この1年半、いろいろな聴覚検査を実施しました。 定番の標準純音聴力検査は、通院するときは毎回検査をしています。 聴覚に関する検査はほとんどリスクがないので、検査をして自身の症状を確実に理解する必要があると思います。
この1年半、いろいろな聴覚検査を実施しました。
定番の標準純音聴力検査は、耳鼻咽喉科に通院するときは、毎回検査をしています。
聴覚に関する検査はほとんどリスクがないので、検査をして自身の症状を確実に理解する必要があると思います。
一般的な、聴覚検査をまとめました。
皆様の気になる症状に合わせて、適切な検査を実施してください。
聴覚検査一覧
標準純音聴力検査
[ 検査目的 ]
耳の疾患があれば、必ず実施する検査。
一つは聞こえの程度が正常か異常か、異常とすればどの程度の聞こえの悪さかということを検査することです。 もう一つは、聞こえの悪さがどの部位の異常によるものかを大まかに判断することです。
[ 検査方法 ]
低い音から高い音までの検査音を聴いて、音が聴こえた時にボタンを押して検査。ヘッドフォンからの音を聴く気導聴力検査と、前額に機器を付けて検査を行う骨導聴力検査があります。
語音聴力検査
[ 検査目的 ]
検査語音がどの程度の音の大きさだと何%正しく聞こえるかを調べる検査です。 外耳道、鼓膜、耳小骨などの異常による難聴(伝音難聴)などの状況を判断します。
[ 検査方法 ]
日常会話で使われる語音、「ア」や「イ」などの語音が使われます。
50音や濁音、半濁音を聴いて頂き、言葉の聞き取りの状態を確認します。
SISI検査
[ 検査目的 ]
補充現象 (聞こえが悪いのに、音を大きくすると大きくした比率以上に大きく聞こえる現象) の有無を調べます。
難聴でも中耳の伝音性難聴や聴神経腫瘍などでは補充現象は見られないので、補充現象陽性を確認できれば患者の疾患の原因が内耳にあることが推測することができます。
メニエール病の判断の基準によく使われる検査です。
[ 検査方法 ]
ヘッドホーンから一定の間隔で10回音を聞いて、音が大きくなったことに気づいたら知らせます。10回のうち何回気づいたかを%で表わします。内耳性難聴ではこの値がほとんど100%に近くになります。
自記オージオ検査
[ 検査目的 ]
補充現象の有無や感音難聴の鑑別診断を評価します。
①聴覚閾値の測定、②振幅の測定、③持続音記録と断続音記録との聴力レベル差の測定、④聴力レベルの時間的推移の記録をします。
[ 検査方法 ]
繰り返し音が小さくなったり大きくなったりする検査音を聴く検査です。
閾値が自動的に測定され、結果は鋸歯状の波形が記録されます。
ABLB検査
[ 検査目的 ]
BLB検査(ABLB test:Alternate Binaural Loudness Balance test)は、左右の耳で、難聴側と正常側で同じ大きさに聞こえる音を探し、 難聴側での音の増加を正常側と比較します。
[ 検査方法 ]
左右の耳に交互に検査音を流して、どちらの耳から聴える検査音が大きく聴こえるか確認します。
ABR/ASSR検査
[ 検査目的 ]
ABR(聴性脳幹反応:Auditory Brainstem Response)は、蝸牛神経ならびに脳幹部聴覚路に由来する反応を調べます。
ASSR(聴性定常反応検査:Auditory Steady-State Response)は、定常状態誘発反応を利用し、音刺激に反応した脳からの電位を特殊な方法で記録します。
[ 検査方法 ]
頭または頚、耳の後ろに電極をつけて、ヘッドホンまたはイヤホンから負荷される検査音を聴いて頂き、聴こえの反応を電気信号として測定します。
DPOAE検査
[ 検査目的 ]
内耳の聴覚機能を他覚的に評価する検査法です。
正常な内耳からは耳音響放射(OAE: Oto Acoustic Emissions)と呼ばれる微小な音が発生して外耳にエコーが返って(放射して)います。
聴覚に異常があるとOEAの出力レベルが減少したり検出できなくなります。
加齢性難聴、突発性難聴、ムンプス難聴、メニエール病、心因性難聴などの機能性難聴、詐聴の評価をします。
[ 検査方法 ]
耳にイヤホン(測定用プローブ)を挿入後、12秒で測定が完了します。
耳管機能検査
[ 検査目的 ]
耳管機能検査とは耳管の動きが正常であるかを確認する検査です。
耳管狭窄症、耳管開放症、浸出性中耳炎、などの耳管の状態の確認になります。
[ 検査方法 ]
片方の耳に耳栓を入れて、片方の鼻に機械をあてて検査します。
耳抜きの状態や唾を飲んだ際の耳管の動きを測定します。
ティンパノメトリー検査
[ 検査目的 ]
鼓膜の奥に膿があると鼓膜が動かないので、中耳炎等の診断に役立ちます。
[ 検査方法 ]
小さいスピーカーとマイクロフォン、それと空気の出し入れをするポンプが入っている耳栓を付けます。ポンプによって外耳道の気圧を変え、その時、音がどのように鼓膜に伝わるかを調べます。
耳小骨筋反射検査
[ 検査目的 ]
耳小骨筋反射検査 耳の中に「耳小骨」と呼ばれる、音を内耳に伝える骨があります。 その耳小骨に付着する筋肉が収縮するかを調べる検査です。
正常であれば、大きな音を聞くと内耳の障害を防ぐために耳小骨筋が収縮します。
[ 検査方法 ]
耳にプロープ(耳栓)を入れ、反対耳にはヘッドホンを付けて検査します。
ピッチマッチ検査
[ 検査目的 ]
ピッチとは音の高さの感覚のことです。 自分の耳鳴りがどのくらいの音の高さなのかを検査音と比べて調べます。
[ 検査方法 ]
11周波数の音を聞き、自分の耳鳴りの音に近い周波数を特定します。
ラウドネスバランス検査
[ 検査目的 ]
ピッチマッチテストと組み合わせて、耳鳴りの音が、どのくらいの大きさなのかを測る検査です。 自分の感じている音と装置から出る音を聞き比べて耳鳴りの音の大きさを判断します。
[ 検査方法 ]
ピッチマッチ検査で特定した耳鳴り周波数音をヘッドフォンに流し、自身の耳鳴りのボリュームを特定します。
UCL検査
[ 検査目的 ]
UCL検査:Uncomfortable Loudness Level(不快音量レベル)は、不快に感じる”音の強度”を測定する検査です。
[ 検査方法 ]
ヘッドフォンで各種周波数の音の強さを順次に聞かせ、その中で不快に感じられるレベルを特定します。
MCL検査
[ 検査目的 ]
MCL検査:Most Comfortable Loudness Level(最も快適な音量レベル)は、患者が音を最も快適に感じる音量のレベルを評価するテストです。
[ 検査方法 ]
ヘッドフォンで患者に異なる音の強さを聞かせ、その中で最も快適なレベルを特定します。