有給休暇を時間単位で取得する | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
 
有休は、最近は、時間単位で取得することができます。2010年の労働基準法改正です。
 
子どもを医者に連れて行くとか、ちょっと役所に届出をするというときには便利な制度です。
 
ただし、この時間単位での取得は、労使協定があること、年間5日以内(所定8時間労働の会社では、8時間×5日=40時間になる。)という制限があります。
 
時間単位の有給休暇の制度をもっと広げほしいという声は多い。
労働者の自由に使える制度が増える方がのぞましい、とか、
とくに、子どもや介護の関係で短時間仕事の開始を遅らせたい人とか、
そういう人からの要望が多いのは事実です。
しかし、労働法の立法者からいうと、時間単位の取得を増やすのはのぞましくない、となります。
有給休暇は、労働からの完全解放を目的としているので、原則として1日丸々やすまないといけない、という制度論があるからです。
違和感のある方もいらっしゃると思いますが、制度論はそうなっているのです。
 
参考にならないかもしれませんが、私がサラリーマンをしていた最初のころの話です。
当時、相模原市に住み、東京の永田町まで通勤していました(東急・半蔵門線経由)。
ドアツードアで片道2時間弱もかかりました。
役所に届出をする用事があったときのことです。
朝9時前に役所の窓口に並んで、9時30分に終わったはずです。
そこから仕事にいこうとすると、職場に到着するのはお昼前です。
仕事をするのは結局、午後からになります。
だから半日休暇(有休)を取得していました。
そして、4時間ほど働けば退社になって、また、延々と通勤電車で帰ることになります。
わずかな行政手続のために、午前中いっぱい休んだことになり、かつ、通勤時間と実労働時間とたいして変わらず、バカバカしい気持ちになりました。
そんなわけで、私は、役所に用事があるときなどは、半日休暇をとらず、1日間の有給休暇を取っていました。
こういう場面では、時間休暇など、あまり役に立ちません。
時間休暇は、だれにとっても使い勝手がよいわけではないのです。