今年の演奏会ベスト3 (2) | Bella Italia

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第1回イタリアオペラツアー、6/25[水]ベルガモのドニゼッティ博物館です。

ベルガモに生まれたドニゼッティが、故郷で最期を迎えたcamera(部屋)です。


ドニゼッティの悲劇の傑作、"ランメルモールのルチア"は、なかなかいい上演に巡り会えない作品です。


なぜなら、主役のルチアを歌う歌手に、とても高い技量が求められるからです。

ルチアがよくても、テノールのエドガルド、バリトンのエンリーコ、ましてやバスのライモンドまで揃えるのは至難の業です。


しかし、今年6/19[日]メト来日公演で観た"ルチア"は、4人全てが素晴らしかったです。


ルチアのダムラウは、乳児を伴っての来日。

幕間に授乳しながら、ベストの状態を保ちにくいと思いますが、全幕を通して安定した歌いぶり。

特に20分にも及ぶ最大の見せ場の"狂乱の場"は、圧巻でした。


グラスハーモニカと共に奏でられる美しい響き、彼女自身の中で消化された"ダムラウのルチア像"とマッチし、聴衆を釘付けにしました。


エドガルドのベチャーラ。

北欧出身のテノール特有の透明感溢れる美声とテクニック。

ダムラウのルチアに見合った立派なパートナーでした。


幕開けの登場のアリアから朗々とした美声を披露したエンリーコのルチッチ。

敵役であるにもかかわらず、野卑にならず、領主としてのノーブルさを保ち、名演でした。


牧師ライモンドのアブドラザコフ。

地を這うような低音の重厚な響きは、オペラに深みを持たせました。


舞台全てを巧みにコントロールするノセダの円熟の指揮。

巧みなアイデアがたくさん盛り込まれた、ジマーマンの演出。


通常カットされることが多い、エドガルドとエンリーコの二重唱も演奏されたノーカット版でありながら、長さを感じず、ドラマに引き込まれあっという間に、最後の墓場の場面を迎えていたという感じでした。


この記憶に残り続けるであろう素晴らしい"ランメルモールのルチア"。

1位にしようか、かなり迷ったのですが、限りなく1位に近い2位でした。


さて、第1位は何だったのでしょうか?