弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
労働裁判は、法律家にとっても労働者にとっても、1審判決が大切です。
1 法律家にとっての1審判決の重要性
労働法のテキストは、地方裁判所の判決がたくさん引用されています。これが、民法や刑法のテキストと大きく異なることです。
労働事件は事件ごとに個性が強く、先例として検討するにしても具体的な事実がそれぞれかなり異なります。つまり、具体的事情によって結論を大きく左右することがあります。
そのため、「労働判例」など労働事件に特化した法律雑誌がありますし、弁護士は、個別の事情を読みこなすのです。
事例豊富な1審判決の集積が、弁護士にとっては重要なのです。
2 労働者にとっての1審判決の重要性
労働者にとっては、スピード解決が大事です。
解雇事件などでは最終的に職場復帰することが目的です。
不当労働行為の事件は職場の労使関係の不正常を是正することが目的です。
したがって、労働事件はとにかく早い段階で勝訴判決を得て、決着を図りたいのです。
1審・2審と負けて最高裁で逆転判決を獲得すると、カッコイイし最終決着がついた気分になりますが、最高裁まで行っているあいだに失われた時間は取り返しがつきません。
働く現場は1日も早い正常化が大切なのです。
そのため労働裁判では1審判決が大切。