今日の課題は、「耳鳴りの医師について」です。
多くの耳鳴りの方とお会いすることによって、私ながらのデータ収集を心がけるようにしています。
患者側から見た耳鳴りの考え方をを集めてみたいと思って。
個人が収集しているデータなので情報量が少ない上、対象者も偏っていて専門的な概念からの調査として表現出来るものではありません。
でも、気になる課題を患者側から見て、大まかな情報でも耳鳴り仲間に伝えたい気持ちでまとめています。
耳鳴り患者の医師に対する調査
耳鳴りは、患者にとっては治りの悪い疾患。治らない状態が続き精神的苦痛も併発して、医師に対する不満度が増加してしていくのは私だけではないと思います。
治らないので、医師への信頼度が軽減して新しい医師へと変更する方も多い病気だと言われています。
医師と検査について、患者側からの意見を集計してみました。

[ データ集計の対象者 ]
・慢性の耳鳴り患者
・耳鼻咽喉科の通院中と経験者
・現在も耳鳴り疾患のある患者
・25名
■ 耳鳴り医師の信頼性
耳鳴りは、難しい治療の疾患。 耳鼻咽喉科医の対象としたアンケートでも ”耳鳴りは苦手だ" という医師が多数いるようです。
感音性の慢性耳鳴りはほとんど不快音が消えることがなく、精神的な苦痛も悩まされて、他の疾患より担当医の信頼性が薄らいでいく傾向があるようです。
Q. 現在の耳鳴り担当医は信頼できますか?
回答 | 人数 | 比率 |
① 信頼できる | 10 | 40% |
② やや信頼 | 8 | 32% |
③ 信頼足りない | 5 | 20% |
④ 信頼ない | 2 | 8% |

”信頼できる”、”やや信頼できる”というという回答が70%を超えて、とても意外だったのですが。
これは、何度か医師を選んだ結果として現在の医師に巡り合えて、信頼のできる治療を受けているものと考えられます。
そして、長期間の耳鳴りから ”耳鳴りの慣れ” で苦痛度が低下したことによって、医師に対する信頼感を感じるのでしょう。
■ ドクターショッピングの経験
ドクターショッピングとは「1番目の医師に満足がいかず、2番目の医師、さらに別の病院へ行く」という行動をくり返すことをいいます。
耳鳴りの患者は、ドクターショッピングの経験が多いと言われています。
Q. ドクターショッピングの経験がありましたか?
回答 | 人数 | 比率 |
① 3回以上ある | 3 | 12% |
② 2回ある | 4 | 16% |
③ 1回ある | 7 | 28% |
④ ない | 11 | 44% |

私のドクターショッピングの回答は「①」。悩んだ結果、頼る医師を見つけるために変えました。結果的に、現在は信頼できる医師に治療していただいています。
だから、「④」の回答が多かったことに驚いています。
「④」の回答者について詳細の分析はしていませんが、その多くの方は比較的軽度の疾患の方のようだと思われます。
また、この調査は東京周辺の居住者対象で、多数の耳鼻咽喉科医があります。地方でのドクターショッピングは難しい環境かも知れません。
■ 症状を十分説明してもらえているか
耳鳴りが起こる仕組みは、不明確な点も多く完全には解明されていませんが。それなりの耳鳴りのメカニズムを想定はされています。
患者にとっては、自分の耳鳴りの症状を把握することで、不安を和らげ精神的苦痛度の改善になると考えられます。
それが、耳鳴り治療の一つと言われる ”教育的カウンセリング” です。
Q. 教育的カウンセリングを受けましたか?
回答 | 人数 | 比率 |
① 受けた | 2 | 8% |
② 簡単に受けた | 5 | 20% |
③ 受けたことがない | 18 | 72% |

ほとんどの方が ”教育的カウンセリング” を受けたことがないと言う回答でした。
患者は、”教育的カウンセリング” と言う言葉さえ知らない方が多いようです。
患者は、耳鳴りについてのメカニズムを背景に、自身の耳鳴りの状況を解説してもらうことが精神的不安を改善することができます。
私も、”教育的カウンセリング”を受けた後、THIによる苦痛度評価が大きく改善された経緯がありました。
■ 必要な検査をしているか
耳鳴り関連の検査は、いくつか大事な項目がありますが。
クリニックの多くは 純音聴力検査だけを繰り返し検査するところが多いようです。
勿論、純音聴力検査は耳鳴りの必須検査でありますが。
他にも必要な検査があり、それらの検査を実施しない医院が多く気になっています。
ここでは集計していませんが、症状によって聴覚過敏による検査、耳管検査など必要な検査もあります。
Q. THI 検査は経験ありますか?
回答 | 人数 | 比率 |
① 3回以上経験 | 2 | 8% |
② 2回検査経験 | 3 | 12% |
③ 1回検査経験 | 12 | 48% |
④ THI検査なし | 8 | 32% |

耳鳴りの苦痛度を評価するためにTHI検査は必須だと思います。
自己評価でありながら、私はその評価数値と ”耳鳴りの苦痛度” がかなり正確にリンクしていることを実感しました。
その評価により ”耳鳴りの苦痛度” の推移を理解することはとても大事。
難しい検査ではないので待ち時間に検査して、医師も推移を理解して適切な治療をお願いしたいものです。
クリニックでは、THI検査を実施しない医院も多く。総合病院では初診時だけ検査するところが多いようです。
私は、複数回の継続検査をする必要のある検査だと考えています。
Q. ピッチマッチ&ラウドネスバランス検査の経験はありますか?
回答 | 人数 | 比率 |
① 経験あり | 16 | 8% |
② 経験なし | 9 | 12% |

患者ごとの耳鳴りの周波数音と、耳鳴りの大きさを検査して、耳鳴り音を客観的に評価する検査。
検査名を知らない患者さんも多くいます。
自分の耳鳴りがどのくらいの音の高さなのかを11の周波数の音を聞き比べ、自分の耳鳴りの音に近い周波数を特定します。
ピッチマッチで特定した耳鳴り周波数音をヘッドフォンに流し、自身の耳鳴りのボリュームを特定します。
客観的な自分の耳鳴りを把握できるので、大事な検査だと思うのですが。
私の考察:
医師への不満を誇張するような集計項目で、申し訳ないと思います。
私も耳鳴り発生初期の頃は、医師への不満ばかり。約2年経って、医師側の治療体制も大分理解出来てきましたが。
やはり耳鳴り患者は、しっかり検査して、じっくり説明してもらえる医師に診察してもらいたい。
耳鳴りの症状を話したり、十分な検査をしても治療には役に立たないと考える医師もいるようですが。
患者から見ると、医師から伝えられる十分な情報こそが最大の精神的な効果をもたらします。
検査を含めた情報は、耳鳴り患者にとって不安感を軽減することが出来、耳鳴りと穏やかに向き合えるきっかけになるはずです。
このデータの結果を見ると「信頼できる医師」に至って、治療してもらっている患者も多数いることはありがたいことです。
何人かの耳鳴り患者の実際の情報を、各患者の状況と比較して改善に役に立てることができればと思います。