気まぐれ厨房「親父亭」落語編41~餅 | 気まぐれ厨房「親父亭」

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落語に見る食の風景~餅
     餅つきは日本の年越しの原風景
     ハレの日に食べる代表的なもの・・・お餅

 見た目も神聖な鏡餅
日本のお正月といえば餅がつきもの。 元来お餅は神前に供える神聖なもので、昔からハレの日に食べるものでした。
長く伸びてなかなか切れないというところから、縁起がよいということでおめでたい日の食膳を飾るようになります。
お正月はまさにおめでたい日ですから、餅は欠かせない食べ物となりました。
お雑煮は全国各地で食材や作り方が異なりますが、どの地方でも必ずお餅が入ります。ただし丸餅であったり四角い餅だったり、中には餡子餅が入る地方もあります。
お米は大陸から伝わったものですが、うるち米よりももち米のほうが先だったといわれています。
昔は暮れも押し詰まると町内のあちこちで餅つきの声が聴こえてきたもので、最近はそういう光景にもなかなかお目にかからなくなりました。
せいろで蒸し上がったもち米(おこわ)を臼に入れたら、まず杵で押しつけて団子状にしてから力強くついていきます。 途中に調子を合わせてこねる人がいて、だんだんとお餅ができていく様子を見るのは楽しいものです。

 若い人たちの餅つき風景(神田三崎町にて)

落語の世界で年の瀬というと、借金取りから逃れる噺がたくさんあります。
そんなふうですからお餅なんかつく余裕はありませんが、見栄で餅つきの真似をする「尻餅」という噺・・・師走の寄席では、度々高座にかかる演目です。

舞台は貧乏長屋。亭主の稼ぎが悪い上に酒飲みで、しょっちゅう女房が借金取りに言い訳をしている所帯がほとんどです。
そんな長屋でも年の暮れともなると、餅屋を呼んで餅つきをします。
ところが大晦日だというのに、餠屋を呼べないのが八五郎の所帯。
「ウチだけ餅をつく音もしないってのは、近所の手前みっともないよ」 と女房が八五郎に文句を言います。 少しでも金を都合してきてほしいのでそう言ったのですが、八五郎は「それじゃあ景気のいいところを長屋の連中に聞かせようじゃねえか」と答えます。
餅屋が来て威勢よく餅つきをする芝居をしようというのです。
子供が寝たのを見計らい、八五郎がそっと外に出て、聞こえよがしに 「えー親方、毎度ありがとうございます。餅屋でござんす」 と叫びます。
餅屋の職人がやってきて、支度をしている様子を一人で何役もこなすのですから、大変です。
もち米が蒸かせたところからが、クライマックスです。
「おっかあ、臼を出せ」
 「そんなもの無いわよ」
「お前の尻を出せ!」
「あたしゃ、嫌だよ」と嫌がる女房の着物をまくって尻を出させます。
「親方、臼をここへ据えて、それじゃあ始めます・・・白いお尻だな」
八五郎は手に水をつけて女房の尻をペッタン、ペッタンと叩くのですからたまりません。
「コラショ、ヨイショ、ホラヨ、アラヨ、コラヨ」
そのうち、女房の尻は真っ赤になります。
しばらく我慢していましたが
 「あの餠屋さん、あと幾臼あるのかい」
「へい、あと二臼です」
「おまえさん、後生だから餠屋さんに頼んで、 あとの二臼は、おこわにしてもらっとくれ」
バカバカしいですが、庶民の暮らしぶりがよくわかる噺です。

年が明けて松飾りを外す頃には、ぜんざいやかき餅などが振舞われます。
餅は日本の食文化に溶け込んだ代表的な食材です。

 親父亭の雑煮は博多風

 ぜんざいにも餅は欠かせません