今回の参詣は、『都内最大の八幡様』と言われる富岡八幡宮へ。

 

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第一七〇回 富岡八幡宮の境内遺構  →こちら

第一七〇回 富岡八幡宮の例大祭   →こちら

第一七〇回 深川祭と宮神輿    →こちら

 

 

この辺りは深川と呼ばれる地域にあたるので、ついつい深川八幡宮と呼んでしまうこともしばしば。隣に深川不動があり、少し離れた場所に深川神明宮があるのでややこしい。

また、鎌倉の鶴岡八幡宮は「つるがおか」と読むので、その感覚で当宮を「とみがおか」と言ってしまうと、浅草の富賀岡八幡と全く別の神社を指すので注意が必要。

一応、タクシー運転手には深川八幡宮でも通じるので、どちらの名称でも問題ない模様。

 

 

 

 

さてさて、当富岡八幡宮は、江戸三大祭のひとつに数えられる「深川祭」が行われる神社。

 

さらに日本一大きな御神輿があったり、大相撲との関わりも深く、当宮がある門前仲町界隈にもお不動さまや下町グルメなども多く、一帯が大変人気のあるスポット。

 

 

 

 

江東区の指定有形文化財。

享和三年(1803)に神田の鋳物師太田正義によって造られた手水舎でお浄め。

約210年もの時を経た文化財が、現役でかつ知ろうが知るまいが誰でも利用できるのがすごいところ。

 

 

 

 

当宮の狛犬。

なかなか年季の入ったフレンチブルドッグ風。

右が阿形で左が吽形。持ち物は無し。

 

 

 

 

いざ御本殿前に行ってみると、当八幡宮のオリジナルキャラクター『みこっち』が。

2年続けてお正月中に参拝しましたが、お正月には確実にみこっちに逢えるっぽい。

子供たちに大変人気で、記念撮影にも積極的に応じてくれる。もちろん独り身でも。

 

 

 

 

このブログをはじめるまで、神社の社殿をマジマジと見たことは無かったのだけど、こうして改めてみると神社建築というのもなかなかすごい。

幾重にも重なった屋根、破風、朱い高欄、それを支える斗拱。形がとても美しい。

 

 

 

 

本殿

寛永四年(1627)に長盛法師が神託により八幡宮と別当永代寺を建立したという由来と、深川の干拓工事が難航したため、波除八幡の異名を持つ武蔵国倉城郡(現横浜市金沢区)の富岡八幡宮の御分霊を当地に祀ったとする説がある。横浜市の富岡八幡宮には、分霊した記録が残っているらしい。(Wikipedia)

 

御由緒1 当宮ホームページよりそのまま記載

沿革

 富岡八幡宮は寛永4年(1627年)、当時永代島と呼ばれていた現在地に御神託により創建されました。周辺の砂州一帯を埋め立て、社地と氏子の居住地を開き、総じて六万五百八坪の社有地を得たのです。世に「深川の八幡様」と親しまれ、今も昔も変わらぬ信仰を集める「江戸最大の八幡様」です。

 

 江戸時代には、源氏の氏神である八幡大神を殊の外尊崇した徳川将軍家の手厚い保護を受け、明治維新に際しては朝廷が当宮を准勅祭社に御治定になり、勅使を遣わされ幣帛を賜り、新しい御代の弥栄を祈念されました。

 また、庶民の信仰は江戸の昔から大きな歴史の変転を経て現代に至まで変わることなく篤く受け継がれ、今も善男善女の参拝は絶えず、特に毎月1日、15日、28日の月次祭は縁日として大変な賑わいを見せています。

 

 

 

 

 

御由緒2 境内配布のパンフレットより字体改行などそのまま記載

沿革

 

 富岡八幡宮は寛永四年(一六二七)、菅原道真公の末裔といわれる長盛法印が霊夢に感じ、当

 

時永代島と呼ばれた小島に創祀したと伝えられます。そして周辺の砂州一帯を埋め立て境内と氏

子の居住地を開き、深川発展の基礎が築かれました。

 以来、隅田川両岸一帯(深川及び現中央区新川・箱崎地区)の氏子を始め、広く世の崇敬を集め、

「深川の八幡さま」として親しまれています。

 徳川将軍家は源氏の流れを汲むとされ、源氏の氏神である八幡宮を殊の外尊崇し、将軍を始め

一門しばしば参拝、社殿の造営修理を行うなど手厚く保護しました。 また明治維新に際して朝廷

は勅使を差し遣わされて幣帛を奉られ、新しい御代の弥栄を祈念されました。

 いっぽう庶民の信仰篤く、八幡宮周辺は江戸・東都随一の門前町として栄えました。そして今

も変わる事無く人々の信仰をあつめ、とくに毎月一日・十五日・二十八日の月次祭は縁日として

大変な賑わいを見せています。

 

 

 

 

境内末社

 

当富岡八幡宮の境内には、末社が西側と東側合わせて17社もある。

 

由来はホームページを参照。

 

まずは境内西側から。

 

 

 

 

右側社殿

 

鹿嶋神社

御祭神 武甕槌命 例祭日9月1日
武勇の神様、旅行の神様。

 

大鳥神社

御祭神 天日鷲命 例祭日11月酉の日
お酉さまと呼ばれ、家内安全・商売繁盛の神様。11月には酉の市が開かれ、縁起物の熊手を求めて多くの参拝者で賑わう。

 

中央社殿

 

恵比須神社

御祭神 事代主命 例祭日10月20日
航海安全・商売繁盛の神様で七福神の一つ。深川七福神巡りのコースに含まれる。

 

大黒社

御祭神 大国主命 例祭日5月14日
国土経営に努力した大国主命を祀る神社。

 

 

 

 

左側社殿

 

富士浅間社

御祭神 木花咲耶姫命 例祭日7月1日
以前は境内に富士山があり、江戸で山開きと言えば八幡様というほど人気があった。現在富士山の山開きにあたる7月1日には、江戸時代以来続く疫病除けの大蛇守りが授与され、参拝者に人気。

 

 

金刀比羅社

御祭神 大物主命 例祭日10月10日
航海・漁業の守護神として江戸時代中頃に香川の金刀比羅宮から勧請され、深川庶民の間で広く信仰を集め現在に至る。

 

 

 

 

さらに左側隅にはほんの少しばかり富士塚が形成され、ここにも富士浅間神社が祀られている。

山腹には勢至さまらしき石像と不動明王像。

かつて当境内にも富士塚があり、毎年山開きをしていたというが、現在その塚(山)のあった場所は数矢小学校であり消失。代わってここに移されたのだろう。

 

 

 

境内東側

 

 

 

弁天池

七渡神社の御祭神が市木嶋姫命(弁財天と習合)ということで池の中に橋が渡され赤い社が建つ。

 

 

 

 

七渡神社

 

御祭神 市木嶋姫命 例祭日6月17日
七渡弁天と親しまれ、八幡宮が創祀される以前から祀られる地主神。関東大震災・東京大空襲の災難もくぐりぬけ、池に避難して一命を取りとめた人もいたという。

 

祭日にはお使いの白蛇が出てくるという話もあり、神社職員も度々目にしている。

 

粟島神社

御祭神 少彦名命 例祭日10月15日
七渡神社に合祀。裁縫上達の神様として、2月8日には献針祭が行われ、折れ針・古針が供えられる。

 

 

 

 

こちらは一つの社に計八つの神社が配祀されている。

 

車折社

御祭神 清原頼業命 例祭日5月14日
平安後期の儒学者・清原頼業命を祀る。後嵯峨天皇の牛車が門の前で動かなくなった故事に基づいて車折大明神と称される。

 

 

客神社

御祭神 宇受売命 例祭日5月15日
車析神社に合祀。芸能の神である宇受売命を祀る。

 

 

野見宿禰社

御祭神 野見宿禰命 例祭日4月24日
相撲の始祖といわれる野見宿禰を祀る神社。江戸勧進相撲発祥の当宮にふさわしい末社。

 

 

住吉社

御祭神 住吉神 例祭日6月30日
航海安全・和歌・農耕の神様。

 

 

聖徳太子社

御祭神  聖徳太子命 例祭日4月22日
国の基礎を固めた聖徳太子をお祀りする神社。

 

 

天満天神社

御祭神 菅原道真命 例祭日8月25日
学問の神様菅原道真をお祀りする神社。ちなみに当宮は道真公の後裔といわれる長盛法印により創建されました。

 

 

祖霊社

御祭神 当宮歴代祀職命 例祭日春分の日・秋分の日
当宮歴代祖霊が祀られている神社。

 

 

花本社

御祭神 松尾芭蕉命 例祭日10月12日
祖霊社に合祀。芭蕉は深川に仮住居を設け、生涯でもっとも長い住まいであった縁から当境内に祀られている。祖霊社に合祀。

 

 

 

 

そして八社の左隣にあるのが永昌五社稲荷。

 

 

 

 

 

鳥居の合間からひょっこり系の滑稽な狛犬と、、、

 

 

 

 

迫力あって凛々しい姿の獅子風な狛犬も。

 

 

 

 

永昌五社稲荷神社

 

御祭神 倉稲魂命 例祭日4月9日
五穀豊饒・商売繁盛の神様として、特に地元の肥料商関係者から絶大な信仰を集める。近隣の稲荷社五社が合祀された神社。

 

本殿と境内末社は以上。

 

 

 

 

横綱碑や日本一の大神輿などの境内遺構はまた次回。

深川祭に関しては、次々回と続きます。

 

 

写真はすべて2015.1.17撮影

 

社号 富岡八幡宮 とみおかはちまんぐう

別名 深川八幡宮 永代八幡

祭神 主祭神応神天皇(誉田別命) 相殿神神功皇后・仁徳天皇

    天照皇大神・常磐社神・武内宿祢命・日本武尊・天児屋根命

    竈大神

創建 寛永四年(1627)

祭日 一月一日歳日祭 二月節分節分祭 八粟島神社献針祭

    六月十七日七渡神社例祭 三十日大祓式 七月一日富士

    浅間神社例祭八月十五日例祭 十一月七五三祝祭

    酉の日酉の市 十二月大晦日大祓式

末社 七渡神社・粟島神社・車折社・客神社・野見宿禰社・住吉社

    聖徳太子社・天満天神社・祖霊社・花本社・永昌五社稲荷神社

    大鳥神社・鹿島神社・恵比須社・大黒社・金刀比羅社・富士浅間社    

社務所 御祈祷神札授与あり

所在地 江東区富岡1-20-3

 

 

 

周辺散歩

 

門前仲町

通称門仲または仲町。ここ門仲の「門」は富岡八幡宮の別当永代寺の御門のこと。

 

その永代寺は神仏分離によって廃寺となったが、現在富岡八幡宮に隣接する永代寺は旧永代寺の塔頭吉祥院が名称を引き継ぎ再興したもの。

 

 

 

 

永代寺

 

高野山真言宗の寺院。かつては60.000坪という広大な寺領を有し、深川公園、深川不動堂、富岡八幡宮一帯が永代寺の境内だった。今は不動堂の一部みたいに思ってしまうけど。

 

 

 

 

 

深川不動堂

 

真言宗智山派の寺院で、正式には成田山東京別院不動堂。こちらも旧永代寺の不動堂だったが、永代寺廃寺の際成田不動を勧請し不動堂だけ残されることになった。

当山には稲荷社があるので、また次回掲載したいと思います。

 

 

 

 

八幡橋

 

富岡八幡宮の東側にある八幡掘り遊歩道に架かる橋。もとは八丁堀にあった楓川にかかる日本最古の鉄橋で、弾正橋という名称だった。関東大震災後の復興計画で廃橋されることが決定。それを惜しんで当地に移され、八幡掘りに架けられたので八幡橋と呼ばれ今に残る。

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは現在の弾正橋。

 

楓川は無くなり、今は首都高が通る。

 

 

 

 

周辺グルメ

 

 

門前茶屋

深川と言えば深川飯、ということで。深川不動山門の目の前にあるお店。

店内中央にある炉端を囲う様にカウンターが並ぶ。串焼きや刺身盛り合わせなども。

何か所か深川めしを出している店はあるけれど、ここのが一番おいしい。