UCL検査、MCL検査をしたことがありますか? この検査は、補聴器の適合性を測るために実施することが多く、補聴器を着用している方は経験があると思います。

UCL検査、MCL検査をしたことがありますか?

この検査は、補聴器の適合性を測るために実施することが多く、補聴器を着用している方は経験があると思います。

 

私は ”UCL検査” によって、聴覚過敏症の状況の変化を評価するために検査しています。

聴覚過敏の客観的な評価が一般的にはできないので、UCL検査によって不快音を感じる程度を検査しているのです。

各種の周波数音を順次にボリュームを上げて、”つん裂く”ようなな我慢できない音になったときにボタンを押して、不快音量を特定します。

 

UCL検査(不快音量レベル検査

「UCL検査:Uncomfortable Loudness Level(不快音量レベル)」は、聴力検査の一つで、音に対する感度を評価するために行われるテストです。

不快に感じる音の強度を測定する検査です。

各種周波数の音の強さを聞かせ、その中で不快に感じられるレベルを特定します。

このテストは、特に耳の感度が低下している場合に、音が過敏になっているかどうかを評価するのに役立ちます。耳の感度が低下していると、一部の音が非常に大きな不快感を引き起こす可能性があります。この情報は、適切な治療法の選択や聴覚過敏症の管理に役立ちます。

 

MCL検査(快適音量レベル検査)

「MCL検査:Most Comfortable Loudness Level(最も快適な音量レベル)」も、聴覚検査の一つで、患者が音を最も快適に感じる音量のレベルを評価するテストです。

患者に異なる音の強さを聞かせ、その中で最も快適なレベルを特定します。

これにより、補聴器や音響機器の適切な調整が可能になります。快適な音の強さを特定することで、聴覚障害者の生活の質を向上させるための適切な対策が講じられます。

 

MCL検査、UCL検査はセットで行われることが多いのですが、私は聴覚過敏を対象とする検査のため、UCL検査のみ実施しています。

 

検査方法

● ヘッドフォンを装着して、特定の周波数(500 Hz、1000 Hz、2000 Hz、4000 Hzなど)を設定して、左右の耳に順次に音を流していきます。

● 音量を順次に上げて行き、

▶︎ UCL検査の場合は、”不快になる音量” (我慢できない音量)になった時点をチェックします。

▶︎ MCL検査は、快適だと感じる音量のレベルをチェックします。

 

一般的な検査の目的

● 補聴器の適合性評価

補聴器は、患者の聴力に合わせて適切な音量で音を増幅する必要があります。

このテストにより、患者がどの音量が、快適、不快と感じるかを把握し、補聴器の調整をします。

● 聴覚過敏症の評価(UCL検査)

通常よりも低い音量で音に敏感になる聴覚過敏症。不快音量レベル検査は、そのような過敏症を評価するのに役立ちます。

このテストにより、患者の不快音量レベルが正常範囲内か、または耳の内耳や聴覚神経に問題があるかを評価することができます。

内耳や聴覚神経の疾患がある場合は、通常よりも低い音量でも不快に感じる場合があります。

 

今回のUCL検査の結果を見て医師のコメント

データ的には、聴覚過敏は軽減してきたように思われます。

耳鳴には、しばしば聴覚過敏が先行して発生する (pre tinnitus state)ことがあります。

そして、聴覚過敏が改善することが先行して、耳鳴りも改善することもあります。

特に、無難聴性耳鳴症には、高率に聴覚過敏が合併することが知られていますので、聴覚過敏の良化は同時に耳鳴りの良化も考えられます。

.......ちょっと嬉しいお話でした。