
ところが受賞した本人には笑顔がなく、
極めて冷静だったと、親である職員さんから伺いました。
一般的に行政の主催する表彰式は、ものすごく厳かで、
小学生なら、緊張でコチコチになってしまうのが普通です。
受賞者に配慮して、子ども目線で表彰式を催してもらいたいものだと、
PTAの会長時代から感じてきましたが、
どうしても優先されるのは大人の理屈のようです。
しかしこの流れ、もう少しで変わるところまで来ています。
たとえば私の住む区では、
生徒に卒業証書のデザインを考えさせる試みがはじまりました。
こんな事例を土台に、丁寧に合意を積み重ね、
ぜひ子ども目線の表彰式を実現したいだきたいものです。
それは兎も角、この作品の素晴らしさ。絵の才能のない者にも感じられました。
「飛び出し危険」という作者の思いが、
画用紙一面に溢れているではありませんか!
・「止まれ」の標識を無視してサッカーボールを蹴ることに夢中になる少年。
・まさかボールと人が飛び出してくるとは?!驚いて運転が不安定なった少女。
・道路交通法にはまったく無関係の鳥さんまでが、空中で焦っています。
人ごとではない、いえ鳥ごとではないのです。そのあたたさが素敵です。
こうしたキャラクターまで挿入することで、
どんな生命にも差異がないことがこの子の心であることが伝わります。
そう。どんな生命も、生命なのです。
その願いがかわいらしく織り込められています。
そして壁です。壁にも生命が宿っています。つまり使命です。
たとえばこの絵の壁は、公と私をわける壁。そして大地に根差す壁。
それを表現するため、作者は壁を地面に垂直に描いています。
そのように見えるよう、丁寧に筆を運んでいます。
その塗り方の均一性が美しく、壁の使命を想像させる力になっています。
そして道。アスファルトが地面に寄り添うように描かれています。
素晴らしいのは左右の壁が立体的に見えるよう、
直覚的に筆を走らせているところです。こうすることで立体感が生まれます。
また同じ灰色でも、濃淡を作りながら、筆の運びで、
壁と道路の違いが一目で感じられるように描いています。
また標語の色彩においては、信号のメッセージである赤と黄色を用いました。
例えばこのようないくつもの要素が、積み重なり、作品のレベルが上がりました。
ですから文句なく、この作品は受賞となったのです。
大変に公平的な視点で選ばれた作品であることが伺えます。
しかし本人に喜びはなく、極めて冷静だったそうです。
それを聞いて感じました。作者は嬉しいに決まっているし、
会場の緊張感にも飲み込まれたかもしれません。
しかしそれ以上に、作品を仕上げた当時の心をすでに前に進めているのです。
「確かにこの作品を描いたのは私ですが、私はもうそこにはいません。」
そんな成長を、職員さんからいただいた感想で直観しました。
これが未来です。未来は、黙って先(さき)を見る。
先を見れなくなった人は、愚痴と怨嫉の人になる。
若い命に触れることで、その在り方の厳然たる事実を教えてもらいました。
そして若い命の無限の可能性を祈りました。
すべては中小企業の「存続と成長と発展」のため!
いつもお読みいただきありがとうございます。