偽造したらおしまいです | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
 
以前からの持論ですが、裁判を左右するのは、弁護士の能力ではなく証拠です。どんな腕の立つ弁護士でも、証拠がなければ勝てません。
 
裁判では、偽造された証拠が出されることが、たまにあります。
 
人によっては、自分の思っていることと違う内容の証拠が出てくると、すべて「偽造」と決めつける人もいます。
しかし、それは、思い込みです。
 
本当の偽造証拠とは、他の客観的な証拠と明らかに合致しないものです。
 
私がとくに印象に残っているのを3つ。
 
1 原告が作成したチラシに、勝手に書き込みを加えて内容を変えてしまったもの
  (印刷された文字を見たらすぐに違いが分かります。)
 
2 飛行機に乗っているはず(チケット有り)のに、別の現場で話を聞いていたというメモ
 
3 欠陥品を納品した証拠として提出した写真が、実はまったく別の場面の証拠だった
  (写真に写っている人物や風景で分かります。)

いずれも私が勝利の和解をした労働事件です。
偽造証拠を見破られると、裁判官の印象は雪崩をうったように一気に変わり、そこで勝負あった!という感じで和解(事実上の勝訴)をすすめてきます。
 
だから、偽造したらおしまいです。
 
そして、弁護士の究極の能力は、裁判で一番大切な証拠を見破る能力でしょう。