糸魚川ジオパークの紹介 400 糸魚川ジオの穴場 | 糸魚川ジオパークのおじさんのブログ

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日本で最初に世界ジオパークに認定された糸魚川ジオパークの魅力や出来事などを紹介します。

糸魚川のジオ的穴場が増えました。

「穴場」と言うのは一般にあまり知られてはいないけれども行って見て楽しめる娯楽街や飲食街のよう所を指しますが、今回は、糸魚川ジオパークの中にある穴のある地形の見所を紹介します。今年になってから糸魚川ジオパークの見所の一つになり得る穴場が発見されました。 称して「谷根の大釜」と言います。穴は水流と岩石のコラボで出来た「甌穴」と言われる穴で、大きさでは日本一級と言われています。発見したのは地元の渡辺保氏で地域観光資源開発研究会の方です。この度、講演会があり概要を知ることができました。場所は谷根川の川尻で早川に流れこむ僅か手前で海谷山塊から緩慢な地辷りでやってきた角礫凝灰岩の巨大な岩塊に生じた巨大なポットホールですが大きさから見ても日本一クラスと推定されています。長期間、水流で小石が回転して岩を削りました。おまけに横穴まで出来て窓のような穴までついています。他にも甌穴群があるとのことで、糸魚川のジオパークの見所の一つ「月不見の池ジオサイト」に近く併せて見学できるようになります。ポットホールは各所の海岸で見ることが出来てそれほど珍しいものではありませんが、この地の甌穴は転石の岩塊に生じたもので大きな釜の形をしているのが面白いのです。

※新潟日報の記事から(2020.7.22)

更に渡辺氏の講演から穴の構造が図のように示されました。転石に出来た甌穴、大きさも国内最大級というものです。谷根川上流には滝も多く存在し隠れた見所となっているとのことです。

甌穴は珍しいものではありませんが、ここの甌穴は以上のような特徴があり珍しいものであるとのこと、糸魚川ジオパークの見所の一つになり得るものです。

 

下の図は佐渡宿根木海岸の甌穴です。甌穴は水流で小石が渦を巻いて回転するところに出来ます。

 

岩盤が石灰岩ですと雨水による浸食でドリーネという穴ができますが、日本最深の穴(ドリーネ)も糸魚川のマイコミ平にみられ白蓮洞(513m)・千里洞(405m)・ 奴奈川洞(345m)・銀鳳洞(333m)と全国最深の洞窟がここに集中していて、福来口の横穴洞窟に繋がり排水されています。

 マイコミ平らのドリーネ 千里洞↑ 通天洞の内部から↓

水で出来た穴の他に風が作った穴もあります。小滝川ヒスイ峡に行く瀬野田回りの入山線林道の脇の砂岩地帯の崖に見られる通称「鳴り岩」があります。今は森林が生い茂りましたが、昔は風が吹くと「ひゅる・ひゅる」と音を発していたとのことです。風が砂を巻き上げて回転するために出来たもののようです。

このように糸魚川には自然が製作した穴場がいろいろあるのが面白い所です。