(築地黒澤さん/K.Fukuzawa)
どう考えても自分が正しい。こんなときに、
“たしかにそうなんですが、でも、あの・・・”。
と相手が反応することがあります。
“だったらそれでいいじゃないか!”
納得しない相手をさらに追い込み、反論できない状況をつくりあげる。こうやってますます相手が頑なになってしまうという経験は誰にでもあると思います。
筋道の通った言葉を吐くときにこそ、相手の気持ちを推し量る度量が求められます。
論で人が動くのではありません。
言葉で人が動くのでもありません。
人は人によってのみ動くのです。
主役はあくまで人と人、
論や言葉は主役を引き立ててくれる脇役に過ぎないのです。
論や言葉に操られ、主役がオロオロする姿は滑稽に映ります。論に溺れ、言葉に溺れ、そして人と人の関係を素っ気ないものにしてしまう。これこそが人生最大の不幸ですね。
“なるほどそうなのか!”
と相手の側が目を輝かせること。これが人を説き伏せるということです。満面の笑みを浮かべながら喜んでアナタを受け入れてくれる。これが説得の神髄です。 人を説き伏せることができないのであれば、それは正論という衣を被っているだけで、ホンモノの正論ではありません。
正論が通じないと嘆く前にアナタがすべきこと。それは
アナタ自身が正論を語るに相応しい人物になることです。
似非の正論を脱ぎ捨てて、裸のアナタ自身に磨きをかける。こういう姿勢を貫き通すことで、結果として、論にも言葉にも磨きがかかるのではないでしょうか。
アナタ自身が魅力溢れる人であれば、人は確実に動きます。説得のメカニズムは実にシンプルなのです。