アウフヘーベン | わがままカウンセラーの「おもしろき こともなき世を おもしろく」

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カウンセリングをしているとよくある話なのだが、悩んでおられる方は辛い現状を何とか切り開けないかと必死に頑張っておられる場合が多い。

しかしなかなかそうはいかない。

でも、それを努力不足とか、もっと頑張らないといけないと必死になったり(もちろん頑張らずにあっさりと回避して楽な方向に行く人もいるが、そういう人はそもそもわざわざお金を使ってカウンセリングにはあまり来ない)、または能力が無いからと自分をディスカウントして益々落ち込むという悪循環に嵌っている場合も多い。

カウンセリングにおいてそんな感じの時、僕はいつも「転じる」ということを考える。
「乗り越える」とか「突破する」とか「切り開く」というのがいけないというわけじゃない。
ただ、それだけではなく「転じる」というのもすごく大事じゃないかと思うのだ。

ところで以前松原泰道師の本を読んでいて、「『転じる』というのは『アウフヘーベン』だ」と仰っていることにびっくりしたことがある( 弁証法の基本概念の一つ。「否定する」「たかめる」「保存する」という三つの意味あいを含めて物事についての矛盾や対立をより高次の段階で統一すること。←コトバンク)。

目からうろこだった。

ちなみに弁証法とは「ある命題(テーゼ)と対立関係にある命題(アンチテーゼ)を統合し、より高い次元の命題(ジンテーゼ)を導き出す止揚(アウフヘーベン)の考え方を土台とした思考法」ということなのだが、これが

「車は環境に悪い」VS「車は文明に必要だ」→「ハイブリッド車」

みたいな感じで結構いい加減に説明されていて、まあそれはそれでいいのだが、松原泰道師の説はそんな安直なものではなく、「マイナスの価値」を「より高い価値に高めてプラスにしていく」ということなのだが。

ところで弁証法というと大学のゼミの篠崎先生を想い出す。

先生が書かれた「現代資本主義論と弁証法」という本を今も大事に持っているのだが、未だによくわからん(先生にとって不肖の教え子だったが、今は不肖のじいさんになってしまった)。

ま、いいか。(←頑張らずにあっさりと回避して楽な方向に行く人)

 

 

 

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