弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
ブログで有期雇用問題(無期転換)連載中に、ショッキングな報道です。
チェック形骸化、有期雇用成果焦りか 京大iPS研論文不正
「京都大iPS細胞研究所(京都市左京区)で22日、論文の不正が発覚した。所長を務める山中伸弥教授は会見で深々と頭を下げ、悔しさをにじませた。降圧剤の臨床研究で不正が行われたディオバン事件やSTAP細胞問題など、日本において研究不正は後を絶たない。世界のiPS細胞研究をリードし、厳しい不正防止策を講じてきたはずの同研究所。チェックが形骸化していた実態や、成果が求められる有期雇用の制度が背景に見えてくる。‥ iPS細胞研究所に所属する研究者は、教授ら一部の主任研究者を除いてほとんどが有期雇用だ。山水助教も雇用期限が今年3月末に迫っており、研究成果が、雇用延長や別の研究機関での就職に反映される状況だった。」
(引用終わり)
有期雇用契約は、期間満了で雇用契約が終了してしまいいます。
労働者にとって収入を打ち切られるのが最大の問題です。
労働者にとって収入を打ち切られるのが最大の問題です。
しかし、それだけではなく、社会経済学的にも損失が発生することが言われています。
・ベテランがいなくなる
→業務の継続性、ノウハウの蓄積ができない
・職場環境がギスギスする
→協力して仕事ができない
というのは、よく聞く話です。
また研究職の方の場合、短期的な業績に目を向けてしまい、
・不正をする衝動が働く
・中長期的な基礎研究をしなくなる
→長い目で見ると学術研究が衰退する
・不正をする衝動が働く
・中長期的な基礎研究をしなくなる
→長い目で見ると学術研究が衰退する
と言われています。
切磋琢磨することによって学術研究が発展するのも事実です。
しかし、落ち着いて研究できる環境がないと、社会全体の損失も大きくなります。
しかし、落ち着いて研究できる環境がないと、社会全体の損失も大きくなります。
研究者が短期雇用というのは、望ましいことではない。
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