気まぐれ厨房「親父亭」番外編③~「糠味噌」礼讃 | 気まぐれ厨房「親父亭」

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「糠味噌」礼讃
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白米で炊いたご飯は銀シャリなんていうほど照り輝いて、確かに旨いと思いますが、栄養面から考えると、決して体にいい食べ物とはいえません。

玄米には胚芽や皮などにさまざまな栄養が含まれています。

江戸時代に水車を利用した搗き米屋という職業が盛んになりますが、一般的に白米を食べるようになったのも江戸時代になってからです。

しかし栄養価の高い部分を取り除いて食べるので、その頃からビタミン不足による脚気も急激に増えました。

精米した後に残る糠から油を搾りとったり、お風呂で顔や体を洗ったり、木材を磨いたりしました。

食用としても栄養分がたくさん含まれているわけですから、糠味噌を考案して野菜などを漬けて、ビタミンなどを補充するようにしました。

他にタクアン漬けや、福井県では鯖を糠と塩に漬けて作る「へしこ」なども生まれています。

かつては、どの家庭にも糠味噌があったのですが、最近は「臭いが嫌だ」「手入れが大変」ということで、糠味噌のある家庭のほうが少ないようです。


小生、かつて福岡で6年、名古屋で3年と連続9年の単身赴任生活をしましたが、分家した糠味噌を腐らせることもなく9年間守り続けて、いつもおいしいお新香を食べていたという、輝かしい実績があります。

野菜がうまく漬かる温度は20℃~27℃だそうですが、それより気温が高いと発酵が進みすぎて長く漬けるとしょっぱくなり過ぎます。そんなときに混ぜ忘れると、すぐ腐ってしまいます。

逆に冬場で気温が低いと糠味噌は眠ってしまい、なかなか発酵が進みません。

糠味噌は生き物です。

糠味噌は毎日混ぜなければいけませんし、定期的に糠を足したり、山椒や鷹の爪や昆布を入れたり、漬けた味が酸っぱくなった時には、卵の殻を洗って薄い内皮をはがして入れたりもしました。

ナスの色が鮮やかに漬かるように、鉄玉子(デパートで1000円くらいで売っています)も入れていました。

出張や自宅に帰る時の温度管理が一番大変でしたが、単身赴任に不釣り合いな大きな冷蔵庫を駆使して乗り切りました。

九州や名古屋で、多くの人たちに分けてあげて、各地に分家を作りました。

本ブログで「鰯のじんだ煮(糠味噌炊き)」を紹介しましたが、糠味噌があることで料理のバリエーションも広がります。タルタルソースに入れるピクルスの代わりに、キュウリやミョウガ、長芋などの糠漬けを刻んで入れてもいいんですよ。


とにかく無事単身赴任の9年間を生き延びて、さらに旨味を増したその糠味噌は本家に戻り、本家のものと合体して今は女房が管理しています。

九州では糠味噌を糠床(ぬかどこ)といい、糠味噌漬けのことを床漬けといいますが、一説によると「床の間に置くほどに貴重なもの」というところからきていると聞いたことがあります。本当かどうかはわかりませんが・・・。
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毎日、女房が混ぜて管理しています。
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今朝は、キュウリとナスとオクラのお新香が食卓にのりました。


<付録>

本ブログで糠味噌を調味料として使用する「鰯のじんだ煮」を紹介していますが、鯖を使っても同様においしくできます。

今日、いい鯖があったので、2尾買ってきて作りました。
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※煮汁が余ったら、冷凍保存します。次回作るときに、新しい煮汁とそれを一緒にして煮込むと味わい深いものになります。

老舗の料理屋がツケダレなどを何年もつぎ足して使っているようなものです。