相続人がいない | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。

お正月やお盆を過ぎると、相続関係の話を聞くことが増えます。家族が集まるからでしょうか?

このように、弁護士は遺産相続事件に関わることが多い。
ほとんどの事件は、遺産の分け方をめぐる争いです。
遺産分割事件として調停、遺言書が有効かどうかをめぐる訴訟などです。

ところが最近は「相続人がいないので遺産を処理できない」という事件が増えています。
たとえば自宅建物がゴミ屋敷になったり、貸したお金を請求する相手が見つからない、などという、周りの人が迷惑をこうむるパターンなどです。
相談を受けて実際に私が事件を受けることも増えています。

こういう場合、法律は、相続財産管理人・相続財産清算人という手段を用意しています。
裁判所が選任する専門家が、問題解決の仕事をしてくれます。
(2023年から改正法が施行されていて、呼び名も変わっています。)

・財産の清算(お金を返してもらう)するときは、相続財産清算人

・当面の財産の管理・保全をしてもらいたいときは、相続財産管理人(所有者不明の土地の処理など)

というイメージです。

私も弁護士として、裁判所から相続財産管理人・相続財産清算人を依頼されることが多い。

依頼者は裁判所であり、個人的な依頼者がいる遺産分割事件などとはかなり仕事の内容が異なります。


たとえば、借金ばかりで全員が相続放棄をしてしまった事件で、残っている財産を債権者に平等に配分するとか・・

たとえば、売れない山林などの不動産を、引き取ってくれる人を探すとか・・


いわば中立公正な公務員のような立場で、利害関係者の意見調整をしながら事件処理を進めていきます。
特定の依頼者のために100%全力を尽くすという本来の弁護士の仕事とはおもむきが異なりますが、かえって、自分の責任と判断で仕事を進めることができるという魅力もある仕事です。


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