弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
最近ある弁護士が作成した法律文書を読んでいて、気になる一節がありました。
若干ぼかして抜粋すると、「超過勤務は、・・の超過勤務命令に基づき認められるもので、労働者独自の判断で働いたとしても超過勤務に該当するものではない」という内容です。
この弁護士は、規則に基づいて使用者が命令を指示しないかぎり超過勤務に当たらないというのです。
この弁護士は完全な誤りです。
なぜなら労働時間は業務命令の有無で決まるものではなく、客観的に労働したかどうかによって決まるものです。
労働時間の定義も決まっています。
労働時間とは、労働法の学説によれば「使用者の作業上の指揮監督下にある時間または使用者の明示または黙示の指示によりその業務に従事する時間」です。
裁判所の判例によれば労働時間とは「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することが出来るか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約の定めのいかんにより決定されるべきものではない」
したがって、客観的に使用者の指揮命令下に置かれていれば労働者の判断で働いたとしても「超過勤務」に当たります。黙示の指示があったといえます。
超過勤務命令(残業命令)がないという言い訳は、残業代を払いたくない使用者がよく使います。
つまり、最初に述べた弁護士は会社に迎合しているだけなのです。
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