2ヶ月に一度程度、THI(耳鳴り苦痛度評価検査)を自身で検査して、苦痛度の推移を把握しています。 このブログで、何回もTHI をご案内してきましたが、耳鳴り患者には重要な検査だと思いますので、繰り返し書き込んでいます。
2ヶ月に一度程度、THI(耳鳴り苦痛度評価検査)を自身で検査して、苦痛度の推移を把握しています。
このブログで、何回もTHI をご案内してきましたが、耳鳴り患者には重要な検査だと思いますので、繰り返し書き込んでいます。
THI は、耳鳴りの苦痛度を評価する検査として、現状では医療界には標準化しているものです。
耳鳴りの疾患は、血液検査などの客観的検査が出来ず、自己評価による検査をするしかないわけです。
また、医療側から耳鳴りの症状レベルにより、治療の方向性を考える基準となっている検査の代表的なものです。
THI (tinnitus handicap inventory) は、アメリカのNewmanらが1996年に原案を作成。その後、各国で翻訳され世界的に使われている、耳鳴による心理的苦痛、生活支障度を評価するためのアンケート検査です
皆さんは、THI の経験は勿論ありますよね。
慢性の耳鳴りの疾患のある方は、THI の検査を必ず経験があると思います。
ただ、私の経験では、数箇所のクリニックではこの検査はありませんでした。
大学病院で、この検査を始めて経験しました。
その時点では、「こんなアンケート必要なの?」的な気持ちで記入したのですが、”耳鳴り勉強” により必須な検査であることを現在では理解しています。
ただ、THI は初診の時だけの検査が一般的。その時点の評価だけがカルテに残っているのです。
耳鳴り患者は、治療に行く度に聴力検査を実施しますが、THI もそれに準じて継続検査するべきだと私は思うのです。
患者の苦痛度の変化を把握することは、耳鳴り治療に大切だと思うからです。
そして、聴力検査の結果は患者に渡されますが、THI の結果は多くの場合、患者には結果を伝えません。
その理由は、THI は医師側の治療のデータであること、THI の結果を患者が知って、「気にしてしまう」ということのようです。
THI は聴力検査のような特別の機器を必要としませんから、私は自身の苦痛度の推移を理解したいと思い、期間ごとに評価検査しています。
自分の症状を把握することが、耳鳴り患者には不安を妨げてくれものと確信しているからです。
ご理解の上、ご一緒にアンケート検査をしてください。
THI(耳鳴り苦痛度評価検査)
回答方法
回答項目の質問に、下記のいずれかの回答をしてください
● よくある ▶︎ A ( 評価点 / 4 )
● たまにある ▶︎ B ( 評価点 / 2 )
● ない ▶︎ C ( 評価点 / 0 )
評価点数
全項目で選んだ評価点を合計してください
回答項目 | A | B | C |
耳鳴のために物事に集中できない | 4 | 2 | 0 |
耳鳴が大きく人の話が聞き取れない | 4 | 2 | 0 |
耳鳴に対して腹が立つ | 4 | 2 | 0 |
耳鳴のために混乱してしまう | 4 | 2 | 0 |
耳鳴のために絶望的な気持ちになる | 4 | 2 | 0 |
耳鳴を多くの不満を訴えてしまう | 4 | 2 | 0 |
夜眠るとき耳鳴が妨げになる | 4 | 2 | 0 |
耳鳴から逃げられないように感じる | 4 | 2 | 0 |
社会的生活が耳鳴により妨げられる | 4 | 2 | 0 |
耳鳴のために挫折を感じる | 4 | 2 | 0 |
耳鳴でひどい病気であるように感る | 4 | 2 | 0 |
耳鳴のために日々の生活が楽めない | 4 | 2 | 0 |
耳鳴りが仕事に妨げになる | 4 | 2 | 0 |
耳鳴のために、いらいらする | 4 | 2 | 0 |
耳鳴で読書ができない | 4 | 2 | 0 |
耳鳴のために気が動転する | 4 | 2 | 0 |
耳鳴で人間関係にストレスを感じる | 4 | 2 | 0 |
耳鳴から意識をそらすのは難しい | 4 | 2 | 0 |
自分で耳鳴を管理するのは難しい | 4 | 2 | 0 |
耳鳴のために疲れを感じる | 4 | 2 | 0 |
耳鳴のために落ち込んでしまう | 4 | 2 | 0 |
耳鳴のために体のことが心配になる | 4 | 2 | 0 |
耳鳴とつきあっていけないと感じる | 4 | 2 | 0 |
ストレスがあると耳鳴もひどくなる | 4 | 2 | 0 |
耳鳴のために不安な気持ちになる | 4 | 2 | 0 |
↓ THI検査表にLINK
検査評価
● 0〜16点▶︎ 軽症
● 18〜48点 ▶︎ 中等症
● 50〜100点 ▶︎ 重症
症状グレード を設定して、治療方針
医療側としては、治療に際して症状の重さで、そのアプローチが変わってきます。
THI の評価を基に、症状グレードを評価して治療方法を設定している医院も多くあります。
グレード1 軽症
< THI 0〜16点 >
耳鳴りに対して、あまり気にしないで、心配をしていない患者
[治療方針] カウンセリング + 経過観察
グレード2 中等症
< THI 18〜48点 >
「耳鳴りは重大な病気の前兆」「このまま耳鳴りが続く」という不安、心配を訴える人
[治療方針] カウンセリング + 経過観察 希望により音響療法
グレード3 重症
< THI 50点以上 >
耳鳴りに対する不安や心配が強く、強いイライラ感や集中力の低下を感じる人
[治療方針] カウンセリング + 音響療法
グレード4 強重症
< THI 50点以上 + うつ症状>
耳鳴りに対する不安や心配が強く、強いイライラ感や集中力の低下、合わせて眠れない人
うつ傾向が生じて、気分の落ち込みなどの通常の生活ができなくなった状態
[治療方針] カウンセリング + 音響療法 +心療内科での治療
※参考資料 「耳鳴りの9割は治る」新田清一著
ご自身の、耳鳴り状態の評価ができましたでしょうか?
私は、この評価を期間を決めて継続することにより、自分の症状推移を理解しています。