IT化する裁判 | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
 
AIではなく、ITの話題です。
私はコンピュータが大好きなので、AIとかITの話に飛びついてしまいます。
 
少し前の神戸新聞(10月17日の夕刊)に「政府 民事裁判をIT化検討」という記事が載っていました。
 
裁判書面のやりとりをインターネット上で電子化するとか、裁判所で行う審理をテレビで行うとか、いろいろな構想が出ていました。
裁判をスピーディーに行うため、というのが理由のようです。
 
裁判書類は分厚くなります。これをインターネット上でやりとりする、というのは、紙の節約にもなり、スピーディにもなり、便利だと思います。
テレビ会議方式の審理も便利です。
 
法廷に出席すると、移動時間がかかります。神戸の弁護士が、姫路や大阪にいくことを考えると日程調整が難しいので、楽になるといえば楽になります。
 
とはいっても、裁判の原則は「公開法廷」です。憲法で決まっています。
傍聴人がいる法廷で、自分の主張をのべる機会が保障されなければなりません。「公開の法廷」は、裁判所がかってなことをしないか監視するという意味もあります。
 
テレビ画面や電話ではなく、対面してきちんと話をしたいという当事者もいます。
 
人間を扱うのが裁判である以上、一路IT化は疑問です。
「弁論」という舞台をなくしてしまって淡々と裁判が進んでしまうのは、おかしい。
便利なだけの裁判にならないよう、弁護士も注意したい。