松本清張原作【一年半待て】 | べっぴん典ちゃんのブログ

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AXNミステリーにて



松本清張原作、1984年度版
小柳ルミ子さん主演ドラマ
【一年半待て】



画像は、ネット検索で、お借りしました🙇









生命保険勧誘員の須村さと子(小柳ルミ子さん)は、夫の須村要吉(高橋長英さん)を殺害したとして懲役二年、執行猶予一年の判決が言い渡された。





そもそも 事の発端は、要吉の勤めていた飯島製作所が業績不振で倒産。失業したのがきっかけだった。




夫は、新しい職場に勤めても長続きせず、何かあると癇癪を起こし すぐに辞めてしまい、家計は逼迫し、貯金も底をついてきた。





そもそも妻が仕事をするのを気に入らない要吉だったが さと子が生命保険会社の勧誘員としての成績が上がり初めてからは、収入がそこそこ入り始め 要吉は、全く働く気配をみせなくなった。





ある日、さと子は、生保の仕事の為に山の工事現場に行き大東建設社員の岡島(勝野洋さん)と出会い、瞬く間に互いに惹かれあって行く。そして、ご多分に漏れず 男女関係になる。





その時、さと子は、岡島に嘘をついた。夫や一男一女がいる身であるにも関わらず、子供を抱える未亡人だと言った。






岡島は、さと子を信じてしまう。海外赴任に旅立つ時に、さと子にプロポーズをするも さと子に「一年半待って❗」と言われる。





一方、要吉は、失業した当初だけ  家事や育児をしていたが そのうち パチンコや酒をのんだくれる様になった。夫婦関係も徐々に破綻して行き、子供のいる前で暴れるし、さと子に殴る蹴るの暴力を奮う。





さと子は、じっと耐えているかのようだった。 ある日、要吉に気晴らしにさと子の高校時代の友人で小料理屋のママ・脇田静代(東てる美さん)のところに呑みに行くように仕向けた。





程なくして、静代と男女関係になり、静代が要吉に金をせびるようになり、さと子がどんなに稼いでも家のお金を持ち出し 其れを咎めると更なる暴力を奮うようになった。





遂に、さと子は、バットで殴打し要吉を殺害した。





新聞記事を読んだ女性評論家・高森たき子(樹木希林さん)は、さと子の事を弁護する。





家庭における暴力や経済的なモラハラ等 さと子を擁護する運動をして世間の注目を集めた。






で、裁判では、執行猶予つきの判決だった。





一年半後、岡島は日本に帰国し、新聞記事を手にして高森たき子の元を訪れた。





そして、高森たき子に、さと子は、結婚していたのに未亡人だと嘘をついた事とプロポーズした時に一年半待ってくれと頼まれた事などを告白した。





岡島は、さと子が自分との結婚に向けて 夫殺害に至るまでの緻密な計画を練った確信犯だった事を高森に主張した。





しかし、裁判で確定されたものは、その後 覆る事はないという「一事不再理」で その後 真実が判明しても裁かれる事はないのだ。






岡島に会ったさと子だが計画性があった犯行だと気づかれてしまい 二人の関係は終止符を打つこととなった。





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松本清張原作「一年半待て」は、過去に何度もドラマ化されておりますね。




小柳ルミ子さんのさと子役、凄く良かった。堪えて苦労する妻で世間的に同情を誘うという役どころ。




夫とうまく行っていない人妻。そんな心の隙間に入り込んだ新に好きになった男。しかし、人妻なのに嘘を言ってしまったゆえに、 ドツボにはまった。無職の夫に苦しみ自分ひとりで家計を支えようとした。で、一人で働いて夫がひねて働かなくなった。




人妻は、自分で自分の首を絞めてしまった。



夫と別れれば良かったのに、殺してしまった。




哀れな妻という世間の同情を得たが殺害という計画が計画性があるようで最後にはばれたという何とも浅はかな女のストーリーでした。




樹木希林さんの女性評論家役、この役どころは、政界進出を狙うのが目的で、さと子を擁護し 世間の注目を得るという 現実的にもありがちな設定でした。樹木希林さんの独特なコミカルで味のあるキャラが憎めませんでした。