滋賀県よりベンリイJA型です。
珍しいですね。はじめて見ました。
JA型は1954年発売。
前モデル、初代にしてベンリイ・オブ・ベンリイであるベンリイJ型(1953)と並行で発売されました。
これは当時の道交法事情がありました。
ファンタスティック…!
①~1949:免許が必要、150ccまでで一区切り
47年に二輪免許が誕生、~150ccまでは小型四種。
49年に自動二輪や軽二輪と名称変更、~150ccは軽二輪免許。
②1952:原付の登場
軽二輪免許が廃止、代わりに申請制の原付許可が登場。
90cc(4ストロークの場合)までは申請で乗れるようになる。
③1954:原付が1種・2種に分割
~50ccは1種、51~125ccが2種。
さらに60年には原付が許可から免許に変更。
65年まで(原付2種の廃止)この状態が続く。
ベンリイJ型は90ccです。申請すれば誰でも乗れました。
今では探し回っても見つかりませんけどネ。
欠品損傷は多々
おそらくですが、誰でも乗れる足として90ccのJ型を用意し、
さらにワンランク上の二輪車として140ccのJAが生まれたのだと思われます。
翌55年には125ccのJB型にモデルチェンジ(以降JC、C90、C92…と125cc)しますが、
これも54年の法改正を受けての変更だと考えられます。
電子の海で見た情報ですが、JA型はこの54年法改正の影響を大いに受けてしまい、
500台程度しか生産されていないそうです。
JB、JC56などは月産で2~3,000台とのことで、本当に珍しい子ですね。
ハンドルまわりやメーターはごっそり欠品
J型に対しJA型では、最高出力が上がり最高速も80km/hまで出るようになり、
それにともない足回りも強化されています。
こちらの個体ですが、かなりヤレていますがキックは降りる、
ただハンドルまわりを中心に欠品多々ありとのこと。
レストアするのも一筋縄ではいかないでしょうね。私には全く無理です。
専門店に相談コース待ったなしです。
ただ、50年代のJシリーズはやはり憧れがあります。
神社仏閣とはまた違った実用車の美しさですね。
それが希少と聞いたり、高速を走れるとか聞いてしまったらもう欲しくてたまらないすよ……
少しは後先考えられる脳みそ持ってて良かった。
車体、「ベンリー」なんですね。
5,000円スタートで入札125件、落札価格567,000円です。
だいぶ伸びましたね。
これをレストアするのはかなり大変そうですが、
その希少さや歴史的価値を考えると、そしてこれで高速を走る妄想をすると
お金があればそのくらい出しても欲しい一台でしょうね。