意外に多いものです。この歯をかみ合わせた時にかかる力
を咬合圧（こうごうあつ）といいます。
すべての歯がそろい、歯並びがきれいな成人の場合、
最も強くかみしめたときの咬合圧は、大臼歯（奥歯）で
約５０キロ、小臼歯で約１５キロ、前歯が約１２キロです。
これはあくまで平均値で、プロ野球選手がボールを
打つ瞬間には、約１００キロの力が奥歯にかかると
いわれています。
世界のホームラン王・元巨人軍の王貞治選手の奥歯は
現役時代、相当傷んでいたそうですが、過剰な咬合圧が
頻繁に作用したためかもしれません。
ところで、そしゃく圧ということばを聞いたことが
あるでしょうか？
咬合圧に似ていますが、そしゃく圧とは食べ物を食べる
時にかかる圧力のことです。
例えば、チューインガムを食べる時の最大そしゃく圧は
２０キロ、平均は８キロです。いろいろな食べ物の平均
そしゃく圧はだいたい５～１０キロの範囲です。
咬合圧は年齢、かみ合わせ、歯や歯ぐきの状態などに
よって異なります。
不正咬合、差し歯、部分入れ歯などで咬合圧は小さく
なり、総入れ歯の人は自分の歯がすべてそろっていた
時の約２０％に減少します。
咬合圧の減少はそしゃく圧にも影響し、入れ歯になると
食べ物の種類によっては、うまくかめない（そしゃく
できない）状態になります。
このように歯は、かなりの力持ちですが、入れ歯や
差し歯ではなく、自分の歯でギュッと強くかみしめたい
ものです。
健康な歯のそしゃく能力を１００％とすると、ブリッジ
で９０％に、奥歯が１本ないと４０％に減少します。
さらに、部分入れ歯になると３０％に、総入れ歯で
２０％に減少してしまいます。
この様なことにならないために、自分の歯をできるだけ
多く残せる様に、日頃からのケアが大切になってきます。
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